第6章前哨編
次でいよいよ、任務開始なので前哨編とします。
べ、別に道中のネタが思いつかなくて、諦めたわけじゃないよぉ!
「起爆用~意! ルーズルート、準備はいいか?!」
「OKです」
西門から南に数百メートル先、全長120mにわたる銃眼に2人の男がうろついていた。
一人は黒いスーツに身を包み、黒色のくしで綺麗に梳かされた髪をきれいに7:3分けにしちょび髭を蓄えた初老の男性。もう一人は白髪交じりの髪にやぎ髭と眼鏡を付けたこちらは初老を超えた男性。
誰であれ、そう! ちょび髭は伍長閣下であり、やぎ髭は一応付け髭なルーズルート局長兼侍従長の姿である。
伍長閣下は銃眼から内側の壁に手をツッコみ何やら取り付けており、その取り付けたものはルーズルートのもとへ線が貼られ起爆装置と言わんとばかりの装置に取り付けられている。
「では起爆しますよ!」
「OK、ただ安全圏(25m)への撤退中だから後2秒待ってくれ!」
ただ喋っている間に2秒経っていることに伍長は気づいていないようだった。
「もういいですか? カウントダウン始めますよ!」
「ああ、いいぞ」
「では、3………2………1………起爆!」
次の瞬間、銃眼の上に取り付けられていた粘着爆弾C4は瞬時に爆発した。ドオォォォォォンッッッ! そんな轟音が壁の内側から鳴り響き、土煙が爆発地点から上がる。
壁を構成していた鉄筋コンクリートの破片が弾丸のようにあたりに飛び散り、よく見れば鉄筋がむき出しになった場所が多々ある。
爆発地点である銃眼は大きな穴をあけ、侵略者がもし伍長達と一緒に来ているならばここからなだれ込み殲滅するだろう。
「煙が晴れていきます、伍長さんヴァイツァー20を出して装備してください。すぐに侵入しますよ!」
「了解!」
持ってきた荷物の中から、奇妙奇天烈な形をした銃を取り出した伍長。
ヴァイツァー20……。これはヴァイツァーと呼ばれる軽機関銃をさらに小型化軽量化を施した銃火器で、一回の射撃につき、120弾も発射される。射程距離も400mから600mとなかなかの良好ながらも、現代戦では無人戦車や無人航空機、無人兵器にとってかわられ、対人戦というもの自体が無くなってきたため、現在では治安部隊や特殊部隊くらいしか使われない銃である。
ではなぜそんなものを使うのかというと、その分様々な条件下でも使用が可能で、射程を生かしてスコープを付けての狙撃や、陣地からの機銃掃射、航空機のサブ武器として使用されたり、特殊部隊の自動小銃がわりに使われたり、サプレッサーを付け暗殺など様々な需要があったため、今回も用いられた。
そんな世にも恐ろしい武器をスーツの下に隠れるようにしまい込み、伍長とルーズルートは煙の晴れてきている穴に向かって走り出す。
速い。
さすが二人とも元軍人なだけある。
普通の銃火器より何倍も重いヴァイツァー20を装備してもこの速さである。どれくらい凄いかというと、1tトラックを腰に括り付けた青年が100m引っ張るほど凄い。
……それは果たしてすごいのだろうか?
「右確認」
「クリア!」
「左よし、ではここからは普通にいつ戻りの形で行きましょう。おそらくこの爆発によって憲兵隊や野次馬が集まってくる可能性があります。私達はそのやじ馬たちがあたりを取り囲むのを見計らって銀行へ向かいます。まぁ今はこんな真っ暗ですし、暗視装置は忘れないでくださいよ」
「了解、了解」
伍長は胸ポケットからルーズルートが掛けている同じタイプの眼鏡を取り出し、装着する。
そして、眼鏡のつるにダイヤルを普から暗にすると……
「おお!」
何と眼鏡のレンズに暗視機能が備わり、暗くてよく見えなかったあたりが一変、数十メートル先にある看板に書かれている内容まではっきり見ることが出来る。
さらにこの眼鏡、従来の暗視装置よりも鮮明で、まるでライトを当てたかのようにはっきりと映る。
その鮮明度ときたら伍長が、思わず声を上げるほどに……




