1-1 私、転生する
「大変残念ながら、あなたは死んでしまいました。」
そんなことを言われても、認めないったら認めないんだからね。
「大変誠に遺憾ながら、あなたは死んでしまいました。」
知らないったら知りません。男性とお付き合いもしたことないのに。
「処女で喪女のあなたは死んでしまいました。」
「うっせーぞ!処女で悪いか!私が悪かったんじゃない、男に見る目がなかったんだ...」
おっと、失言。言葉使いが悪るくなってしまいましたわね、おほほほ。
でも、このぽっちゃりボディーに惚れなかった男どもが悪いんだ!!このかわいさに気がつかなかった馬鹿どもが悪いんだからな!...むなしいね...
「かわいそうなので転生させてあげると女神さまはおっしゃっております。」
なんということでしょう。女神さまは私を見捨てなかった!
▼ 殺されてしまった私は転生する権利を手に入れた!!
と、まぁ。冗談はさておき。私はなぜ死んだのか、覚えてないのだ。殺されたことはなんとなく覚えてるんだけど、なぜ私が死ななくてはならなかったのかいまだにわからないのだ。
「だから、教えてくんない?」
「申し訳ありません。現在の権限レベルでは回答できない質問です。」
権限レベルとやらが何かは知らないが、要するに今の私にはまだ教えることができないということなのだろう。知りたかったのに、まぁ仕方がないのか。
「容姿や能力についての希望をどうぞ。」
どうやら希望を聞いてくれるらしい。今度から女神さまを信仰していこうと思う。こんなに優しい女神さまを信仰しない理由があるか?いや、ないだろう。
「超いい感じに」
「具体的にどうぞ。」
「龍みたいに強くて、妖狐みたいに艶やかで、精霊みたいに可愛くて、天使みたいに美しくて、狼みたいにふわふわな毛並みで、お姫様みたいに気高い感じに!!」
「...........」
まだ何が不満何だろうか。これだけ具体的に伝えたのだからいいだろう。
「...承認しました。では楽しい異世界ライフを。」
「はっ!?」
え、いや、ちょまっ、異世界とかきいてないんですけどぉぉぉぉぉ!?
となったのが今朝のことでございます。はい。
皆さん、私がどんなふうに転生したのか気になりますよね?なりますよね?では、ご説明いたしましょう。
ぱっちりとしたおめめにさらさらふわふわの毛。細く長い手足にまん丸の体。
▼ 私はケサパサ(ケサランパサラン)に、進化した!
オーマイガッ!なんで!?私の説明にケサパサ要素あったか!?
「みょーん...」
まぁ、鳴き声可愛いな。というかよくよく見れば私可愛くない?この世界での私の立ち位置はよくわからんけどとりあえず可愛くない?
私が生まれ落ちたのはなんか強そうな魔物はこびる森の中。
可愛さ武器に生き残っていこうと思います。こんなところで死んでいる場合ではないのだ。ケサパサの生態の解明とせめて、異世界を楽しめる体を手に入れるまでは死んでいられないのだ。