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俺は2人をひき殺した。俺は徹夜で15時間ぶっ続けで運転し、道の駅で1時間の仮眠を取った直後だった

 話し手が逆転し、俺が運転事故の話をした。

 この修了検定では、自分が話すことによる試験ではなく、聞いた側が親密ある霊の声を受けいれる試験である。

 ルシファーが真後ろで俺の意識を共有しているため、下手に感情をまぜるとバレてしまう。素直に、偽りなく、語るしかない。

 立花幸恵さんが合格できるかは、彼女が俺の物語を受け入れられるかどうかである。


「俺は2人をひき殺した。俺は徹夜で15時間ぶっ続けで運転し、道の駅で1時間の仮眠を取った直後だった」


「ブラック環境なのは知っていた。だからこの事故は会社が悪い、俺は被害者だ。そう思い恨みながら息絶えた」


「居眠りで赤信号に気づかず突っ込んで、電柱にぶつかり、俺は脳天に電柱の足場貫いた。即死だった」


「当たり所が悪すぎて死んだが、もしズレていたら生きていたかもしれない。引いてしまった2人には本当に悪いことをした」


「死んでも罪は償いきれない。まあ今は幽体で死んでいるのだが。それは、今ここで教習所に出会えたことで、また気づけることがあった」


「それは、俺は不幸で死んだ、不幸でやってしまった事故ではなかったことだ」


「無謀な運転をしたから事故で死んで殺してしまった。安全運転を貫けば、決して起きない事故であった」


「俺はただの加害者であり。安全運転を甘く見ていた罪、それを抑えられずに運転した罪、事故後に自覚しなかった罪だ」


「今はそれを全て受けいれて、地獄で罰を受けても良い。それくらい、取り返しのつかない事をしてしまった」


 幸恵「あなたも、苦労してきたのですね…」


 それから俺は、事故の前に、予兆のヒヤリハットがあり、自覚があったが休息せず、報告せず運転し続けた事を後悔し、懺悔した。


 ルシファー「時間だ。都合よい所で話を締めてくれ。20分後に、合格発表をする」


 寮長ルシファーはふっと消えると、静寂が流れた。



「修了検定がおわった…。みんなお疲れ様」


 幸恵「あとは結果待ちですね」


 おっさん「あ、あぐ…」


 陰鬱少女「…」


 向こうのペアは何か険悪な雰囲気だ。下手に声をかけられない。



 20分後、ルシファーが突然教壇の上に現れる。


 ルシファー「よし。合格発表をする、不合格者は受付に移動して、次の修了検定の申請手続きをするように」


 ルシファー「合格者は、72点佐藤、75点立花」





 ルシファー「98点水無月、以上3名だ」



 天界運転講習合宿卒業まで、あと6日。

実は先のことは考えていません。

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