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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~

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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えよう、探してみよう、作ってみよう⑩)



「・・・とりあえず、何かに移した方が良いですね。」


ベッドのシーツが汚れる。

サラサラと先ほどから自分の手からこぼれ落ちていく白い粉をじっと見つめて、両手はそのままでティリエスはゆっくりとベッドから降りて机へと向かい、丁度広げていた紙が目に飛び込みその紙の上へ置いた。


・・・とりあえず零れたこれを掃除しよう。


風の魔力で風を起こしベッドと床に零れた正体不明の粉を風で粉を絡めるように操作しゴミ箱へと入れた。ついでに埃も一緒にゴミ箱へいれたお陰で先ほどより綺麗になるのを確認した後、ティリエスは椅子へ座り天井を見上げたまままるで何かを吐き出すように長い長い息を吐いた。


「・・・よし。」


一言そう言って天井から机にある物体へと視線へ向けた。


「・・・さて冷静になれたところで改めて。」


爆発音とともに現れたこれは色から見て恐らく先ほどまで持っていたシロップの核のはずだ。

持っていた本人が言うんだから間違いない。


そう思って鑑定をする。


シロップの粉末(0)→衝撃で核が壊れ粉末になったもの。



「やっぱり。・・・もしかしてこれが、村長さんから聞いた例の水泥で壊れたといっていた現象と同じ?」


でもどうして突然こんな形を変化させたのか?今回も偶然なのか?それとも、何かこれに変化させるきっかけがあっただろうか?


「あと、この鑑定で見た(オー)?それとも(ゼロ)?って言うのもなんでしょう?」


刃物や鈍器だって傷つけられず水や火だって無理と言われた。じゃぁ彼らが他で試してないモノは・・・。

「もしかして・・・。」


と、ある事をふと思い出し思わず自分の掌を見つめる。


「あの時、私の身体の表面に火の魔力を纏わせていた。・・・その魔力と反応して粉砕したんじゃ?」


だとしたら辻褄は合う。

水泥の中に含まれる泥や水にも少量だが魔力は帯びている。特に何かを作り出す作業の時に溶けだして奥底にある魔力が滲み出ることもある、それに核は反応したのではないだろうか。

市井の人は魔法を使う事は殆どない、基本貴族より魔力量も劣り魔物と戦うなんてこともないからだ。それこそ冒険者になる人なんかは魔力量が多い人がなることが多い。だから普通のそれこそ農村なんかで生計を立てる市井の人達には原因がよく分からないままだったのだ。


「あっていると思ったんだけど・・・鑑定の情報が開示されない・・・違うのかしら?」

未だ鑑定の情報が以前のままに首を傾げていると、控えめなノック音が耳に入る。


このノックは・・・。


ノックされた方へ振り返り、私はドアのない壁へと口を開く。


「【どうぞ、開いてますよ。】」


その言葉を合図に壁に白いドアが現れるとドアが開く。眩い光と共に入ってきたのはシナウスだった。

シナウスはにっこりと微笑みながら私の元へやってきて、左手を胸に当て一礼をする。


「こんにちは姉様、5日ぶりですね。」

「久しぶり、皆変わりはないですか?」

「皆変わりなく元気ですよ。・・・ところでどうかしたんですか?何か困ったことですか?」


私の表情を見て、シナウスはすぐにいつもの私ではない様子に気が付いたようだった。


「これなんだけど、どうも鑑定がうまく出来なくて。」


そう言って机にある粉を指さす。難色を示している私が珍しいのかシナウスは返事する間もなくそれをじっと見つめる。

彼の瞳はピンクから金色へと変化したので、彼も鑑定をしているのだとすぐに理解した。


「んー・・・?僕には詳しく開示されていますね。」

「・・・えっ?!本当?本当なのシナウス。」


思っていた言葉とは裏腹に、彼はけろりとそう言ってのける。

彼は彼で私の返事と同様に首を傾げていた。


「はい、でも驚きました。まさか僕達の時には希少だったフルクトースの実が手に入っているなんて、一体どこでこの実を手に入れたんですか?」

「フルクトースの実?シロップの核ではなくて?」

「え?名前が違いますね?・・・いや、でも僕には鑑定にはフルクトースの実としての解説として読めます。」

「・・・もう一度鑑定してみます。」



そう言って私は自ら鑑定をする。

すると、ざっと私の前に現れた内容は先ほどとは全く違うものとなっていた。




「これって・・・。」

先ほどの内容とがらりと変わっている事に驚いた。

何度も何度も読んでは内容を理解していく。


「恐らくこれの正式な名称が伝わってなくて鑑定に引っ掛からなかったんでしょうね。」

「えぇ・・・きっと。・・・シナウス、これはそうなの?本当に?」


彼に確認するように興奮する気持ちを抑えながら、彼に念のため確認をするように問いかける。

彼は私が何を聞きたいのか分かっているようではっきりとした口調でそう言い切った。


「えぇ。姉様おめでとうございます。やっと見つけることが出来ましたね。これでもっと姉様の夢が大きく前進するでしょう。」



鑑定にはこう書かれていた。




フルクトースの粉(魔力(ゼロ))→ルル村でとれる乾燥したフルクトースの実の核が魔力と反応して粉砕したもの。人為的に取り出され日光にさらされたことで半透明から白色へ変化している。魔力反応で起こる現象だが魔力が帯びることはなく、魔力の量で粉砕される大きさが異なり用途に分けて使う事が多い。主に食用として使用され、基本甘味調味料として利用される。




そう、思わぬところから私は砂糖という甘味調味料を手に入れたのだ。


私はシナウスのその言葉を聞いた途端、彼に思いっきり抱き着いたのだった。

いつも読んで頂きありがとうございます。

裏設定:実はシリウス、人工甘味料としての資料を持ってきていたが思わぬ場所からの甘味料入手に喜んでいる主人公を見て、そっと資料を隠したそうな。(姉様の笑顔が一番ですからね。)

先祖が参考にしていた文献にも実はフルクトースのことが書かれていたが、文字の解読が出来ず領地で育てられるに当たって別称シロップとして名を改めていたため、彼女の鑑定には引っ掛からなかったのはそのせい。フルクトースの名前の由来は皆さんご存じのようにフルクトース=果糖なのでそのまま名前に使用しました。(元々名前シロップってそのまま使ってたし、捻らなくてもいいか!という作者のズボラ設定です。)

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