第1話 高校2年生、飛び降りたら転生していた!
ここは通ってる高校の屋上。
風が強くて、スカートがバタバタとうるさい。
「あぁ、ここから飛び降りたら楽になれるかなぁ…」
私、【橘 姫子】高校2年生。
中学の頃から続いた、くだらない虐め。
名前をいじられて、「姫子」じゃなくて「ブス子」って呼ばれていました。
高校は誰も行かないような所に行ったけど、やっぱり皆同じで、虐めは終わる事はありませんでした。
――そして先日、唯一虐めてこなくて、淡い恋心を抱き始めたクラスメイトの男子から告白をされました。
嬉しくて「はい!」と抱きつこうとしたら、突き飛ばされたのです。驚いていると、スマホで動画を撮りながら、「罰ゲームだった」と笑いながら、友達数人がでてきました。
彼も嫌いとかはなく、ただ興味なかっただけ。虐めるのは面倒だからしない。それだけの事…
「…はは。笑える。」
ぽつりと笑いがこぼれる。
ノートを開いて、今までされたことを全部書き殴りました。
全部、全部。悔しさを忘れないように…。
「よし!産まれかわったら、姫子以外の名前になりますように!」
そして、そのまま、一歩を踏み出しました。
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(……?んー、痛かったような…今は痛くない…けど、ここ何処?)
目を開けると一面大草原に横たわる私…声が出ないし、小さい子みたい…?
(え!?待って!手が…モコモコしてる!体も!!え?犬?猫?でも紫って?…もしかして、これって今流行りの転生ってやつ!?)
大きさは子犬くらい。
四足歩行でも二足歩行でも行ける。
こうしてしばらく歩くと、大きな木を見つけ、周りにブルーベリーのような実が落ちていた。
ぐぅ〜。
(あはは。)
誰かに聴かれてるわけではないが、恥ずかしくなり、お腹いっぱい食べた。
(んー!美味しい!
それより私って飼われてるのかなぁ?こんな所に居るし、野良かしら?…)
木陰で休んで居ると、ウトウトと眠ってしまった。
目が覚めると辺りは真っ暗になっていた。
(あ、どうしよう…怖い…)
急に心細くなって、森の中へ入って行った。
すると、洞窟があったので、そこで夜を明かす事にした。中はそこまで広くはないが、子犬の大きさには十分。周りに生えてる大きな葉っぱを敷き詰めて、横になると、月明かりも入って心細さは紛れた。
(はぁ、疲れた…明日また、探索、してみよ…)
今度は疲れから、すぐ眠りについた。
陽の光が差し込み目が覚める。
「きゅ?(あ、声出た。でも鳴き声みたいな…?)」
周辺を散策すると、背の高い草の実を食べて痺れたり、何の動物かわからないフンを踏んで凹んでいたり…
(大変だけど、楽しい!)
向こうの方でキラキラしたものが見えた。
(あ!海かなぁ?なんでもいい!足洗いたい!!)
四足歩行の猛スピードで掛けると、そこは大きな湖だった。
(すごーい!綺麗だし、大きい〜!)
まず、喉の乾きを癒すように、顔を入れてゴクゴク飲むと、そのままダイブした。そして犬かきのように泳いで、プカプカ浮いた。
(キモチいい〜♡でもモフモフが濡れると重いなぁ…)
陸に上がると、ブルブルと体をふるわし水を切った。
(んー、近くに洞窟とかないかなぁー?)
ここを拠点したくて、湖の近くをウロウロしていると、茂みの方から「グルル」と低く唸る声が聞こえた。
目を凝らして見てみると、巨大な狼のような魔物が獲物を捉えたようにこっちを見ていた。
つづく。




