閑話2-1
本日、閑話二つ。
短いです。
閑話2-1
「ユキー!」
「にゃ」
またユキに会いに来ちゃった。
だってね、ユキはかわいいんだよ!
それにあたまも良いんだ!
ぼくがおやしきに近づいただけでおむかえしてくれるの!
門のところからチラッと外を見てくるのは、ずるいくらい可愛いの!!
それでぼくを見ると門から飛び出してくるんだー。
つい名前をよんでだきかかえちゃうのは仕方ないよね?
あ、マタさんも来てくれたー!
他のチビ達も来たー!
うれしい。
じゅんばんになでさせてもらう。
まずはユキからなの。
もふもふってやつだね!
でもユキ、本当に元気になってくれて良かった……。
あの時、このぬくもりがなくなっていたかも知れないと思うとすごくこわい……。
あの時……。
ぼくは教室のそうじをおわらせてみんなにバイバイをしたんだよね。
落ちてた木のぼうをひろって、地面にひきずりながら帰ってたんだ。
公園はさわがしかった。
ぼくより小さい子たちが走り回って声をあげてた。
その子たちのお母さんもいたと思う。
ぼくのお母さんはお仕事でいそがしいんだ。
朝にちょっと話すだけなんだ……それは今もかわってない。
だから公園にいた子たちがちょっとうらやましかった。
でもでも、夏休みには海に連れてってもらうのを思い出して、うらやましいって気持ちがなくなったの。
さー帰ろって歩き出したんだっけ。
今日のごはんは何かな?って思いながら歩いたはず。
お兄ちゃんのごはんとおみそ汁はおいしい。
おかずは、ちょっとダメな日があったりする。
ぼくがてつだい出したのはそのころからだったかなぁ。
でね、公園のはしっこの木?草?とにかく葉っぱがいっぱいのところがガサガサしてたんだ。
ぼくはおそるおそる木のぼうでつついたの。
そしたら緑色と土色の他に白いのが見えたんだ!
それがユキだったんだ。
ぼくがぼうでガサガサやっても横になって動かなかった小猫。
動かなかったのでこわくなくなった。
それで顔を近づけて見た。
小猫は逃げなかった。
いや、ぼくを見ていなかったのかも。
小猫はこまかく動いていたけどねたままだった。
「おーい」って声をかけたけどかわらなかったの。
そこでさわってみようって思った。
小猫のせなかは、あたたかかった……。
ぼくがさわっても動かなかったユキ。
そこでようやく小猫のぐあいが悪いんじゃないかって思った。
ぼうを投げすてて小猫をだきあげたっけ。
どうしよう。
びょういん?
お母さんのところ?
そう思いながらまわりを見た。
だれもいなかった。
急に心ぼそくなったんだ。
どうしよう。
どうしようって気持ちでいっぱいになった。
もしかして死んじゃう?
ぼくのお父さんは死んだってきいた。
小猫も死んじゃう!
そう思ったら子猫をかかえて走っていた。
走ったんだけど、何もかんがえてなかったんだ。
だから気がついたら家の近くだったの。
足が止まった。
家の近くの道。
もうお兄ちゃんの顔しか思いうかばなかった。
でも、お兄ちゃんが帰ってくるのはもっとあとだ。
まだ学校のはず……。
むねにかかえた子猫はあたたかかった。
とぼとぼと家に向かって歩きだしたっけ。
そしたら後ろから声がきこえた。
思わずなみだがこぼれそうになった。
だって会いたかったお兄ちゃんとしおちゃんの声だったんだもの!
お兄ちゃん達の声はきこえたけど、なんて言っていたかよくおぼえていない。
「この子、ちょうしが悪そうなの!」
ぼくはお兄ちゃんに向かってそれだけ言ったと思う。
お兄ちゃん達があわててた。
でね、知らないおねーちゃんがいたのにも気づいたのはその時だった。
赤い髪の毛をした女の人。
お兄ちゃん達の友だちだと思った。
マンションのうらに行って。
その赤い髪のおねーちゃんが子猫を助けてくれたの!!
もう大丈夫だって言われて少しなみだがこぼれたのはナイショなの。
うれしかった。
赤い髪の毛はいい人のあかし!
おねーちゃんはシンラおねーちゃんだった。
それから子猫のお母さんにも会ったんだ!マタさん!!
ネコマタってようかいなんだよ!!
あたまの中にコトバがつたわって来て、ビックリ!!
ネコマタすごいって思った。
小猫ちゃんもそうなるのかなぁ?とも思ったり。
あの時、ユキを助けられて本当に良かった。
だってもうぼくとユキは仲良しだもの!!
それもあたたかいしもふもふ!!
あとおやしきの中にいるおかっぱの女の子が手をふってくれるようになったのもうれしいの!
うれしいし、しあわせだよ!




