ルーネの両親公認の婚約者だ
ルーネ、頑張りました!
サラの楽しそうな声が入った。
「は~い、そこまでよ!」
「……サラ~」
「サラ、酷い!」
「そういうの二人っきりの時にね」
「むー」
ルーネの不機嫌は、俺の頭撫で撫でを10分する事で直った。
白銀魔狼に血抜きの処理を終わらすと俺の「倉庫」に仕舞い、王都の冒険者ギルドに行き、受付嬢に討伐の報告をした。
因みに、ルーネの狐耳や尻尾は元に戻った。
綺麗で勿体なかったが、ルーネが見せたくないと言ったから諦めた。
「……確かに依頼の白銀魔狼ですね」
「討伐したのは、ルーネの単独だから」
「本当ですか?」
「ああ」
多分、後ろにサラ達も頷いているだろう。
「分かりました。では、素材はどうされますか?」
「牙・爪・魔石・毛皮は回収で」
「……魔石だけでも……」
「ダメ」
「分かりました。ルーネ様、冒険者カードを……はい、ありがとうございます……処理が終了したのでお返しします。
では、解体場に白銀魔狼を出されるのなら、その後、私に声をお掛けください」
「分かったわ」
俺達は解体場に白銀魔狼を出して希望を伝えると解体場を後にして、先程の受付嬢に声を掛ける。
「それでは、ルーネ様はギルドマスターとの面談になります」
「分かったわ」
全員でぞろぞろ行くのはアレだから、俺だけが同行した。
「ギルドマスター、お連れしました」
「……入れ」
流石に、この身長になると、素晴らしい景色を見る事が出来なかった。
ルーネが、目が笑ってない笑顔も向けるし……無理!
3階の応接室に入ると、ギルドマスターと呼ばれた野郎が1人居た。
「初めましてだな。この王都の冒険者ギルドのギルドマスターだ」
「Bランク冒険者のルーネリアです」
「Aランク冒険者のゼンだ」
「さて。ルーネリアのAランクへの昇格の件なのだが……おめでとう!」
「つまり?」
「ルーネリアのAランクへの昇格を承認する」
「やったな、ルーネ」
「ありがとう、ゼン」
「実戦での実力だが、白銀魔狼の単独討伐を達成したのなら、充分と言える。
それに皇国に居たみたいだが、正直、後1つ大物モンスターを討伐していたら……って、所までの位置だったからな。
後は、実戦以外だが、皇国の冒険者ギルドから情報が来ているが、学園で生徒会長をしていたなら、それも充分な成績と言えるだろう。
因って、冒険者ギルド最高位のAランク冒険者として申し分ない」
「ありがとうございます」
「それで、差し支えなければ、聞きたいが、2人の関係は?」
「ルーネの両親公認の婚約者だ」
「……そうか」
カレカノの関係かと思っていたら、婚約者だと知って、毒気が抜けたみたいだな。
「以上だ。1階に降りて手続きと報酬を受け取ってくれ」
「分かったわ」
俺とルーネは1階に降りて受付嬢のカウンターに行き、先程の受付嬢からルーネのAランク昇格の手続きをして貰い、白銀魔狼の討伐報酬と、素材売買の代金を合計で大金貨1枚と金貨9枚となり、受け取る。
受付嬢の言葉に従い、解体場に行き白銀魔狼の売らなかった「牙・爪・毛皮」を受け取ると「倉庫」に仕舞う。
俺達は、屋敷に戻る事に決めて、冒険者ギルドを出ようとすると、テンプレさんが、手でハートマークを作り、良い笑顔を俺に向けていた。
「ちょっと待てや!」
「それは俺達の事か?」
「そうだ!」
……またか。
「用件は?」
「いい女達を連れているじゃないか?
女達を置いて、ガキは消えな」
「断る。後、そういうのは、雌ゴブリンにプロポーズをして……いや、雌ゴブリンにも相手を選ぶ権利が有るか」
「……ぶっ殺す!」
絡んで来たチンピラを腹パンからの回し蹴りで沈めて剥ぎ取りを済まし、ギルドから大銀貨3枚と銀貨5枚を受け取ると冒険者ギルドを後にした。
「まあ、鉱山労働を頑張ってくれ」
「ゼン君」
「何だ、サラ」
「本当に煽り耐性無いよね」
「そうだよなぁ……! 後、寄り道しても良いか?」
「勿論、良いけど」
「ありがとう。じゃあ、神殿に行こうか」
「「「「……神殿!?」」」」
「ゼン、何故?」
「ルーネが無事にAランク冒険者になれたから記念みたいな感じかな」
「……分かったわ」
「ゼン」
「サラ、何だ?」
サラに呼ばれて、ちょっと離れる。
「ゼン君は、神様の存在を信じているの?」
「勿論だ」
「……マジ!?」
「ああ。言っておくが、神々は実在するから、あまりに酷い悪口を言うとラノベみたく神罰が落ちるかもな」
「……あ! 転生時特典」
「そういう事だ」
この後、ルーネ達と一緒に神殿に行ったが、ルーネ達は頭に「?」が浮いていた。
神殿に到着すると、受付係に来た理由が理由だから、ケチ臭い事をせずに、金貨6枚を喜捨した。
そのお陰か、祈りの場として個室に案内された。
……まあ、良いか。
「しかし、意外だわ」
「何が?」
「ゼンの性格を考えると、神殿や教会に行くような感じがしないのよね」
「ルーネ、酷いなぁ。俺は創造神アドラディア様と豊穣の女神アストリア様の敬虔な信者だぞ」
「……」
サラは何かを察して、ツッコミ無しの無言だ。
「ふ~ん。サラも意外だと思うわよね?」
「え!? そ、そうね」
「?」
「とりあえず、祈りを捧げようぜ」
こうして、皆で祈りを捧げたのだが……
「久し振りです、ゼンさん!」
「アドラ様!」
「神界より見ていましたが、ゼンさんの守備範囲の広さにはビックリです!」
「……はは。それよりも今回はどうしたのですか?」
「それは……」
「此処は何処!?」
「サラ!」
「ゼン君!」
サラも居た!
「今回は、魔法神の要望でサラさんも招きました」
「……ゼン君、誰?」
「此方の若さ溢れる方が、この世界の創造神アドラディア様だ」
「……え!? (この○リが!) ……痛たたたたた!」
「如何ですか、緊箍児の痛みは?」
「……緊箍児!?」
「サラ、ラノベでの転生時の事前交渉や面談を忘れたのか?」
「……あ! 失礼しました、創造神アドラディア様」
「もう怒っていません。それに時間も限られていますから本題に入ります」
そうアドラ様が言うと、魔法神と紹介された男性が前に出た。
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