……リン、先輩として頑張っているな。
数字が大きい人を、美女と呼ぶとは限らないのです。
……エグゼも不機嫌だったが、2時間のブラッシング等で何とかご機嫌になった。
エグゼとランの自己紹介も終わり、俺がエグゼのご機嫌を取っている間に、ランには「今」の身体に慣れて貰う為に、徒歩から始まり、競歩、疾走をし、リンも加わり「鬼ごっこ」に、最後は模擬戦までして貰った。
「ゼン様に報告します。
ランの身体能力と知識は、現段階でゼン様の従者として、仲間として充分に及第点です」
「分かった。ありがとう、リン」
「いえ。筆頭従者として当然の事です」
……リンが、風紀委員長から秘書にジョブチェンジした!?
エグゼに俺達3人が乗り、一気に西の隣国ベータグシムに向かった。
そして、俺達はアルファーザス王国の西の辺境の都市「バルーザヤ」に到着した。
勿論、エグゼには我慢して貰い、以前買った様々な色の布でエグゼを飾った。
更に、その上でリンに先触れして貰った。
お陰で、門番達が「真紅星馬だー!」とか「Cランク冒険者以上を全て呼べ!」とかは無かったが、俺達の順番が来ると、俺達3人の指示に従うのか確認させられた。
正直、エグゼの我慢強さは拍手したい。
エグゼの俺への想いは「メンヘラ」級だからな。
「さて、エグゼが泊まれる宿屋は有るかな?」
……辺境の都市「バルーザヤ」で、1位の最高級宿屋しかなかったよ。
「ちくしょうー!」
朝食と夕食込みの料金が、4人部屋で1泊大銀貨1枚だ!
「絶対に! 朝食と夕食は、此処で食べるぞ!」
「分かりました、ゼン様」
「分かったであります、ゼン殿!」
因みに、スウィートルームは金貨3枚からだと!
非常に悔しいが宿屋が決まり、俺達は冒険者ギルドに向かったのは、ランの冒険者登録をする為だ。
冒険者ギルドに到着した俺達は中に入ったのだが、やっぱり視線の洗礼は有った。
そして、俺達の外見はリンとランは、前世だとエリート校に通うタイプの違うお嬢様JKで、俺は2人のどちらかの小5の童顔の弟って所だ。
だから、ランの冒険者登録が終わると、テンプレが発生した。
「なあ。こんなガキなんか放って、オレ達と一緒にならないか?」
「そうだぜ~」
「いい目を見せてやるからよ~」
「……リン」
「分かりました」
「「「お!」」」
何か勘違いしたチンピラ3人が喜んでいるが……
「メスゴブリンにも振られる様なクズに、用はありません。
それに、息が臭いので口を閉じてくださる?」
「「「……ぶっ殺す!」」」
……本当に煽り耐性が無いよなー。
チンピラ3人から服と靴と冒険者カード以外を剥ぎ取りをして、没収した装備品を冒険者ギルドに売った。
「……合計が、大銀貨3枚と銀貨6枚になります」
お金を受け取ると、ギルドのスタッフがチンピラ3人を鉱山労働をさせる為に運んでいた。
「ラン。この様に、ゼン様の不興を買った者に対して、露払いするのも私達の仕事です」
「分かったであります!」
「後、あの様な輩を排除する時に、先程の様に必ず向こうから敵対行為をさせるように」
「はいであります!」
……リン、先輩として頑張っているな。
先程、受付嬢から聞いて、どうやらイベント的な注意事項は無いみたいだし、ゆっくりランの冒険者ランクを上げるか。
……因みに、俺達を担当した受付嬢はリン寄りの体型で、下には血が行かず、頭に血が上がる知的美女だったよ。
まだ時間的な余裕が有るから、ランのランクアップの為に近辺の森に行って、ランに薬草採取を教えたら、既に学んだ内容だったのか、一度で覚えて俺やリンが教える必要は無くなった。
「ぜ、全部で大銀貨1枚と銀貨5枚になるます」
ランは、狼系の獣人族だからか鼻が良く、採取する薬草の匂いを覚えて、途中からの移動速度が変わった。
そして、異世界転生/転移ラノベで、テンプレの「短時間で、こんなに薬草を採取したのですか!」みたいになったよ。
…あ! 勿論、薬草採取のルールは守ったぞ。
2.3割残すとか、根から取らないとかな。
そして、俺達は泊まる宿屋で夕食を頂いた。
後、おかわり自由な部分も有ったから、ウェイトレスが止めようかと、腕が泳ぐぐらいは食ってやった。
翌日の朝食も、ウェイトレスの笑顔を0円スマイルに変える程に食うと、冒険者ギルドに寄らずに近辺の森に行った。
「じゃあ、リンにラン」
「はい、ゼン様」
「はいであります、ゼン殿!」
「気を付けろよ。俺はちょっと奥に行くから」
「大丈夫です、ゼン様」
「頑張るであります、ゼン殿!」
流石に、ランがEランクになるまでに掛かる宿泊費用がバカにならない。
そんな訳で、ランの教育はリンに任せて、俺は懐を温かくする為に森の奥に行く事にした。
「雷撃弾……良し! 四腕熊をゲット!」
次の獲物を求めて、魔力察知等を使い移動する。
「雷撃弾……しゃ! 魔猿をゲット!」
俺は更に奥へ……
「雷撃弾……たぁ! 二頭魔犬をゲット!」
更に奥へ行こうとすると……
「PiGeeeー!」
「……グリフォンだー!」
「PiEeeeーーー!」
グリフォンが、空中から風属性魔法の裂風刃を連発して放ってくるが、俺は躱しながら雷撃弾を10発、20発と放つ。
流石に、これだけ放てば、グリフォンも隙を見せる。
「……今だ! 雷煌弾!」
「PiGe……」
「……Yaー! グリフォンをゲットだぜ!」
……ちょっとテンション上げ過ぎたわ。
こんな感じで狩っていると、太陽の位置からリン達の所に戻る事にした。
そして……
「ラン様の方は、ぜ、全部で大銀貨3枚と銀貨2枚になるます。
そして、ゼン様のほ……方は、引き取られた素材分を引いて、ぜ、全部で金貨8枚と大銀貨9枚になるます。」
まあ、大物の素材で高い所を引き取ったら、こんなもんだな。
「待てよ!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点とブックマークをお願いします。
叫び声に、昔の泣き虫卓球少女を参考にしました。




