第1話 〜最弱の転生者〜
遥か太古。
世界には「死」という概念しか存在せず、一度命を落とせば魂は消滅していた。
しかし、神々、魔王、冥神、天使、魔神、達による終焉戦争で数え切れない程の命が失われ、世界そのものが崩壊寸前となる。
世界を救う為に、創世神は自身の神格を犠牲にして一つの法則を創り出した。
ーーー《輪廻》ーーー
死した魂は消えず、世界を巡り、新たな命として再び生まれる。
こうして生命は何度でも未来へと繋がるようになった。
だが創世神は最後にこう告げた。
「魂は巡るたびに力を蓄える。いつの日か、この輪廻を超越する者が現れるだろう。」
その予言から数万年。
魂は転生を繰り返し、前世で積み重ねた経験は『魂核』に刻まれるようになった。
その魂核から、人々は様々な能力を覚醒させるようになる。
炎を操る者。
空間を裂く者。
時間を止める者。
神々の力すら継承する者。
人々はその力を『輪廻能力』と呼んだ。
輪廻を創った創世神は、本当はまだ消えていないことを。
そして世界の何処かで、輪廻そのものを喰らおうとする存在が目覚め始めていることもーー。
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ある小さな村に新たな命が誕生した。
その名はーー《アルト・レヴァイン》ーー
「ふふ、私達の可愛い赤ちゃんよ」
「俺達の息子だから、きっと強くなるぞ〜」
母リオン・レヴァイン、父ゼノ・レヴァイン。
母リオンの輪廻能力は前世の能力が剣聖で今世の能力は賢者であり。
父ゼノの輪廻能力は前世の能力は英雄で今世の能力は大魔導師である。
その為か、アルトはものすごく期待されている。
「アルトの前世の能力と今世の能力はなんだろうな?」
「きっと、私達よりも凄い能力よ」
時は過ぎ、十五年後が経ちアルトは輪廻能力を授かる儀式を受ける時が来た。
「今日は俺が儀式を受ける日だよね?」
「そうよ、ふふ、楽しみだわ」
「母さんは、昨日の夜からソワソワしてたからな」
「俺ってどんな能力持ってるんだろう…」
「父さん達が凄いんだから、きっとものすごく強い能力を持ってるぞ!」
アルト達は村にある教会へと向かって行き儀式を受けに行った。
結果は…無能力者だった。
女神の象に祈りを捧げるものの何も反応はなく、神官の人は少し気まずそうにしながら首を横に振り諦めなさいと言うように肩に手を置かれ帰るように言われてしまった。
(俺が…無能力者…そんな……)
「アルト…帰るぞ」
「アルト…帰りましょう」
教会を出てアルト達はトボトボと家に帰って行った。
その夜、アルトは一人部屋で引きこもりベッドで寝転び考え事をしていた。
「俺が、無能力者…母さん達幻滅させちゃったかな…」
「母さんと父さんの間に生まれた俺が無能力者って、笑い者にされちゃうな…」
「どうしよう…これから俺…」
寝返りを打ちアルトは身体を丸め込ませて眠りについた。
その日の夜に、俺は不思議な夢を見ることになった。
剣聖だった頃の俺、大魔導師だった頃の俺、大賢者だった頃の俺、王だった頃の俺、聖女だった時の俺、神だった頃の俺、邪神だった頃の俺、魔王だった頃の俺。
それぞれの視点を夢の中で見た。
(これが前世の俺…?どういうことだ?なら…なんで俺は無能力者だったんだ…?)
窓から朝日が差し込み眩しさで目が覚めると、俺の目の前には可憐で儚い美少女が居た。
「やっと思い出したようね、アルト」




