3 クラスのカップルと塁
「そ、宗志くん?」
「なんだよ大輝。“くん”付けとか気持ち悪ぃ」
いやいや、呼び捨てなんてそんな!
彼女持ちってだけでもう、俺より格上な人間ですから!
と思ったけど、なんか悔しいから、やっぱやめたやめた!
というか、知らなかった。コイツ、仲間だと思っていたのに…。
「お、お前…須田さんとその…つ、付き合ってたのか?」
「は?」
「は?じゃない。それ、貰ってる時点でそういうことなんだろーが」
俺が宗志の手元を指差して言うと、それに視線を落とした宗志が言った。
「あぁ、これ?これは…違うんだ」
少し深刻そうな顔をして、宗志が言った。
「俺とあいつは、幼馴染みなんだが…」
「へぇ、幼馴染み…」
知らなかった。というか、羨ましいなそれ!
俺なんて、幼馴染みと言われて浮かぶの塁ぐらいだぞ。恋愛格差の頂点に君臨しているやつだぞ!?
「―――話せば長くなるんだが、これは俺達の使命なんだよ」
「はぁ?」
使命って?お前、なにアホなこと言ってるんだよ!!と笑い飛ばそうとした俺は、その開けた口から言葉を発することが出来ないままで終わった。
「滝野家と須田家には代々、地球を…、いや人類を滅亡から救うという使命があるんだ。毎年二月のこの時期に、須田家が用意したモノを、滝野家の人間に手渡す。これを止めると、地球は滅びるとされているんだ。だからこの儀式は絶対に必要で、これで今年もこの地球は護られた。」
(あ、こいつ…やばい。)
恋の病ならまだしも、こいつのは―――厨二病だ。
「待て待て、須田さんもまさかそれ信じてるのか?」
「信じるもなにも、お互いの親に小さい頃からそう教えを受けてきたからな」
(刷り込みだ…っ、洗脳だっ!ってかそれ、単に二人をくっつけようとしてるだけだろ!?)
「なぁ…それずっと続くのか?」
「だろうな」
ああ、結婚するまで続くんだなそれ。
サンタクロースの存在並みに信じ込んでるんだな。
でも、それでいいのか?
その日の帰り、隣を歩く塁に言った。
「――…俺、お前が幼馴染みで、良かったよ」
「どうしたの、大樹くん…」
そんな気色悪そうな顔すんなよ。失礼なやつだな。
でも、コイツが女だったら絶対美人だし、かなりオイシイ関係なのにな。
「ったく、なんでお前男なんだよ…」
「え、今度はなんなの?」




