21,5ページめ
間章という立ち位置(?)なので、短めです。
ダイアド・ロアは、混乱していた。今まで、全力でサポートをし、チームの役に立ってきた。そのはずだ。なのに、何故仲間に睨まれなければいけないのか、それが全く解らない。
「あ、足手まといってなんですか……………?」
ダイアドはかすれた声で言う。しかし、返ってきたのは、「俺の力にならない」、その言葉だけだった。
「そんな………僕の役割は、魔物の追跡と掩護射撃ですよ!?そんなの二人も――モガッ」
ダイアドは、パーティーのリーダー――アカマン・コクヨにアイアンクローをされる。ミシミシと、聞こえてはいけない音がダイアドの頭から響いた。
「アカマン君。こんなのに、貴方が手を下す必要は無いわ。眠らせて、置いていきましょ。せめてもの慈悲として、ね」
確かに、ダンジョンの奥で彷徨う恐怖を味わうよりは、眠ったまま死にたい、そう思う人間もいるかもしれない。しかし、それは少数派であろう。生きて帰れる可能性があるなら、それに賭けたい。それが、冒険者だ。彼らは、高いステータスに甘え、冒険者を舐めている。だから、相手を考えない行動が出来るのだ。
「眠りなさい」
その言葉で、魔法が発動する。ハイスリーブ。どんな相手だろうが、強制的に眠らせる付与魔法だ。
「…………ぁ」
か細い声を出し、ダイアドは暴れるのを止めた。その体がアカマンの手から落ちる。
「じゃぁな、二度と会う事もない」
アカマンは、それだけ言って立ち去った。
「ダイアド君……………」
2人が行ってしまった後で、今まで黙っていた少女が口をき開く。彼女は、ダイアドの体に触れた後、悲しそうな顔をしてパーティーメンバーの後を追った。急に走ったからか、ローブの襟が跳ね上がり、悪趣味な首輪がちらっと見える。誰か人間が居れば、それが奴隷の首輪だと気付いただろう。しかしここには、他の冒険者は居なかった。
ダイアドの匂いを嗅ぎつけて、たまたまダイアドを見つけて、そこに湧き出して、魔物達は眠り続けるダイアドを襲った。しかし、ダイアドは起きる事も、死ぬ事も無い。結界が張られているのだ。術者から離れても尚、強力な防御力を発揮し、とてつもない持続時間を誇る、インチキじみた結界が。
また、ダイアドは魔物に見つかった。ガギガギと歯と結界の擦れる耳障りな音が辺りに響く。それでも、ダイアドは起きる事が出来ない。そもそも、そんな簡単に解ける魔法ではないし、簡単に衝撃が通るような結界でもない。だから、ダイアドは起きないただ、眠り続けている。やがて魔物は、諦めたようにダイアドから離れていった。
しばらくして…………、
「し、死んで、いや、生きてる?」
誰かが、ダイアドに近づいた―――。




