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エピローグ

 新東京。町の名前が変わる事は無いが、トップが変わる。憲明の代わりに、姿を現したのは、ジャンである。巨大なスクリーンに姿を現し、マイクを取ると、町の人々に今の状態を説明する。


「俺達は、戦わなければならないだろう。北に西。手を取って、来る第四次世界大戦に備えなくちゃいけない。戦争などもう起こりようがないし、関係ないって思ってた奴もいるだろうが、それは違う。第一次世界大戦以前の状態に、科学力持って戻っているだけだ。そう答えれば分かるだろう? 火の粉は飛んで来るし振り払わなくちゃならない」


 町の人々も危機感を覚える者、勝手な事を言っていると、吐き捨てる者。それぞれが口々にする。

 直ぐには、ジャンも納得も理解もされるとは思っていないだろう。こんな世界にした奴らが居て、また戦争をしようとしてるなどと、考えたくもないはずだ。

 ジャンの演説は続く。形はどうあれ戦う道しか選べなかった。もう一度、収まる場所に収めるべく彼は、これからも走り続ける。それだけの覚悟をもってここまで来たのだから。


◆


 とある地下にある町。ここはジャン達の本拠地である。そこにある喫茶店でくつろいでいるのが彼等だ。


「実質占領みたいな事をしたわけだけど、あんな事して大丈夫だったのかね?」


 大型のハエレティを倒した後、なだれ込むようにして、新東京へ行き、制圧。

 その先は政治の領分だ。北でも西でもないぽっとでの勢力が新東京を捻じ伏せた。

 日ノ本における町は一つではない。それは、今まで保っていた均衡を崩したのではないかと。


「大丈夫なわけないわ。まとも動いている町が一つ奪われたのよ? 権力が欲しい人間にとっては、不快この上ないでしょうね」


 喫茶店に居てもメイド服の叶。店員と間違われそうではあるが、れっきとしたお客である。

 目の前にある紅茶を一口運び、それを飲み込むと、言葉にする。


「それは間違いないでしょうね。遅かれ早かれこの状況にはなった間違いありません。裏では色々と動くでしょう。新東京は今、弱っているわけですから」


「うへぇ。って言う事は、また大きな戦闘があるって事?」


 机につっぷして、嫌な顔をするのは茉莉だ。


「外交だけで何とかするのが、お偉いさんのお仕事。暫くは、平和よ。パパは暫く大変でしょうけど」


 そう言い終えると、フォークでチーズケーキを切り、それを口に運ぶのはシエルである。


「先輩方、見つけたのでありますよ!」


 軍服を着た女の子が声を上げる。似合ってるとも言えず、軍服に着せられていると現した方がしっくりくる表現だろう。

 特別悠斗達の後輩というわけではないし、悠斗達は軍に属さない。

 では、何故先輩なのかというと、先の戦いの戦闘ログを新東京、それと、ジャンの基地に裏の世界に公開したのだ。その結果一定数のファンが出来た。

 不謹慎な話だが、やはりエースパイロットと言うのは英雄と同じような目線で見られることがしばしある。ハエレティクスに乗っているのが、若い男であり女の子でもあったのがその一つだ。

 印象操作をしたとも言えなくはないが、恐れられるよりもマシだろう。


「えっと、訓練の時間だっけ?」


 エースパイロットから操縦が習えるとなれば、生徒も増えるというものだ。

 軍に入るにせよ、入らないにせよ、乗れる事にこした事はない。


「そうでありますよ。皆が待って居ます」

「悠斗の教え方って感覚的な部分が多すぎるのよ」


 悠斗達の生活も変わった事がある。野次馬でエリスの授業を見に行ったときに、悠斗も教師役をやらされることになった。

 エリスはともかく、悠斗が教師が務まるかと言えば、務まるわけも無く、人気取りという面もあるだろう。エリスは男に人気だが、悠斗は女の子に人気という事になる。


「理論的に教えろって言われてもね?」

「ボクも無理」


 こういった意味でも二人の息はぴったりと言えるのかもしれない。


「射撃は理屈屋がいいのかもしれないわね」


 シエルも射撃と言う部分においては、エリスと並ぶ。そんなこんなで、エリスの付き添いをしてる。


「私は、またお目付け役ですか」


 ため息をついてはいるものの、違う刺激を得れるというのはいいものでもある。叶もお目付け役と称して、学園に居るのは良い事であり、本人は否定するだろうが、以外に気にっている。


「いえ、叶殿の作戦立案、オペレーションなどは、大変役に立っているでありますよ」


 話の脱線など、悠斗や茉莉に任せていると起こりうる事へ目を光らせる役である。

 密かに、男性にも人気なので士気は高まるといった具合もあるのだが。


「それでは、参りましょう」

 

 つかの間の休息。新しい日常を謳歌するべく悠斗達は歩き出す。



これで終わりとなります。読んでくださった方々、ありがとうございました。

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