まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えよう、探してみよう、作ってみよう⑦)
12/31:一部訂正加筆しましたが内容の変わりはありません。
「う~ん・・・これでもない、か。」
ルル村から戻った翌日。
早速私は屋敷に持って帰って来た例の物を調べる為私は午前中から図書室へ篭っていた。
とりあえずこの核自体を知る必要があるため、私は今片っ端からこの核の事が載っていそうな本を見つけては読み耽っていた。
何故かというと・・・。
「・・・【鑑定】。」
ぽそりと小さくそう言って机に置いた黒と白それぞのシロップの核を鑑定の眼でみやる。
シロップの核(黒)→ルル村でとれる乾燥した実の核。自然に落ちた物で長時間日に晒されたことで黒くなった物。これ以上は硬化しない。
シロップの核(白)→ルル村でとれる乾燥した実の核。ガクで保護されていた物を人為的に取り出し短時間日に晒されたことで白くなった物。これ以上は硬化しない。
これ以上の情報は得られず、ティリエスは小さくため息を吐く。
「結構本を読んでみましたがさっきと内容は変わらず・・・ですか。【鑑定】も万能ではない、という事ですね。」
そう、今回解ったのはシロップの核の事ではなく自分のこの鑑定能力の特性だった。
どうやらこの鑑定というチートな代物は調べたい対象に対して使用すれば詳細に記された鑑定内容が浮かんで見える!・・・というわけでなく、簡素な内容の鑑定なら問題ないが詳細な鑑定の場合は特に鑑定の大前提として【私】という使用者によって左右されることが判明したのである。
どういうことかというと、初めにシナウスの言っていた保有魔力量によって鑑定できるモノと出来ないモノが出来るというもの。これは主に人や動物に魔物に該当し、私の場合は保有魔力はまぁ・・・あれなので伝説のドラゴンが出たところで簡単に鑑定拒否されることはない。
この場合、簡素な内容の鑑定の事を指す。
例えば魔物のスライムを鑑定したら、そのスライムのステータスや健康状態が記された鑑定内容になる。
だが、より詳細な鑑定を知りたい場合はこれではいけない。
自分にとって未知や初めての物を鑑定するには、私の今までの経験した知識・認識している知識・そして自分では認識していない知識がどれだけあるかによって左右される。
要は私が前世からの経験や知識、そして今まで読んできた覚えていない書物の内容や情報を元に、ある対象物を鑑定した時何かヒットするものがあれば鑑定によって自分でも把握できていない膨大で様々な情報が組み合わされさらに精査し弾き足した解が鑑定の詳細として記される。
この場合の鑑定になると先ほど例に挙げたスライムで説明すると、スライムの生態に関する書物、実際の遭遇体験、人から聞いた話し、はたまた自分が無意識に見聞きしている事等の情報を照らし合わせ、鑑定したスライムの詳細な内容、ステータス・技量・技・スライムの種類・弱点を突く方法・スライムを材料としての利用価値や効能等といった内容が記されるのだ。
因みにこの鑑定内容は私にできてシナウスには出来ないようだった。ここでも私はどうやらイレギュラーらしい。
でもこれが鑑定のカラクリなら、私が間違いだらけの知識を持っていれば間違えた内容の鑑定内容が出来上がるわけなのだが、どうやらそういう事でもないらしい。
実際、自分が間違えて覚えていたある植物の正式名称が鑑定では正しく記されて驚いたことがある。
だから鑑定は万能なものだと思い込んでしまった原因ではあるのだが・・・。
無意識の上に成り立っている鑑定に関して理解は出来たわけではないが、多分私が持つ技量の1つ【叡智を極めし者】が上手く補足作用しているのか正しい知識かどうか私の知らぬ存ぜぬ領域で判断しているので、間違った鑑定内容が現れたことも今まで一度もない。だからきちんと鑑定が出来るんだろうと思っているが・・・結局私自身がこれを証明できないので断定はできないが一番辻褄があうのできっとそうなのだろう。
「でも、今まで鑑定してきた身近なものはすんなり詳細が出てきてこの核だけ詳細が出ないという事は・・・本当に私は初めて未知の物を見つけたという事なんでしょうけど。でも、昔からある物なんだから関係がありそうな本を手当たり次第目を通せばすぐに解決すると思っていたのに・・・まさかこれだけ読み込んで鑑定結果が変わらないなんて・・・。」
この核。一体何奴??
と、私はある事を思い出す。
「・・・そう言えば偽妖精の時に形は一緒でしたけど空間収納に入れて置いたあのニンジンもどきもシロップの核に似た簡素な内容の鑑定結果でしたね・・・。鳥や熊は詳細だったけれど・・・ああでも、ソシャゲで出てきた動物と同じだったから詳細だったのかしら?・・・じゃぁソシャゲでもこの2つは見たことや発見したことがない・・・という事になるのね。」
名前は確かゴングリだったか?木の実のように生っていたあの人参・・・あれももっと調べたらもっと何かが解るかもしれないって事か?
「まぁ、腐らない空間収納で保管しているからもう少し調べるのは後にしましょう・・・今はこの核をどうにか調べないと。」
そう言って調べていると、誰かのノック音が聞こえティリエスはちょっとびっくりしつつ何時ものように見ていた本を童話に変えて入ってくる人物が誰か見る。
「ティリエス?いるかい?」
「お父様!」
やって来たのはいつも昼間は忙しくて中々会えないアドルフだった。珍しいと思うより喜びが勝りティリエスは自分の父に向って走り出し勢いよく彼の元へ飛び込んでいく。
勿論なんなくティリエスを抱きしめアドルフは微笑みながら娘の柔らかい髪を撫でる。
頭を撫でるくすぐったい感触に少し身を捩りながらも笑顔で見上げた。
「今日はどうされたんですか?お仕事は?」
「少し早めに切り上げてきた。・・・少し話しを聞いてほしいことが出来たのでな。」
「お話しですか?」
そう言うと少しだけ父は浮かない表情をしたが、ひょいっと彼女を担ぎ上げると何時ものように優しい表情で自分を見つめた。
「そうだ。お母様と一緒に聞いてもらいたい事なんだ。リリスは書斎にいるからそこでお話ししよう。」
いつも読んで頂きありがとうございます。




