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第1話「会議室の指名と、マネージャーへの相談」


今から… 【育児中心・芸能活動再開編】です。



春の終わり、会社の昼休み。

悠真は突然、総務部の同僚からこう声をかけられた。


「神谷くん、今すぐ“会議室A”に来てくれって。社長が直々に呼んでる」


驚きながらも指示に従い、会議室のドアを開けると――

そこには社長、副社長、専務、常務、そして取締役の5人。

さらに直属の課長や部長ら、合計10人の幹部がずらりと並んでいた。


「えっ……俺、何かミスしましたか……?」


「いや、そうじゃない。むしろ逆だよ」


社長が微笑みながら言った。


「神谷くん、君の奥さんって、あの“篠原美紅”さんだよね?」


「……はい、一応……」


「我が社の新しい飲食ブランドのCMキャラクターに、ぜひ彼女を起用したい。

もちろん、家庭のこともあるだろうし、まずは奥さんのマネージャーさんに相談してくれて構わない。どうだろう?」


悠真は少し戸惑いながらも答える。


「……分かりました。

彼女のマネージャーでもある“姉”に、まずは確認してみます」



その夜――

神谷家のリビング。


双子の赤ちゃん、大翔と遥香がスヤスヤと眠っている中、悠真は瑞稀に事情を説明していた。


「……なるほど。つまり、あんたの会社のCMに美紅を出したいってことね」


「うん。でも……育児中だし、まだ復帰のタイミングも話してなかったから」


瑞稀は少し考えてから答える。


「美紅自身も、そろそろ何か“現場に戻りたい”って言ってたし、

まずは家庭の都合と美紅の体調次第だけど、CM1本くらいなら復帰の足掛かりにいいかもね」


「ほんとに……いいの?」


「もちろん、マネージャーとしての判断もあるけど、

……一番大事なのは、奥さん自身の気持ち。ちゃんと、本人と話して」


「うん、ありがとう姉貴」


悠真はそう言って、美紅が子どもたちの寝顔を見つめている寝室へと向かった。


「ねぇ、美紅さん……少し話してもいい?」


美紅は優しい表情のまま、振り返った。


「なに?」


「……CM出演の話が、俺の会社から来たんだ」


「……え?」


驚いた美紅は、そっと立ち上がった。


「それって……私にってこと?」


「うん。詳細はこれからだけど……瑞稀姉さんは“前向きに考えてもいい”って。

でも、俺としては無理してほしくない」


美紅は少し黙ってから、微笑んだ。


「……久しぶりに、ステージじゃないけど、“表舞台”に戻れるのかなって、少しワクワクしてる。

でも、まずは子どもたちと、悠真くんと……家族とちゃんと相談しながら、少しずつやってみたい」


悠真は彼女の手を握り、ゆっくりと頷いた。


「うん。なら、俺が……いちばん近くで支えるよ」


その夜、再始動に向けての小さな“第一歩”が、静かに動き出した――。



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