リアスの誘拐
忘れるてる方もいると思いますので書いておきます。
更新は1日置きに変更しました。
ゴーン―――ゴーン―――
本日最後の授業終了の鐘が学園に響いた。
白いローブを着た男性教員は黒板に書いていた古代語の説明の手を止めて、古代魔術語基礎の本を閉じた。
「本日の授業はこれまでとする。明日は、教科書の十八ページの古代文字の原文解読をします。予習をしてをしっかりしておくように。」
「起立、礼」
「「「「ありがとうございました。」」」」
授業後の号令を終え先生が教室を出ていくと、皆一同に席を立ち、帰り始めた。
「さて、今日の授業はこれで終わりね。」
リアスは机の教科書類を手提げ鞄にしまう。
「それにしても―――」
横目でリーシェの席を見る。今月に入って、二週で3回の救護室と1回の遅刻、学園長からの呼び出し、時間にして、約10時間分の授業を欠席していることになるのだ。
今回は昼休みに不審者に襲われて、負傷したため救護室で療養中と言う話を昼の授業前に先生から伝えられた。
「全く、成績最底辺の無能だと言うのに、こうも頻繁に授業を休むなんて、一体どれだけ私達を侮辱すれば気が済むのかしら、あの特待無能生は。召喚獣が居なければ自分で戦うこともできないから不審者などに遅れをとるんですわ。」
リアスはリーシェのことが嫌いだった。
いや、正確にはこの学園の特待生制度自体が嫌いであった。
王族でも魔力適正、筆記、実技、面接、4次試験を合格しなければ入学式できない、世界でも最高峰のレベルの学園なのだ。
しかし、特待生は、これらの試験を全て免除された上で入学するのだ。
それはまるで自分の、自分達の努力を全て否定されているようで屈辱的であった。
それが〝幻雨の剣聖〟のカエデ・ナガシマや〝反転領域〟のニーベル・スライオスのような努力など無意味だと思えるほどの理不尽な才能と世界最強の魔王種とさえも渡り合う力を持つような人間であるならば納得できる。
しかし、リーシェはどうだ。魔術の才能も、武術の才能も欠片もなく、それどころか努力すればついていけるはずの座学すらも全く理解してない。
その事が、どうしょうもなく腹立たしかった。許せなかった。
どうして、お前のような何も出来ない無能がなんの努力もせずに、この学園いるのかと、お前のような無能が入学を許されて、なぜ、努力した子が落とされなければならないのかと。
これでは落ちた人達が余りも理不尽過ぎると。
「なのに、公開召喚儀式では、堕天使とかいう訳の分からない規格外の召喚獣を召喚するなんて、本当に世の中は理不尽ですわね・・・」
リアスは、無能だと思っていたリーシェがあれほど恐ろしく、禍々しい堕天使を召喚した時は、はっきり言って恐ろしかった。
べリアルの姿もそうだが、何より恐ろしかったのは、リーシェが契約を結んだべリアルを使って自分達に仕返しをしに来るのではないかと思っていたが、リーシェはいつもの通りだった。
但し、3時間目からだったが。驚いたのはリーシェと一緒に優等生であるアルティまで登校してきた事だった。
確かに、アルティはリーシェに対して、なぜか凄く甘い節があったがそれでも無断欠席などする子ではないとリアスは記憶していたが・・・
「まったく・・・入学した頃は、分け隔てなく誰とでも話していたけれど、それでも、どことなく距離を感じるような子だったはずなのに・・・この頃はちょっと甘々過ぎる気がするのよね。この頃、アルティさんのリーシェさんをみる目がたまに、異性に熱い視線を向けるようなことがありますし、とゆうか、一体入学してから一週間足らずで何をしたら、あそこまでデレデレになるかしらね。」
入学してからの僅か一週間足らずでのアルティの変わりようにリアスはリーシェが一体何をしたのか若干気になるような気がしないでもなかった。
「リアス様、一緒に帰りませんか?」
教科書類を鞄にしまい、席を立とうとしたとき、女子生徒が2名リアスの席まで来て、一緒に帰ろうと誘った。
「実はメインストリートのカフェに新作メニューが今日から発売なのですが良かったら是非御一緒にどうでしょうか?」
女子生徒の一人が目を輝かせながら誘う。
「ごめんなさい。今日は少し用事がありますの。また誘ってくれると嬉しいですわ。」
しかし、リアスは先生に呼び出しをされていて、放課後来るように言われていた。それに加え、図書館にもよって帰るつもりなので今回はやんわりとお断りした。
「そうですか・・・残念です。またお誘いしますね。」
「ええ。今度は3人で行きましょう。だから、今日は二人で楽しんでくるといいですわ。明日にでも感想を聞かせてくださいね。」
「はい、必ず。では、今日はこれで失礼します。」
「失礼します。」
元気良く別れの挨拶をリアスにすると、教室を出ていった。
「さて、私も行きましょうかね。」
それから職員室に行き先生の話を聞き、図書館で最近ハマっている恋愛の小説の上下刊を借りて図書館を後にした。
学園を出ると辺りはすっかり暗くなっていた。
女子寮までの道を急ぎ足で歩いていた。
「さて、帰って早速―――」
いきなり後ろから口をタオルのようなもので押さえつけられ、腕を捕まれる。
「んッッ!?」
いきなり気配もなくいきなり、現れた不審者の手から逃れようと力を一杯バタバタと暴れる。
「んッッ―――んん―――んッッ―――んんんッッ―――」
「くそ!!暴れんなよクソが!!」
もう一人現れた黒いローブの人物に腹部を強く殴られる。
「んぐッッッ―――!!!」
腹部に強い衝撃と痛みが押し寄せ、リアスはそのまま意識を失ってしまった。
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