2 大輝くんとの帰り道
「あの・・・大輝くん?本当にごめんね?」
「気にすんなよ塁、今さらだ。」
どうしよう。
大輝くん…―――、凄い無理してる。
すっごい痩せ我慢して笑顔作ってる。
エグいぐらい引き攣ってるって・・・。
僕が大輝くんに謝ったのは、放課後の帰り道のことだ。
手に持ちきれないほどのチョコレートは、朝のホームルームが始まると、即刻担任に見つかった。
担任の橋田先生は、とても親切な、お歳を召した女性で。
チョコの置き場に困っていた僕に、「水無瀬さん。放課後まで、このチョコレートはすべて、職員室にて預かっておきますね」と申し出て下さった。
が、…しかし、休み時間毎にその数は増え続け、放課後職員室へ受け取りに行く前に、僕の両手はチョコレートが入った紙袋で塞がってしまったのだ。
あ、因みにこの紙袋というのは、電気屋で大型の家電を買ったときのものだそうだ。
こんな紙袋を数枚持参してくるなんて、大輝くんは用意周到だなぁと感心してしまった。
しかもそれを僕に全て貸してくれるなんて、本当に…持つべきものは腐れ縁の友だな。
そしてさらに、大輝くんは僕が持ちきれない分の紙袋二つを両手に持ってくれた。あぁ、本当に…優しくて面倒見の良い友が、近所住まいで助かった。
だけど、そんな救世主・大輝くんのライフが、歩く度に減っていっているのだ。彼は僕なんかよりガタイが良いから、そんな重く感じている訳でもなさそうなのに。
―――――…だから僕は彼の様子を窺うように、謝ったのだった。
「つうかさ、塁はこの大量のチョコレート毎年食べてるのか?」
「・・・いや、」
突然の大輝くんの質問に、僕はつい、言葉を濁してしまう。
「実は、ここだけの話なんだけど。」
周りを見渡して、同じ高校の人が誰も居ないのを確認してから少しだけ声を潜めて、話した。
「僕、手作りのものと、誰からもらったのかが分からないものは食べてないんだ…」
「は、マジかよっ!?」
大輝くんが、物凄いキレた。
(え、なんで?今のどこが逆鱗だったの?)
「なんでたよ、塁!最低だなお前!!」
さ、サイテー…??
ひ、酷いよ大輝くん。そんなハッキリと。
(仕方ない・・・話そう。)
大輝くんに最低だなんて言われて、黙っていられない。
僕は思い出したくもない、数年前のことを彼に打ち明ける事にした。




