フルーツサンド食べ食べマンのレポート練習 ──『唆す者』。
個体識別名『唆す者』。
認定危険度 “low”を訂正し“higher”。
最新 2028年 5月 1日。
『唆す者』は、身長百七十後半程度の背格好をした、標準体型の男性型バイオウドです。
基本的に黒い布製のジャケットを身につけています。
戦闘時、通常ならマガジンが装填されるであろう部分に、背中から伸びる長く透明な管のつながった二丁拳銃を使用します。
二丁拳銃からは、水に酷似した透明な液体、または赤と黒が混じり合っているような粘性のある液体のどちらかを高速で射出することが確認されました。
また、射出される液体は、背中から生える管の色により識別可能です。
『唆す者』は、この二種の液体を弾丸のように、あるいはウォーターカッターのようにして戦闘を行います。
赤黒い液体は、皮膚へと接触するだけで人体へと影響を及ぼします。
接触後数秒で、消化されていくかのような焼け溶ける痛みが始まります。
この状態では、すぐに洗い流すなどすれば特段問題ありません。
赤黒い液体が身体へと侵入後、即座に適切な対処を行わなかった場合、侵入部周辺が熟れるように醜く爛れます。
この際、身体が内側から腐り、溶かされていくような激しい不快な激痛が侵入部周辺を襲います。
身体への侵入を許した際は、応急処置の後、対応できる職員へとコンタクトを取ってください。
また、現在『唆す者』が射出する透明な液体に特異性は確認されていません。
『唆す者』は『半怪態』と呼ばれる『怪人態』の前段階に到達、また、会得していることが職員の調べにより明らかとなりました。
バイオウド『唆す者』の『半怪態』が初めて確認されたのは、2026年7月27日です。
『唆す者』が上記の形態へと移行する際、周辺約一キロメートル内にいる人間に、まるで酔うような、溺れるような感覚をもたらします。
これは持続的なものであり、時間経過によってのみ軽減されていきます。
約2時間ほどで酔うような感覚は完全に消え、その後の日常生活への支障もありません。
ただし、この感覚を浴びて尚、長時間範囲内に残り続けた場合。
酔うような、溺れるような感覚とは別に、自身とは違う何か別のモノと混ざり合うような不可解な感覚が、強くねじ込まれるといったものが追加されます。
症状がこの段階まで進んだ場合の報告は、現在のところありません。
※職員各位へ。
討伐、または捜索、接触が予見される業務を行うにあたり、酔うような、溺れるような感覚を覚えた場合は速やかに移動、避難を開始すること。
『唆す者』はバター職員を『狩り合う者』と認識しており、捕獲・討伐に向かった職員を殺害することに躊躇いがありません
片手で数える程度ではありますが、任務に赴いていない職員が襲撃された事例もあります。
十分にお気をつけください。
『唆す者』は特定の拠点を持たずに各地を転々としており、活動地域を限定することができません。
不意の遭遇にお気をつけください。
以上が、バイオウド“higher”『唆す者』の概要となります。
職員は十分に警戒してください。
著者 甘口 結架・城壁 幸中
──緊急追記──。
“メルトブレイン”、および“メルトダウン”が確認されました。
討伐を急いでください。
現在『唆す者』は半径1キロメートルを縄張りとし、範囲内から逃げ遅れた人間を、手当たり次第に貪っています。
このことから、『唆す者』を一時的に“highest”へと認定。
これにより我々は、“est” 葛葉 残日、田田中 博史の両名を中心とした、多数の部隊が合同した討伐部隊を設立。
『唆す者』が縄張りとしている都市周辺を根城としている他のバイオウドを掃討しながら対象へと近づき、占領された年の奪還、取り残された者たちの救出を行います。
作戦名『楽園の破壊』。
決行は2日後です。




