十三話 結婚の報告をしましょう
まだバルコニーを使う人がいてはいけないからと花火を数発見終えると、二人はバルコニーから大広間に戻ってきた。そんな二人を王太子とローズガーデン侯爵令嬢が待ち構えていたように出迎えた。
「俺からのサプライズはどうだった?」
「一生の思い出になりました」
そう答えたアレキサンダーに王太子がいたずらが成功したように笑った。
まだ花火は終わっていなかったが、皆の視線がそちらに向いている内にとロアナが居住まいを正した。
「改めてご挨拶申し上げます。長い婚約期間を経て、私の十八歳の成人を以て婚姻いたしました。ジャックロード辺境伯家次男アレキサンダーを婿に取りました、フォーリオ伯爵家が長女ロアナと申します」
「やっと聞けたな!結婚おめでとう、二人とも」
「私からも、ご結婚おめでとうございます」
アレキサンダーと共に最上級の礼をすると、王太子とその婚約者は本当に嬉しそうに手を叩いて喜んだ。
「結婚おめでとう、ロアナ!」
「ありがとう、イザベラ」
声をかけるタイミングを見計らってイザベラが、泣きながらロアナに抱きついた。
気がつけば花火は全て打ち上がっていたようで、広間に戻ってきていた関係者たちからも祝福の拍手をもらっていた。その中には、学園の教師たちやアレキサンダーとロアナの両親たちもいた。
「アレク、ご両親に紹介していただける?」
「もちろんだ」
「また『俺の嫁』って抱き上げないでね?」
「どうかな」
楽しそうに笑ったロアナを、アレキサンダーは幸せそうにエスコートして連れて行く。
そんな若い二人の夫婦を、いつまでも温かく祝福の拍手が包んでいた。




