まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。㊴)
初めから気持ち悪い表現があります。苦手な方申し訳ございません。
10/29 誤字脱字などこっそり教えてくださった妖精様ありがとうございす。(沢山寄せられていたので、沢山間違っている状態で投稿している事にすみません!という申しわけなさと羞恥心で冷や汗を感じつつ、けれどそれ以上に暖かい目でみて頂いていることにとても感謝しています。ありがとうございます!)
体内の中を例えるなら黒い蛆虫が無数に蠢いて仲間の内側を無遠慮に喰い荒らす様が映し出され
身の毛がよだつ光景だった。
人体に影響は見られない、だが確実にあれば瘴気だ。
瘴気が彼らの身体を乗っ取っている。
『王の近くにいたのは・・・幸運でした。』
王の代々受け継ぐ能力、精霊の護りがある。これによって王自身や周りにいる僕達も瘴気にやられなかったようだ。
『気味の悪い光景だな、皆魔王の事に異常な行動や言動を言う。』
『王、我々の後ろに。・・・確かにこれだけの人数を乗っ取れば容易いはずなのに攻撃してこない・・・なぜだ?』
警戒を緩めることはなく総督は口々に願いを口にする仲間の様子に目を向ける。
一斉に天井を見上げ、上を見上げたまま彼らは『選択を』とまるで誰かに語り掛けている。
『姉上殿に語り掛けているようだ。・・・如何っ!』
何かを悟った王は顔色を悪くして同じように天井に向かって口を開く。
『姉上殿!!彼らに耳を貸してはならん!!魔王を殺してはいかん!!』
『王!どういうことですか!』
『次元から切り離されたこの場所は瘴気の供給はない、ここに留まったモノだけだ!その瘴気が消滅をせず階層を進める度に魔王の身体に集められていたとしたら・・・魔王を殺せば瘴気が溢れてしまう!』
『ならあの魔王の言葉はこうなるように仕向けた罠?!』
まるで正解という風に天井にジワリとシミが浮き出てくる。瘴気だった。
まるで恐怖心を煽る様に瘴気は姉様と繋がる天井のガラスへ何か文字を書き始めた。
①魔王を倒して部下も殲滅
②魔王を倒して降伏するものには奴隷になることを前提に労働環境を強いる。
黒い文字で書きだされた選択内容に誰もがザっと顔を青ざめた。
どちらの選択も魔王の死だ。
魔王・・・瘴気は協力者に選べと言った。だが、これはどちらを選んでも自分達の敗北を意味する。
瘴気はこうなることも見越して最後までなりを潜めていたのだと、シナウスは怒りの表情を瘴気の文字に向ける。
決して勝てないゲームを強いられていたんだ・・・僕達は。
『だ、・・・・だ・・・め・・だ。』
自分達以外の声が聞こえた。
思わず驚いてそちらを見やる。
微かに聞こえた声の先にはやはり膝をついた魔王がそこにいた。
魔王が震える身体で何かに耐えるように歯を食いしばって手を天井にかざす。
一体に何をしようというのか、と仲間の内の1人が『お、おいあれ。』という言葉にまた天井を見上げた。
みれば先ほどまで2つの選択しかなかった内容がもう1つ加えられていた。
①魔王を倒して部下も殲滅
②魔王を倒して降伏するものには奴隷になることを前提に労働環境を強いる。
③その他( )
3つ目は明らか何も書いていない姉様に決定をゆだねる選択だった。明らかに瘴気が用いた選択ではない一つだけ瘴気影響が見られない。他にあの文字だけ瘴気がねじ込もうとしても何か周りの膜に弾かれる様が伺えた。
途端、どこからともなく甲高い悲鳴のような声が鼓膜が破れそうなほど響き渡り誰もが耳をきつく手で押さえる。瘴気に操られている仲間はその奇声に耐えられず気失いその場に倒れ込んでいった。
残った僕達は膝をつきそうになるのを何とか来られながら自分達はその場で何とか気を失わないようにするだけで精一杯だ。
『ぐぅ、なんて声だ!瘴気から声が!』
まるで癇癪を起しているような声だ。
魔王が行ったこと、それが瘴気にとって完璧だった計画に小さな穴を作り出したのだとなんとか正気を保っている者らは理解した。
それでも決定するのは協力者、姉様に委ねられる。
誰もが頭上を見やる。
と、姉様が選択したようで文字が光る。その選択したのは―――。
『選択は・・・②。』
姉様は3つの選択の2番目、魔王を倒して降伏するものには奴隷になることを前提に労働環境を強いるという選択に文字が光っている。途端、瘴気が静かになりその場に静寂が生まれる。
『そんな・・・姉様。』
誰もが絶望して力なくそこで膝をつく。
頭上には無情にも『こちらの選択で決定されますか。』という言葉が浮かんでいる。
ここで姉様が『はい』に決定してしまえば、瘴気に呑み込まれてしまう。
もう、本当に駄目なのかもしれない!
『俺は・・・。』
と、また小さな声が聞こえてきた。
『俺は・・・死んだっていいんだ。だけど、なぁもしこの世に人を救う神がいるのならどうか・・・どうかこの人達を助けてくれ。自分達の還る星はもう・・・何処にもない。だけどまだ、この人達は帰れる。だから・・・どうか、彼らがあんな化け物の為に犠牲にならないように護ってくれ。彼らに俺らのような役をさせないでくれ。』
『魔王・・・。』
小さく弱弱しく願いを口にする魔王の表情何時ものように表情のない生気のない顔だった。けれど彼は酷く悲し気にしていた。
と、また頭上が光った。
『お、おいあれ!』
騎士の一人が驚いて声を上げる。
シナウスも声につられて頭上を見て・・・目を見開いだ。
先ほどまで選択されていた②が、③に変更されていた。
その事実は、魔王の目にもとまり魔王はじっとそのガラス板を見つめる。
③その他
括弧の中に文字が刻まれていく。
③その他(魔王達も国の一員として仲良く国の復興に取り組み助け合うようにしたい。)
その文字が現れたその刹那、大人しくなっていた瘴気が先ほど以上の奇声と共に一斉に暴れる。
奇声が地響きを生み周りの地を揺らしながら気を失った仲間の中にいた瘴気も穴という穴から出ていく。
一心不乱にそれこそなりふり構わずといった様子で、ガラス板を壊そうとしているのか瘴気は大きな塊になってガラス板に向かっていく。
天井が黒一色になっていくのを自分達はただただ見つめるしか出来ないでいた。
と、またこの場に似つかわしくない声が聞こえてきた。
『まぁ、先生も喧嘩両成敗とかお互い歩み寄ることが大切っていうし。皆なら魔王達とも分かり合えそうだし。よし、これにしよう。はいぽちっと。』
そう言って選択に『はい。』を押した姉様から、また声が聞こえた。
『あれ?素敵な魔法が使えますが使用して覚えますか?え、マジで?覚える覚える。』
ガラス板の傍まで近づいていたというに姉様の声を聞いた途端、瘴気が何かに気が付いたように今度はいっせいにガラス板から離れるように分裂し始める。
だが、今回は姉様の方が早かった。
頭上からまた選択した音が聞こえた途端、ガラス板から大きな光が現れ辺り全てをその眩い光に包まれていけば、瘴気はその光に触れたところから霧のように消えていく。
その光景に何かを思う前に光が爆発するように先ほど以上に眩い光が起こった途端。
瘴気は醜く苦痛と絶望に満ちた断末魔の叫びを上げて消えていった。
それは自分達が成し得なかった瘴気が初めて完全に消滅した瞬間だった。
いつも読んで頂きありがとうございます。次回は日曜日投稿予定になるかもしれません申し訳ありません。
裏設定:結構話が長くなってしまっていますこれまでの経緯ですが、主人公たちにとっては30分程度。シナウスは話し上手なので搔い摘んで主人公に話しています。(小さな子に夜更かしは厳禁なのです。)




