決闘そして旅立ち
少し双子の物語といいながら、少し妹のセイラに振った物語構成でしたが、次の作品はこの物語のルーナ皇女の変わっていく姿を、自由に生きて行く姿を描いていきたいと思います。また、ご閲覧お願いいたします。
「ルナ姉何を考えているの?アンブロシアはお姉様の国よ!お姉様が出て行く必要なんか無いじゃない。私の覚醒なんかお姉様が国政に対してやっている事に比べたら単なるお遊び程度のものなんだから。」
「分かってないのは貴女よセイラ。アンブロシアは創立以来、魔法国家として最強であり続ける事を支柱としてきた国家よ。そしてその頂点に立つのは常に最強の魔導師でなければいけないの。」
ルーナは、魔力において結界、防御に秀でたマスタークラスの家臣を集められるだけ呼び出し、外部に被害がでない様に戦闘空間を作らせた。
呼び出されたルーナとは親しい聖女クロエは訝しげに話す。「何故、セイラ殿下と優劣をつけなければいけないのですか?未来はお二人が一緒に決めて行けば良いではないですか。」
「私は嫌になったの。必死に皆の期待に添えるように皇女を演じてきたけど、振り返ってみても誰も本当の私を評価してくれない。いつも、いつも、いっつもできて当たり前、やりたくない事も、切なかった事も山ほどあったのに、出来なくて絞り出す様な努力をして来た事もぜーんぶ、結局誰も見ていてくれない。だから・・・」
「私・・・これからは自由にやるわ!」
「さぁセイラ・・・私達のケジメをつけましょう。」
「分かったわ、ルナ姉・・・その代わり、私が勝ったらルナ姉はここを出ていったりしないで!皆んなとずっと一緒に居るって約束して!」
「ふはっ、私を本気にさせる気ね。いいわ、私は必ず貴女に勝ってここを出て行く。」
決闘は始まった。
セイラは自ら抑え込んでいた力を解放する。セイラの身体は淡い桃色の光で覆われて、その空間の全てを自らの魔力で満たして行く。
一方でルーナは魔力を内へ内へと集中、研ぎ澄まして行く。最低限の魔力で最大限の効果を導き出す為にどこまでも純粋に澄み渡って行く。
そして瞬間、それは弾けた。
「ドオオオン!」強大な魔力がぶつかる。
空間を満たしたセイラの魔力全てがルーナに向かって降り注ぐ。
ルーナはその研ぎ澄まされた魔力を瞬時にセイラに放つ。
覚醒したセイラの魔力は絶大で、全方位からルーナを抑えにかかる。
ルーナも無事ではすまない。全身を焼かれるが必死に痛みに耐える。魔力量的にルーナには自分を護るだけの余力は無いのだ。
ルーナの打ち込んだ魔力の矢は、蒼い光を放ち魔力領域を貫いて魔法防御壁に到達、セイラの魔法防御壁をも貫き腹部を貫通した。
ルーナは激痛にしゃがみ込み座り込み、セイラは弾け飛び起き上がれない。
「痛いよ・・・セイラ。やっぱり覚醒は伊達じゃないのね。」必死に立ち上がる。
「ちょっとすぐに動けないかも・・・」セイラもお腹を抑えながら必死に身体を起こして次の攻撃にそなえる。
一撃目は一応互角な太刀合いだった。
其々が次の魔法を直ちに組み立てる。
魔力に余裕のあるセイラに対して、ルーナは高速詠唱でマナハーベストを行い魔法の効率を最大化する。
ここは、魔力量に余裕のあるセイラが先に魔法構成を完成、ルーナに撃ち込む。
「クリムゾン・プラズマ」真紅の稲妻がルーナを襲う。
ルーナはまだ詠唱中である。魔法構成を中断出来ないためあえて二重詠唱から魔法障壁を立てて凌ぐ。
「うっうぅぅ・・・」思わず苦痛の声が漏れる。
遅れてルーナの詠唱が完成、かなり大きな魔法をセイラ一点に集中、指向性を持たせた巨大な光の槍となりセイラに撃ち込まれる。
「アルティメット・ホーリィ・ランス」
セイラは魔法障壁を三重に重ねて展開したが、最大効率化され、指向性までつけて放たれた光の槍は魔法障壁を破壊してまたもセイラのお腹を貫く
「きっやあぁっ」セイラは悲鳴をあげて動けない。
ルーナは焼け爛れてボロボロの姿だが致命傷は受けていなかった。
直ちに瞬間転移でセイラの目前に転移。細剣を突きつけようとしたが、今度はセイラが時間差で詠唱していた魔法が完成する。
「クリムゾン・ライトニング・エッジ」目の前で赤い稲妻の刃がルーナを薙ぎ払う。
「ぐっはぁ」血飛沫が上がりルーナは倒れかけるがふみとどまる。
「ジャキッ」細剣がセイラの首に当てられた。勝負は、ルーナの勝ちであった。
「どう?私の勝ちよ!私は自由にさせて貰うからね。」
本当はルーナは知っていた。最後の一撃は、セイラに殺す気さえあればルーナは負けていたのだ。
ルーナは悔しさに泣きながら残った魔力全てを遠隔転移に回して、遠くにとにかく遠くに転移して行った。
だれも追いつけないほど遠い場所へ。
そして数年後、その星の裏側で最強の女魔法剣士の噂を聞くことになるのだ。




