表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
124/747

まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えよう、探してみよう、作ってみよう㊻

またまた短くて・・・すみません!!



「何だとっ!!!今なんて言った!!」

「で、ですからバカス様っ、連れてきた娘が忽然といなくなったんですっ・・・ひぃっ!!」


そう言い放った男の顔面擦れ擦れに物が飛び情けない声を上げながらしゃがみ込んで投げつけられた物から避ける。避けた先でガラス製のグラスが割れ辺りに破片が飛び散る。

その1つの破片が投げつけた男の右頬を掠める。

薄っすら血が滲み始めたところから一筋の血が流れる。痛みも感じるだろうに男はそれに気に掛けることなく目の前にいる男に顔を赤らめながら激昂していた。


「あぁ!!!くそっ!!くそっ!!なんで!!なんで上手くいかない!!」

両手で頭を掻きむしりながら、地団太を踏む男は叫びながらこれまでのことを思い出す。


子どもを攫い、自分のいいように嬲りそしてその様の遺体をあの男にみせこの世と思わせる絶望をみせてやりたいという欲望があと、あともう少しで叶うはずだった。


それなのに!!


「あの銀髪の青二才めぇ!!」

自分の計画が最初に狂いだしたのはあの雇った男の存在からだ。




ー―――――――――――――――――



――――――――――




――――――


―――






事の始まり遡る事今から3週間前、ようやく待って待って待ちわびての。彼らから依頼の件を進めるという連絡がやって来て仄暗い笑みを浮かべ心躍らせていたその日――――。


『い、今なんとおっしゃって・・・。』

『えぇ、ですから。こちらの考えが変わりまして、やはりこの件から身を引こう・・・という意見に至りましてねぇ。ここらで私共は身を引くことにしました。』

『そんなっ!や、約束が違うだろう!!こっちは金も払ってるんだっ!!今更契約を破棄にするなんて虫が良すぎるだろうが!!』


数ヶ月も待っての依頼した内容をたった数日であっさり一方的に取りやめるという勝手な事後報告にバカスは怒り相手に訴えかける。


訴えかけられた目の前の相手、オーガはそんな男の様子に気にすることもなく何時ものようにニコニコと胡散臭い笑みを浮かべ相手に微笑んでいる。

そして、そのままこてりと首を傾げた。


『ん~~~~・・・そう言われましてもねぇ。大概はある程度融通してくれるんですけど、こうと決めてしまえばあの人の考えは変わることはないのでねぇ?』



腐れ縁ですからぁ、あまり怒らせたくないんですよぉと間延びした声で理由を伝えるが相手はそれではいそうですかと納得がいくわけがない。

馬鹿にした物言いにバカスはより顔を赤くさせ怒りが頂点に達した時、怒りのまま目の前の男に殴りかかった・・・が、すぐに彼の殴りかかった手は捻り上げられ背中にまわされ拘束される。


あっという間の事に身体がついていかず、逆に仕掛けたバカスの身体が痛みで悲鳴をあげた。

野太い男の悲鳴が上がるなかオーガは至極冷静に目の前の男をじっと後ろから見下ろす。


『あぁ、申し訳ありませんねぇ。私も少しは動けるのでどうも敵意のある方に反応してしまいまして。大丈夫ですかぁ?』


そう言いながらもギチギチと更に力を加えて関節を痛めつけるオーガに為す術なくバカスは呻くことしかできないでいた。



『・・・あまり、裏の人間を舐めていると後ろからプスッとされても文句は言えないですよぉ。』


耳元で不意に低い声で囁くように言われたバカスはその芯から冷たい声にゾッと肩を震わす。

その声には人を殺すことも厭わない声色を纏っている事が本能から感じ取られたからだ。


恐怖ですっかり怒りも萎み大人しくなったバカスから離れ、オーガは考える仕草をする。

と、何かを閃いたようでポンっと手を叩いた。



『確かに貴方の言い分も筋が通ります、なのでこうしましょう。今貴方が商人として潜伏させようと動かしている貴方の部下に私達からささやかな物資をお送りしましょう。』

『ぶ、物資だと?』

『ええ――――。』



きっとお役に立ちますよ。












――――――――――――――――――


―――――――――


―――――




あの男の言う通り確かに部下を屋敷に潜伏させることができ、こうして娘を誘拐できた。

だが、そのせいで一番手足となって動いていた部下は負傷し思うように動けない身体となって帰って来た。

一緒に連れて行った奴隷の娘もそうだ。

あいつは魔法が使える優秀な駒として、そしてゆくゆくは自分の後継を産ませるために使おうと思っていたのに、その駒を使い捨てたのだという。


そして極めつけは惜しい駒を無くしてまで誘拐した子供は今は姿はなく行方をくらましている。


このまま終わらせてなるものか!!


「牢屋の部屋に行く。お前たちも来い!!」


起き上がった男は吐き捨てるようにそういって部屋を出て目的の場所へ向かう事にした。



いつも読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ