……ルーネ、行けるか?
主人公は、貴族じゃないけど、国王と同格だから。
意を決した顔でマリーベルは言った。
「私、この屋敷の女主人として頑張るですの!」
「久し振りに聞いたわ、マリーベルの『ですの』を」
「あ!」
「別に直さなくても良いよ」
「そうよ」
「ゼンお兄ちゃん、フローリア。そういう訳にはいかないわ。
もう成人した淑女なんだから」
「……分かった」
「分かったわ」
「それと、ゼンお兄ちゃんから、ゼンお義兄さまに変えるね」
「……まあ、良いか。分かった」
「ありがとう、ゼンお義兄さま」
「さすあに……だね、ゼン君」
「あの2人、血が繋がって無かったんだよな」
「確か、そうだったわ」
「何?」
「何でもないよ、マリーベル」
そして、屋敷内でマリーベル達と雑談をしたり、屋敷内を見て廻ったりして過ごし、美味しい夕食を頂き、リフォームしたのか大きめの風呂にゆっくり入っていたが、フローリア王女に騙されたマリーベルが風呂に入って来た時は驚いた。
……フローリア王女には正座1時間の説教をした。
そんな事があったが、それ以降は何事も無く3日が過ぎた。
この3日間、マリーベルを見ていたが、自分の所まで回った案件も、きちんと対応が出来ていたし大丈夫だろう。
そう判断した俺は、王都の冒険者ギルドに向かった。
「まあ、午前9時前だと良い依頼は無いか」
「当然よね」
「……待って。これは!」
ルーネが見付けた依頼を確認すると、指定ランクはBランク以上で、討伐対象のモンスターはAランクだった。
報酬は……まあ、かなり良い金額だ。
モンスターは「白銀魔狼」で、ウルフ系では討伐可能な最上級だ。
この白銀魔狼以上のウルフ系が存在するが、過去300年間に討伐出来た記録が無い。
……ハグレか?
「ルーネ、やってみるか?」
「……そうね。挑んでみるわ!」
「決まりだな」
俺達は、この依頼書を受付嬢が居るカウンターに行き依頼の受理手続きをする。
受付嬢から出現場所を聞いて、俺達は向かった。
「これが、ルーネの新しい薙刀『アマキツネ』の初披露だな」
「そうね、ゼン」
皇国での、俺達に出会った後のルーネは少々暇を持て余していたから、ルーネの新しい武具を製作する事になった。
俺達も、学園の休日の時に素材集めに奔走したもんだし、時間的に無理な時は、俺とエグゼだけで行って狩ったりした。
……あの時のエグゼの速さは、舗装されていない道で、出して良い速度じゃなかった。
「あの時、俺は身体強化を使ったんだよなぁ」
「お疲れ様ね、ゼン君」
「あの時はありがとう、ゼン」
「気にするな、ルーネ」
「ゼン様。そろそろです」
「……ラン」
メンバーで最高の探索能力を持つランに聞いてみた。
「既に捕捉しているであります!」
「流石はランだ」
「えへへへであります!」
俺はランの頭を撫で撫でするが、それを羨ましそうに見るルーネとリン。
……ランに先導して貰い目的地に到着した。
「居たわ」
「……ルーネ、行けるか?」
「勿論よ」
「危なくなれば絶対に救けるから全力で行け」
「ええ。その時はお願いね、ゼン」
「ああ」
「……行くわ」
ルーネは完全武装して白銀魔狼の前に悠然と立つ。
ルーネの勇姿は、狐耳、狐尻尾付きの巫女姿で、下は紅色の袴に、上は純白に金糸の飾り意匠をあしらい、胸部と両腕・両足に防具を纏う、神聖にして美麗な戦装束だ。
「Garrr……」
「白狐人族のルーネリア、参ります!」
ルーネが、そう宣言した瞬間、ルーネの耳と尻尾の綺麗な黄色が消え煌めく白銀に、白い部分が朱に染まった。
そして、尻尾が7本になった。
「GaAaaaー!」
「はぁあああーーー!」
ルーネと白銀魔狼との一騎打ちは一進一退を繰り返し、近接では石突と体術も混ぜて使い、中距離は薙刀の距離だから有利に進め、遠距離になれば火属性の魔法を高威力で精密に制御して放っている。
「Gau!」
「く……やあ!」
白銀魔狼は、バスケの様に左にフェイントを入れ右から噛み付きを仕掛けるが、ルーネはギリギリ躱し、テコの原理込みで大きく鋭く薙刀「アマキツネ」を横薙ぎに振るう……が、向こうもギリギリで躱し大きく後ろに下がる。
「GaAーーー!」
「火矢80連! 炎槍5連!」
向こうは、先が鋭い氷塊を幾つも同時に放つが、ルーネも火矢で迎撃しながら炎槍を放ち白銀魔狼を攻撃する。
そんな一進一退を繰り広げるが、次第にルーネが有利に進んでいく。
そして……
「……GaruAaaaーーーーー!」
向こうは、先程の先が鋭い氷塊を幾つも空中に待機させ、老バ○ンの様にカイザーフェニックス付き同時攻撃を彷彿させる攻撃を仕掛けてきた。
ルーネは言った。
「……最後の一撃です!
灰燼と化せ! 紅蓮魔槍!」
ルーネはルーネで、ハ○ラーの超魔爆炎覇の薙刀verで、白銀魔狼に向かって、影が消える程の速さで駆ける。
「Ga……」
「ハァハァハァハァ……」
……ドサッ!
白銀魔狼が胸部から斜め上に斬られ絶命した。
俺は高らかに宣言する。
「……ルーネの勝利だ!」
「やったわーーー!」
皆は、ルーネに駆け寄りルーネの勝利を称賛した。
「ルーネ」
「ゼン!」
「ルーネの綺麗な顔にキズが……小治癒。
ルーネ、キズは消えたよ」
「ありがとう、ゼン」
ルーネは何かを思い出した顔をした後、言った。
「ねえ、ゼン」
「何、ルーネ」
「初めて逢った時も、こんな風に小治癒を掛けてくれてたわね」
「そうだな。 ……小治癒」
「……ゼン、大好き!」
「俺も、ルーネが大好きだ」
俺はルーネと見つめ合い、唇と唇の距離が2cmになると……
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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「炎槍」は、ルビ付きで魔法
「紅炎魔槍」は、ルビ無しなので、スキル等付きの物理攻撃




