俺忍びを捕まえます
どこからともなく投げられるクナイ。それを避けつつ、アモンとアレアル、そしてバエルが各々の魔法や武器で攻撃をする。俺は三月を守りながら考える。忍者みたいと表現していた相手は、動きもさながら、攻撃手段まで達人級のものなのだ。俺たちの攻撃を常に紙一重で避け、常に死角から攻撃をしてくる。まるで、本物の忍者のように。
「ここまでして避けられるとは……。少し本気を出すしかありませんんね」
バエルがいうが、まだ本気じゃないらしい。さすが、悪魔の中でも一番。しかし、いったいどんな攻撃なのか?
「アモン、ご主人に防壁を。ある程度弱めますが威力が凄まじいので」
アモンはアイコンタクトでバエルに意思を伝え、こちらに来る。
「水は生命の源、生命の守護は水の中に、わが主の命を守りたまえ。『水魔の大いなる障壁』!!」
アモンの詠唱が完了すると、目の前に黒い水が立ち上ってドーム状になった。しかし、異世界には黒い水なんてものがあるのか。……もしかして灯油とか? 火属性の攻撃きたら蒸し風呂どころか一酸化炭素中毒で死ぬんやけど。そんなこと考えていると、バエルが詠唱を始めた。
「大いなる炎よ、その身を焦がし、土へと返せ。『悪魔王の獄炎』」
アモンとは対照的な静かな詠唱。しかし、その詠唱とは似ても似つかない魔法が発現した。忍者の内側から燃えているのである。殺さないようにしているのか、それともじわじわ殺したいサディストなのか。相手はそれにまけじとクナイをこちらに投げるが、水の障壁に当たるとスライムのように衝撃を吸収してしまう。これはこれで、やられたらいやな技だわ。
「アレアル、お縄を使って縛って来い。そしたらバエルの魔法も消えるだろうから」
アレアルは頷くと、縄を使って忍者たちを縛った。さて、正体は……三人とも女だった。
「早くこの縄をとけー!」
それも、お胸が残念な三人だった。
天界 天使宮
私は今、大天使のあの方に呼ばれ天使宮にいる。
「お前の管轄する世界の悪魔内で内乱が起きている。それを解決するため、お前には働いてもらう」
つまり、悪魔と手を組めと言われているのだ。……天界ですら腐敗してしまっている……。
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