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Manipulated Intelligence Agent ~皇帝によって操られた諜報員たち……~  作者: 11月 ミツシ
第4章、【ちょっと諜報? やってくる!】
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第4章7話

 何故最後に♪マークが付くのか?

 それはフェルトさんが無人兵器の胴体部分の中にいたものを見てしまったからである。

 この機動兵器、元は有人兵器でもあり中に人が乗って操縦することも可能なのでもちろん中に操縦席がある。この操縦席はメンテナンスでも使われるので実は皇居内には入れればだれかって操縦できたりするのだ!

 そしてそのハッチをこじ開け中を見フェルトさんはにっこりと笑ってもいた。

 それは何故か? 

 訝しむように見る伍長と首相はぬかるみ地面をしっかり踏みしめフェルトさんのもとへ駆け寄って己の目を疑った。

 

「ちょ…えっ!」

「何というか…可能なんですか」


 そんな言葉がぽろぽろと出てくる。

 

「う~ん、城壁で囲まれたこの城塞に侵入するのは多分無理だと思うよ。でも私もここに住んで10年ちょっと経つけど侵入記録は1回だけらしいよ」


 フェルトさんが胴体部分を見ながら首を傾げる。

 なお、その1回はどこかの大学生たち5人組が軍事機密や国家機密の宝庫である皇居に、『おい、ちょっと皇居言って戦車盗んで来ようぜ』とコンビニ行く感覚でセンサーやら対空機関銃やらレーダーやらレーザーやら防犯カメラ網を突破し城壁の下に簡易的なトンネルを作り中へと侵入した。

 もちろんことを知っていた皇居守備軍は彼らを不法侵入の現行犯で逮捕し、そのまま国防軍治安維持庁に身柄を引き渡された。

 その時彼らは…『青春最後の思い出を作りたかった。反省はしている、だが後悔もしている』などと供述しており…。

 ちなみにこの事件を知った前陛下は急ぎ城壁を対核強化石仕様にするため1年かけて今の城壁にした模様。建設費用は、何と! 1万9800円(人件費のみ)! これ本当…

 

「一回ですか…。ならどこから入ったんだ?」

「それ、私に聞きます!?」


 首相の方をじーっと見つめそう訊ねた伍長に衝撃を受けた首相


「ううん、それはないと思うよ。多分皇居内の職員の誰かの子だと思うけど…。はぁ~これは大変なことになりそうだよぉ…」


 フェルトさんは力なく項垂れた。

 とその時、


「うぇ~ん」


 胴体内の操縦席から鳴き声が聞こえてきた。

 そう! 機動兵器の中にいたのは…。まだ生後間もない赤ん坊であった。しかも二人…


「おお、よしよし…。」

「うぉ! いつの間に!?」


 いつの間にか現れていたルーズルートにびっくり仰天する伍長と首相。

 そのルーズルートは泣いている赤ん坊をあやしながら、


「さすがに戻ってくるの遅いと思ったので、今作戦の依頼人でもある陛下にお電話したら、高度1万メートルからパラシュートなしスカイダイビング中と言われたので急いで特殊諜報捜査局に戻ったら局長室のドアにシェリアさんのメモ書きが書かれていてここに来ました」

 

 心なしかドヤ顔で言い放つ。

 だがそれを聞いていた伍長は主に2つのことで大いに驚いた。

 まず深夜帯なのに上司でもあり国家元首に電話できる事と、パラシュートもなしに落ちている状態で電話に出ることが出来るの事の2つに…


「あの、陛下。まずい事とはどういう事でしょうか?」


 赤ん坊に時頼、いないいないばあっ! をしながらフェルトさんに質問するルーズルート。

 実に手慣れた様子で赤ん坊をゆっくりと揺らし、たちまち泣き顔から笑い顔になっていた。


「う~ん、おそらくこの子は皇居内を出入りできる…職員か侍従の子供だと思うんだぁ。でも普通ならこんな場所に隠す必要がないし、第一自分の子供をこんな場所に入れる必要すらないの。

 で、最近職員や侍従の中で妊娠したあと失踪した女性を思い出してみたの…。

 そしたら一人いたんだ…」


 子供とは思えないほどの推理力だな…。と一同感心した。

 なお、名前は出せないが某王道アニメの推理力をフェルトさんは『小学生なのにここまで推理できるなんて……凄いね!』と大いに評価していた。

 

「この女性、侍女の一人だったんだけどね」フェルトさんはいつの間にやら手元にあったタブレットを使い一人の女性の資料を見せる。「半年ちょっと前くらいかな? 彼女が嬉しそうに子供が出来たことを報告していたの。双子の兄妹なんだって、多分その子たちじゃないかな?」

「じゃあ、その子たちの母親がこの機動兵器に隠したと?」


 だんだん訳の分からない状態になっていくにつれ、頭がパンクしかけている伍長。

 と、本当に気づかないうちに集まっていた守備軍の兵士がフェルトさんのもとに駆け寄り、かがみながら何やら話していた。

 ちなみに守備軍の人達は機動兵器が暴れていると一報を受け、丁度伍長さんたちがシールドを絶賛展開中のハウニブⅢを唖然としながら見ている後ろから着ていた模様。

 

「どうやら機動兵器が何故暴れていたかわかったらしいよ。どうやら野戦警戒モードが展開中だったみたい」

「野戦警戒モード? 何ですかそれは?」


 首相のごもっともな疑問に同意し頷く伍長


「野戦警戒モードというのはね、戦場って夜は暗いよね」

「ええ、そりゃ戦場ですから電気なんて通ってはいませんし…」

「これはね、機動兵器を破壊しようとする工作員用に作られたモードでね。夜の間兵器に近づく人間を無差別的に攻撃するモードなんだ…。あっ、それでか」


 何やら納得したのか、ポンと手を叩き満足げな顔をするフェルトさん


「つまり、今までの脱走騒ぎとかは、おそらくこれが関わっていたのだと思うの。夜暴れ回るのはこの範囲に人がいたから。動くのはこの子たちの脳波を兵器が読み取ってそう誤認したんじゃないからかな? 野戦警戒モードも何もかもを動かすには操縦席内でしか扱えないと思うから」

「なるほど…。ん? 待ってくださ。確か前のメンテナンスの時はハッチも開きましたし、人がいる気配もなかったですよね。陛下」

「うん、私もそう聞いているよ。あれ? 最後にメンテナンスしたのって…?」


 二人して腕を組み、同じ方向に首を傾げるルーズルートとフェルトさん

 だがその疑問に答えたのは、


「1週間前ですわ、その時私も立ち会ってましたから」


 アリスティンだった。


「という事は、この子たちは1週間以内にこの中に?」


 最近物忘れがちょっぴり多くなってきた伍長さんがそう付け加える。


「そうなりますわね。」

「でも、そうなってくると、この子たちは何もないな所で1週間は過ごしたことになるんですよね。赤ん坊がそんな長時間…」

「そこは大丈夫ですわ。この世界で生まれた子供はみんなある治療を受けることが義務化されていますの。万が一両親が不慮の事故で子供が家に取り残されても生きて行けるように最高3週間は生き残れる治療を受けておりますわ」


 便利な世の中だな…。と中の人と伍長は思った。




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