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……まあ、向こうは当時10歳だったな。

回収出来そうなのは今しかない。

 


「……おし!」


 上手い具合にスタンピードの先頭を走るゴブリンとウルフの後ろから竜滅烈光覇(ドラゴンノヴァ)の攻撃範囲に入り分断に成功した。

 これで、先頭集団は300以下になった。


「さて、行こうか。偶にオークを単体で見逃す様にな」

「「「「はい!」」」」

「サラ、子守りをお願いな」

「任せて!」


 サラは、魔法特化に近いからな。

 接近戦もそれなり以上だが、万が一が有るから、テレージアの近くに居て貰った。


「スタンピードなんか、蹴散らすぞ!」

「「「「「「「「「「「「「「おお!!!」」」」」」」」」」」」」」


 俺達がスタンピードの中に突っ込んでから、30分以上経過してから、偶(たま)にオークを単体で最終防衛ラインに送る。


 リンは周りを確認しながら無双し、ランは嬉々として前方のモンスターを無双していき、ルーネは圧倒的多数のモンスターとの討伐を真剣にしていた。


 俺は最後尾に付き、ルーネ達の援護をしながら、集団からハグレるモンスターを片っ端から雷撃弾(ライトニングバレット)を放ち討伐した。


 ……2時間後


「……都市から歓声が聞こえるな」

「ゼン、戻りましょう」

「そうだな」


 運良く、漫画やラノベみたいにスタンピードを起こした「黒幕」みたいな存在は無く、自然発生したスタンピードだった。


 俺はスタンピードの「ボス」であった「赤銅竜(ブラウンドラゴン)」の亜種を「倉庫」に仕舞うと、移動を開始するが途中で、俺が仕留めたモンスターを「とって来い!」をされたワンちゃんみたいにランが笑顔で持って来る。

 それを俺がランを褒めながら「倉庫」に仕舞う。


 そして都市に戻ると、俺の土魔法で「堀」を埋める。

 その日は冒険者ギルドで、俺とギルドと領主の奢りで防衛達成会をした。


「……全員持ったな? ……良くやった!

 美味い酒を呑もう! ……乾杯!」

「「「「「「「「「「「「「「……乾杯!!!」」」」」」」」」」」」」」


 翌日、俺達は国境を目指して出発した。

 スタンピードの防衛に参加した冒険者達全員が俺達を見送ってくれた。


「そりゃあ、オーク10匹残して全て提供したからよ、ゼン君」

「そうね。赤銅竜(ブラウンドラゴン)まで、参加した冒険者達全員の討伐扱いにしたから」

「妥当な結果かと、ゼン様」

「それもそうか」


 こうして、俺達は行きと同じぐらいの日数を掛けてベータグシム王国に到着した。


 それと、フローリア王女には、テレージア王女を王城に送ったら、向かう事を伝えた。


「……ありがとうございます」


 テレージア王女を王城に届けると、返す刀でアルファーザス王国に向かった。

 因みに、俺達の馬車は魔改造(チート)済みだから、移動は快適だ。


「……何、この馬車は!?」


 ルーネが俺達の馬車の中を見て驚愕していた。


「……何故、揺れないの?」


 馬車に乗ってルーネが、更に驚愕していた。


 ……正直、気になっていたし、エグゼも久々の「お仕事」でテンションが上がり、通りすがりの無関係な馬車に被害が無い事に安堵しながら移動した。


 だから、予定の日程よりも6割減でアルファーザス王国の王城に到着した。


「……こんなに早く」

「いや、エグゼが頑張った」

「……そうですか」


 王城に到着すると、王宮の応接室に通され待っていると、フローリア王女が入って来た。

 ……で、先程の会話だ。


「さて、貴族的な前置きは不要だ」

「はい。実は……」


 話の内容は、キールベル侯爵の長女マリーベルの事だった。

 先ず、訃報だが、キールベル侯爵の長男アルダートと次男ヘンリーが事故で2人共が鬼籍に入った事だ。

 次は慶事で、三男「ロベルト」が誕生した事で、今は4歳らしい。

 そして、あの時に俺を拒絶した姿を見ていた奴の誰かが他者に漏らしたみたいで、アルファーザス王国の王立学園で、マリーベルはかなり弱い立場になったらしい。

 更に、それに拍車を掛けたのが三男の誕生だ。

 三男ロベルトの誕生で、以前よりも周りの他貴族からの扱いが悪くなり、それが悪循環に入る切っ掛けとなり、止めを刺したのが、8ヶ月前に次女「サリーベル」の誕生で、更にマリーベルの貴族令嬢としての価値が下がった。


 その結果、筆頭侯爵家の長女でありながら婚約者も出来ないまま学園を卒業して、今は領地の実家に籠もっているみたいだ。


「……なる程な」

「それでは……」

「でも、俺が差し出した手を取らなかったのはマリーベル本人だしな」

「それは! しかし……」

「全く。 何事かと思ったら、そんな事か」


 俺は席を立とうとしたらフローリア王女が声を荒げた。


「待ってください! 確かにマリーベルは、ゼン様が差し出した手を取りませんでした!

 でも、マリーベルだって苦しんでいるのです!

 お願いします! もう一度、マリーベルに……」


 王女として生き、教育を受けた筈のフローリア王女が、家族以外の誰かの前で大粒の涙を流して俺に懇願した。


 ……まあ、向こうは当時10歳だったな。


「ゼン、会ってあげて」

「ゼン君、お願い」


 ルーネとサラにも言われて……


「……分かった」

「ありがとうございます!」


 その後は、このまま王宮で泊まる事になり、夕食の時間になったのだが、かなり豪華だと思ったが、フローリア自身も驚いていた。


 ……まあ、俺へのご機嫌取りだろう。


 因みに、その夕食の場には、新国王となったジオルドや、皇太后になった元王妃も同席していた。


 ……王女も驚く夕食は、とても美味しかった!


 美味しい夕食に舌鼓を打ち、風呂に入るのだが男女別で、脱衣所には何故かメイド服10人分が個別に籠に置かれていた。

 入ってみると、久し振りの桃源郷が広がっていて、10人の美女美少女が己の「美」を競い合っていた。


「ゼン様。見るだけになりますが、存分(ぞんぶん)にご鑑賞くださいませ」


 充分に芸術品を鑑賞して風呂も堪能すると、10人の中の1人が言った。


「後程、遣いを出しますので起きていてくださいね」

「……分かった」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。

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