……凄い力が溢れているであります!
復活したコンビ!
俺は、白金貨6枚出して言った。
「これで、この6人が1人前になるまで面倒を見て欲しい」
「……」
「見ての通り、俺はまだガキだ。
流石に6人も面倒を見るのは難しい」
「……なる程。そこで、オーキナのコインを貰った君は、同じ商会なら面倒を見てくれると思って来た訳だ。
そして、面倒を見る以上は、現実として必ず実費が掛かる」
「ああ。無料奉仕で6人も面倒を見ろとは言わない。 ……どうだろうか?」
「分かった。6人を私が責任を持って引き取ろう」
「感謝する」
「……しかし、オーキナのコインか……!
そうか! 君がルーネお嬢様の婚約者か!」
「……婚約者候補だ」
「……まあ。今はそれでも良いか」
俺は丸く収まったと思った……が!
「アタイは、この人に付いていくであります!」
耳や尻尾から察するに、犬か狼系の獣人族だろう。
「……本気か?」
「アタイは本気であります!」
「俺は冒険者だぞ」
「アタイは、誇り高き銀狼人族の族長の娘である『ラン』であります!
自由と命を、何よりも誇りを取り戻してくれたゼン殿に付いて行くであります!
アタイはゼン殿に尻尾を捧げるであります!」
「冒険者ゼン。返答は如何に?」
「……尻尾を捧げる誓いは生涯に一度だけだったな」
「そうだね」
「……分かった。銀狼人族のラン」
「はいであります!」
「俺に、その生涯を捧げろ!」
「誓うであります!」
パチパチパチパチパチパチ
他の5人も「良かったね」とランに祝福していた。
「それなら、この6枚目の白金貨は返すよ」
「いや。そのまま受け取ってくれ」
「それは……」
結局、商人に対して口で勝てる訳もなく、6枚目の白金貨は帰って来た。
そこで、この6枚目の白金貨で、ランの冒険者としての装備と、日用品を買い揃えた……のだが、その時に偶然に、本当に偶然にだが、ランの着替え中にカーテンが「ハラり」で見えた。
ランの胸骨の真ん中に焼印みたいなのが見えたのだ。
とりあえず、焼印は置いといてランの買い物は終わり、また先程の応接室に戻る。
応接室には、他の5人は既にオーカ・シラーの指示で、別のスタッフが連れていって居ない。
「……悪いが、席を外して欲しい」
「……分かった」
オーカ・シラーが退室すると、俺はランに胸の焼印について聞いてみた。
「分からないであります」
どうやら、気が付けば既に焼印が有ったみたいで、今では気にしていないみたいだ。
「……調べてみるか。ラン、良いか?」
「勿論であります!」
「星幽体鑑定……なる程」
「分かったでありますか?」
「ああ、分かった。ランの胸の焼印は『封印』だな」
「……封印でありますか?」
「ああ。ランはどうしたい?」
「どうにか出来るでありますか?」
「ああ」
「……お願いするであります!」
「良いのか? 何を封印しているのかは分からないのだぞ」
「問題無いであります! それに封印が解けてもランはランであります!」
「分かった。ちょっと脅かす様な事を言ったが、封印を解いても本来のランになるだけだ」
「分かったであります! ゼン殿、よろしくお願いするであります!」
「ああ。任せろ!」
先ずは、魔力が外から探知されない様に「魔力結界」を張り、ランには上半身だけ全て脱いで貰い、俺はランの封印に掌を当てる。
そして第5位階魔法を使う……
「……聖域解除」
バギン!
俺が調べた内容とは不似合いな解除音が応接室に響くと、ランの身体から銀色の魔力が炎の様にランの身体に纏うと、先ずは身体が12歳くらいから16歳ぐらいに、次に髪が薄い灰色から煌めく銀色に、最後に瞳の色が黒よりの紫色から鮮やかな紫色に変わり、顔付きも可愛い系から綺麗系になった。
そして、ランの身体を取り巻く炎の様な銀色の魔力が消えた。
ランの封印は只の封印ではなく、ランの身体を聖域と見做した封印だった。
だから、第3位階魔法の「封印解除」では無理だった。
まあ、それだけ封印されていた「何か」は凄いという事だな。
ランは立ち上がった。
「……凄い力が溢れているであります!」
……ブチッ!
……バサッ。
俺は、音のする方に視線を送ると、ランの足下にはランが履いていたズボンとショーツが落ちていた。
俺は、男の本能が働き視線を上げるとランの腰に…………銀色だった。
「……買い直しだな」
「申し訳ないであります」
「気にするな」
因みに、ランの年齢は13歳で、リンの年齢は14歳で、数字だけ見たら、ランはリンに勝っている。
とりあえず、俺の服を着させて買いに行ったのだが、店の兎人族のお姉さんに白い目で見られたのは辛かったよ。
先に買ったラン用の衣類は、何かに使えるだろうと「倉庫」に死蔵する事にした。
……諸々が終わり、やっとホワイトテイル商会から出た頃には、昼を報せる鐘の音が王都中に響いていた。
「お帰りなさい、ゼン様」
「……た、ただいま」
……通常運転のリンが怖ぇえーーー!
宿屋に戻る途中に買ったスィーツを渡し、ランの事も含めて説明した。
「分かりました、ゼン様」
「ラン。自己紹介を」
「分かったであります! 銀狼人族の族長の娘ランであります!」
「黒猫人族のリンです」
「自己紹介が終わった所でエグゼの所に戻ろう」
「はい、ゼン様」
「はいであります、ゼン殿」
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