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かみがみ〜最も弱き反逆者〜  作者: 真上犬太
かみがみ~最終章~
242/256

42、踏破すべきもの

 いったい、何が起こった。

 目の前に魔将が現れ、シェートと一緒に裂け目へ落ちていった。しかし、あれは自分が倒したはず。しかも、魔王からの魔力で動いていた魔将が、生きているというなら。


「貴様が思っている通りだ。俺はまだここにいるぞ」


 初めて会った時と同じ姿。だが、その顔は憔悴し、明らかに力を削がれているのは明白だった。


「シェートをどうした!」

「連れて行かせた。これで、貴様は一人だ」

「お前だって、そうだろ」

「そんなことはない」


 魔王は上着をはだけ、その下を見せた。

 そこにあったのは、無数の目玉と、口。黒い影、あるいは泥の中を蠢きながら、かすかなつぶやきを漏らしている。


「だいぶ、小さくなってしまったがな。使いすぎた。まさか怨念が擦り切れようとは」


 悠里はただじっと、目の前の敵を睨む。

 魔王はそっとため息をつき、前を閉じて服を整えた。


「お前は、俺を空っぽの魔王と言ったな」

「……ああ」

「では、俺たちは似合いの存在というわけだ。中身の無い魔王と、見栄えだけの勇者」


 ゆっくり吐息する。相手に聞こえぬほどの、かすかさで。


「どうだ、勇者よ。俺のものに――」


 抜き打ち、一閃。

 魔王の首が、後ろ方向へ吹っ飛び、ぐらついた胴体が膝を突いて、倒れる。


「付き合ってられない。シェートを探しに行く」

「――フ」


 何かが脈打つ音がする。

 それは、魔王の胴体から聞こえてくる。全身が崩れ、地面に染み込み、振動がさらに大きくなる。


「フハハハハハハハハハ、アーッハッハハハハハハハハハ!」


 黒い樹木のようなとげが、敷石のあちこちから湧き出てくる。死体のあった場所から、せり上がってくるのは、黒い大樹。


「まったく、酷い男だなお前は! 話も聞かずに手打ちとは!」

「……まだ……やる気か」

「当たり前だろう」


 黒い大樹の中央、そこに貼り付けになったような魔王の体がある。その周囲には、蠢く目と、不揃いに裂けた口。


「ここまで来た以上、貴様は、俺の手で殺す」

「やれるもんなら!」


 目の前に突き立つ、黒い槍。そこから無数の棘が伸びて、こちらを傷つける。

 斬れない硬さではないが、数が多すぎる。


「くっ、そおっ!」

「守りの鎧、刃の鋭さ、そして今も働く神規の力! まさに勇者の力だな!」


 魔王の声に張りがない。だが、疲労と苦痛を押さえつけ、猛烈な殺気を放つ。


「なあ、悠里、岩倉悠里! 教えてくれよ! お前はここで、何をする気だ! 勇者になって、俺を倒して、その先に何がある!」

「っく、おおおっ!」


 槍を斬り、目の前の木に必死に近づこうとあがく。さっきまでの人型と違い、硬さと鋭さに全振りして、移動も回避もせずに障害物として存在し続ける。

 だからこそ、やりにくい。

 この場に生きているのは自分と魔王。それ以外は、自動迎撃してくる黒い棘だけだ。


「そも、この世界の窮状など、貴様には何の関係もない! その上、いくつもの負わなくてもいい苦しみを、負ってきたはずだ!」


 そんなことはどうでもいい。もう惑わされない、もう迷わない、俺は。


「俺は、俺の心に従って! "英傑神"の志に共感したから、ここにいる! そして、一度誓ったことは、絶対に曲げない!」


 最後の林を潜り抜けた先に、魔王の樹はそそり立っていた。

 なぜか棘はなく、空間が広がっている。


「立派な心がけだ。それが岩蔵流の教えか」

「自分の信念のために生きる、それが父さんに教えられた――」


 はらりと、悠里の前に、何かが投げ出される。

 それを見た瞬間、ぞわり、と首筋が総毛立った。


「六月十六日付け――県立城南中学の三年生男子生徒(十五)が、いじめにより不登校になったとして、同中学校教諭と、いじめ教唆をしていたとされる児童を相手取り訴訟を行うことを、生徒の父兄が記者会見で明らかにした」


 それは過去の忌まわしい記憶を端的に記した、新聞の切り抜きだ。

 丁寧に、静かに読み上げる声が響き渡る。

 手にした刀が震えて、嫌な汗がにじむ。 


「城南中学の調査報告書によると、男子生徒は複数による他生徒へのいじめを注意したところ、学用品の損壊や悪口によるいじめを繰り返し受けていた――か」


 なんで、お前が、そんなことを知っている。

 どうして、今になって、あの時のことを。


「だいぶ堅苦しいなあ。しかも、奥歯に物の挟まったような記事だ。いかにも、いじめ被害者に配慮しました、という、無意味な取り繕いが見え見えだ」


 嬉し気に語る魔王。

 そして、こちらの動揺を、見逃すはずもなかった。


「うっ!」


 自分の首元に、鋭く突きつけられる棘。その黒さは自分の気道を、容易く突き破れるほどに研ぎ澄まされていた。

 自分の周囲を、檻のように黒い槍が囲んでいく。


「切り札というのは、最後まで取っておくものだ。そして、最良のタイミングで切るものでもある」

「お、お前……っ」

「さて、俺がなぜ、日本のどこかの地方都市の、いじめ被害者に関する記事を読み上げたか……わかるよな?」


 棘の数が増えていく。喉だけでなく、腕や股間、腹部に背中、あらゆる場所に、痛みが突きつけられる。


「ちなみに、俺はもう少し突っ込んだ話を知っている。このいじめ被害者とやらが、どういう運命をたどったのかも」

「ぐ……っ!」

「この少年は結局、中学を卒業できたが、高校へは一年遅れて入学することになった。心の傷が癒えるのに時間がかかったのだろう。痛ましいことだ、なあ?」


 怒りと羞恥に顔を上げれば、魔王はまるで『磔刑された聖者』のような姿勢で、こちらを嗤っていた。


「だが、問題はそこではない。これだけなら、この少年はただの被害者だ。同情こそすれあげつらうことはできない。はずだった」


 魔王は映像を映し出す。

 滅茶苦茶に荒れ果てた学校の教室と、中心にいる生徒がいた。

 窓ガラスは残らず割れて、いくつかの椅子と机は原形をとどめず、教壇どころか板書用のホワイトボードさえ歪んでいた。

 それは、あの日の自分の、行状の全てだ。


「な、なんで、お前が、それを……」

「今時の中学生はスマホぐらい持っているだろう? これはその一人から拝借した。うちの現地調査員は実に優秀だ」


 逸らそうとする顔の先に、棘がある。

 どうしても過去に向きわせたい、そういう意志がった。


「その少年は限界だった。父親から仕込まれた技術で、同級の貧弱で愚昧なクズに、思い知らせたいと思うほどに。だが、できなかった。故にこうなった」

「やめてくれ!」


 思い出す、思い出してしまう。すべてを、酷く冷静に、冷たく怒りながら。

 誰も傷つけずに・・・・・・・、破壊し尽くしたことを。


「結局、それが突破口になった。警察が呼ばれ、事情聴取がなされ、新聞社が動き、いじめを黙殺しようとした教師が、いじめを教唆した主犯の生徒が、明らかになった」


 悠里は目をつぶる。

 あの地獄のような日々が蘇ってくる。

 きっかけは、同級生のいじめを、咎めて注意したことだ。

 自分はただ、良心に従っただけだ。どうなるかは、薄々感じていた。それでも、自分一人が傷つくならと、思っていた。

 結果は、地獄だった。

 いじめに加担した生徒だけではない、クラスの全員、だけではない。

 担任も、教育指導の教諭も、誰一人として、俺の味方はいなかった。

 何より辛かったのは。


『次は、モップとかつっこむと、いいんじゃないかな』


 最初に救った人間が、嬉々として、自分をいじめる側に回ったことだった。


「犯罪者は謝った。そして型どおり、人類の英知である法治精神の下『人は過失を犯すがゆえ量刑は慎重に』という方針で、被害者の少年と家族に許しを強要した・・・・・・・。受験シーズンで、彼らにも将来があるから、とな」


『兄貴、この件、俺に預けてくれや』


 自分たちにとって、苦痛でしかない『提案』を受けたその日。

 長く縁が切れていた叔父が、戻ってきた。

 叔父は自分と一緒にゲームをし、くだらない話をしながら過ごし、その日の晩に、阿修羅のような冷たい顔で、告げていた。


『悪いようにはしねえ。兄貴も悠里も、十分苦しんだ。つまらねえ後始末は、全部、俺が引き受けるからよ』


「不思議な話をしようか。いじめ加害者の彼らは、なぜか高校に『入らなかった』。それぞれ県立や私立の名門校に入学予定で、中にはスポーツ推薦や学業成績で優秀なものもいたはずなんだがな」


 それは、聞いていない。

 自分たちが知っているのは、彼らとの裁判で示談金を取ることまでだ。その後は、手に入った金で県外の高校に転入し、何もかも忘れて生活していた。


「ある者は『健康上の理由』、ある者は『家庭環境の変化』。だが、いじめの中心人物は一人として・・・・・、まっとうに進学できたものはいなかった。中には急激に経済状況が悪化した家庭もあった、という話もある」

「そ、そんな……」

「もちろん。彼らが何らかの暴力被害にあったという話は無い。暴力被害は、な」


 どこからか、新しい資料が放り込まれる。

 そこに貼られた顔写真には、見覚えがあった。いや、見たくもなかった。


「追跡調査の結果、その少年のクラスでいじめに関与していた主犯格の内、半数以上が進学先で『いじめ被害』に会い、体調不良や不登校になっているそうだ」

「な……っ!?」

「ああ、それは別に誰のせいでもない。単にそいつらが『弱った』だけだ。いじめというのは、流行性感冒のような物。体力や精神、立場が弱れば、その分罹りやすくなる・・・・・・・、というだけだ」


 魔王は吐息をつき、それから問いかけた。


「で、ご感想は?」

「…………」

「その沈黙は、俺の仕打ちへの怒り? こんな異世界まで追いかけて来た、忌まわしい過去への恐怖? あるいは、外道に落ちた叔父や父への失望か?」

「な、なんで父さんが、そこに出てくるんだ!」

「知らないわけがないだろう! 司法上の動きも、加害者家族への対応も、その後の私的制裁あとしまつの話だって、知らないわけがないだろうよ!」


 分からない、いや、考えたくもない。

 自分への人々の仕打ちで、一番心を痛めていたのは父で、それを助けるために、叔父は動いていた。

 自分には何も考えられなかった、何も見たくなかった。


「ああ、ついでに貴様の家系について、調べさせてもらった」

「……え?」

「貴様らの先祖、岩蔵流開祖、岩倉一揖いわくらいちゆう。本来の名前は、迫田長次郎正道さこたちょうじろうまさみち。こいつの経歴を、貴様は知っているか?」


 自分たちの先祖のことが、なぜ出てくる。

 その疑問は、忌まわしい事実で、塗りつぶされることになった。


「元薩摩藩、江戸屋敷詰めの武士。こいつは己の上司を斬り、逐電した。その理由が実に滑稽でな!」

「も、もう止めろ! お前……お前は!」

「許嫁をその上司に召し上げられ、責め殺されたのに怒り、一刀の下に切り伏せた! その後、逃げた。当時の定法に従うなら、自首したのち斬首か割腹、いずれであるはずなのにな!」


 今はもう確かめようのない、過去の出来事。

 それでも、そのことを告げているのが目の前の魔王というのが、すべてを嘘と切り捨てられない迫力があった。


「つまり、貴様らには『いじめ被害者』の血が流れているということだ! 誰かに抑圧され、最後は暴力で以てすべてを雪ぐ、そういう賤しい性根がな!」


 そういうことか。

 魔王があげつらったすべての事は、一つの糾弾へと集約する。


「……俺には、勇者の資格は無い、そう言いたいんだな」

「ああ、その通りだ」

「どんな理想を掲げても、俺や、叔父さんや、先祖の人のように、最後には自分の憎しみですべてを壊すと」

「そうだ。お前の存在は、その血筋は、理想を掲げるには薄汚すぎる」


 魔王は、こちらを確かめるように、少し沈黙した。

 それから、穏やかに問いかけた。


「お前は、俺と同じだ。逃れられない血に、己の行く先まで決められた悲しい生き物だ。進むほどに悲惨は増し、理想を掲げても裏切られる定めだ」


 篠突く雨のように、魔王の言葉が降りかかる。

 優しく、そして忌まわしく、肩と言わず背と言わず、全身を濡らす。


「たとえ俺を倒し、世界を救っても、お前はいつか叛かれる。辛い世界だ、終わらない業苦だ。だが……俺ならお前を救える」


 言葉は棘になり、こちらを鋭く狙っている。

 動けば痛みと、死が約束されていた。


「俺と契り、魔の物となれば、そんなくだらぬ人の世に、心煩わせずとも済む」


 その言葉は、甘い毒だ。

 これが本来の魔王、その根幹にあるものだ。

 内側の痛みを暴き出し、過去と引き換えに、過去からの開放を約束する者。


「勇者よ、我がものとなれ。それが、お前が手にできる、唯一の救済だ」


 見上げると、掲げられた姿があった。

 闇に白々と浮かぶ、魔王の笑みがあった。そこには嘲笑はなく、慈愛があった。

 同類を哀れむ、苦しみを理解する、そういう顔があった。

 そして悠里は、その上を見た。

 星が、瞬いていた。


「断る」


 ぎり、と、周囲の棘が唸りを上げた。

 それでも言葉を重ねた。


「聞こえなかったのか。嫌だって、言ったんだよ」

「恰好を付けるな。声が震えているぞ。大丈夫だ、裏切りの恐怖など最初だけ。一度飛び越えてしまえば」

「三流詐欺師」


 首元から血が流れる。

 それでも、悠里は言うのをやめなかった。


「もう種は割れてるんだよ。へぼ手品師」

「ああ、貴様の血お得意の逆切れ芸か。いいぞ、いくらでも」

「お前がこういうことをするのは、追い詰められている時だ。今なら地上の人たちでも、確実にお前を殺せるんだろ?」


 手足に棘が差し込まれ、痛みが伝わってくる。

 それでも抵抗は辞めない。


「俺だって、分かってるんだ! 結局、誰かに裏切られるんだってこと、ぐらいは!」


 口にすれば悲しい言葉だ。それでも、それでもなお。


「でも、次こそはって思ったから、ここまで来た! 転んだら、倒れたら、這ってでも進むために!」


 今動いて、どれだけ持つ。全身から血を流しながら、それでも致命的な一撃を凌いで、一太刀浴びせられるか。

 そんなことは、考える時じゃない。


「"いと貴き、慈しみと勇気を授ける、英傑神の護りを我が身に授け給え"」

「貴様――っ」

「ぬがああああああああああっ!」


 両足を使い、その場で全身を回転させる。

 両腕を振るい、両脚は内側にしめ込むように、細かい傷が出来たが、掛けた防御の魔法で致命的な負傷を避けた。

 地面に落ちた刀の柄を勢いよく蹴り上げ、跳ね上がった刀をつかみ取る。


『兄貴には内緒だぞ。こんな大道芸見せたら、確実にキレるからな』


「せえええいっ!」


 全身を大きく振るって、すべての棘を払い散らす。

 こんなもの。


「こんなもの、痛くもかゆくもない!」


 目の前の魔王から、さまざまな感情が剥がれ落ちていた。

 残っているのは、交じりっけなしの憎悪だけ。


「岩倉、悠里ぃっ!」


 魔王の胴体から、極太の黒槍が放たれる。

 その一撃さえ、今なら砕けると信じて剣を振りかぶる。


「うっ、しゃらあああああああっ!」


 その決意を、横合いから飛んできた大きな塊が、叩き壊して通り過ぎた。


「ってバカヤロウ! 勢い付けすぎだ! 城の端から落っこちるかと思ったぞ!」


 斧を振りかぶり、肩に担ぐと彼は屈託なく笑った。


「待たせたな。俺の遅刻癖は、死ぬまで治らねえみたいだ、悪く思うなよ」 

「安心せい」


 地面から生えた黒槍に矢が突き刺さり、蔦が絡みついてねじ切っていく。蔓の一本を足場にして、ふわりと舞い降りる少女。


「帰ったら、二度と朝寝も夜更かしもできぬよう、たっぷり鍛え上げてくれよう。感謝するのじゃな」

「そういえば、最近体の切れが悪くなられたとか」


 新たに生えた槍を切り裂き、光の刃を携えた姿が悠然と進み出る。


「騎士団再建の折には、従卒としてご参加を。見違えるほどの肉体をお約束します」

「下働きさせて、余分な肉を搾り取ろうってか? 勘弁してくれ」


 油断なく構える三人の周囲で、再度湧き上がる黒の槍。

 その一切を、疾風が残さず打ち砕く。


「私も、グリフさんの遅刻、うつっちゃいました。遅れて、ごめんなさい!」


 そして、重々しい物体が、床を踏み抜かんばかりの勢いで降り立った。


「一度と言わず二度三度、吾と吾が背に、よくも煮え湯を飲ませたな。今度こそ貴様を、微塵も残さず燃え散らす!」


 彼らの姿を見て、悠里は、何も言わなかった。

 ただ頷き、敵を見据えた。


「……忌々しいことだ」


 魔王の憎悪は、暗い体に輝く星のように燃え盛る。


「こんな、見たくもない光景を、成立させてしまったとはな!」


 その怒りの理由は分かっている。

 コイツが憎み続けた勇者の物語おやくそくが、現れたのだから。


「魔王、お前の言う通りだ。俺は、勇者にふさわしくないよ」


 笑い、身構える。


「こんな風に、みんなと一緒に、お前を倒せることを、喜んでるんだから!」


 目の前の大樹が身をよじらせ、根ざした床を割りながら、何かを持ち上げてくる。 

 何かの結晶。それは迷宮の中でみた、迷宮の核に似ていた。


「本当に、これが最後だ」


 結晶を取り込む魔王が歪み、膨張し、一つの形を取る。

 それは、巨大な四つ足のケモノと一体化した、竜の翼を持つ、黒い無貌の人型。


『夢の終わりをくれてやろう。貴様と、俺の!』


 荒々しく石畳を踏みしめて襲い来る姿に、悠里は臆せず叫んだ。


「終わりにしよう! お前と、俺の悪夢を!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 限界が来ても誰も傷つけなかったとか、女房を責め殺された復讐を果たしたとか勇者にふさわしくないどころか勇者の所業のような…… まあ『業』ではあるンだけど
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