ドラゴンハント(1)
久しぶりの投稿です。
異能力者である猫屋敷蓮一郎は超力系術法属の使い手であり、その異能力は『魔術』である。
一つの装備品につき使える魔法は一つ、同じ魔法を使い続けるには限りがある、などなどある程度能力に制約があるが、異能力は一人につき一つである異能力社会においては特別な意味を持つ。
昔、異能力者を戦争に利用するという案が軍法会議に上がったのだが、その際に異能力者の軍事利用が見送られたのは能力者の出生率の低さよりも重要視されたのは能力の汎用性の低さ……いや、この場合は分野の狭さという事であった。
回復能力者は傷を塞ぐ事は出来るけれども、超回復で人体を吹き飛ばす事は出来ないし、回復を遠くの相手に飛ばす事も出来ない。
要するに異能力者とは出来る事を極める事しか出来ず、多種多様な応用が出来ないためにその軍事利用は見送られていた。
異能力者とは便利なように見えるがその分、危険性に溢れているところや利便性もない者である。
猫屋敷蓮一郎は魔術を使ってドラゴンを召喚しても御しきれなかったのも、やはりどれだけ利便性があるように見えても異能力である本分には逆らえないという事なのだろう。
☆
猫屋敷蓮一郎の召喚門から現れ出でて、なおかつ制御しきれずに暴れているドラゴン達はぎゃーぎゃーと喚きながら炎の吐息を吐いていた。
「全く……アイドルの握手会をしにいった帰りに、こんな化け物退治に出くわすとはね。本当に度し難いな。さて、さっさと済まそうか」
その場所に現れた九十一と名乗ったその男は、両手に白い糸をパンチンググローブのように巻きつけていた。
九十一に気付いた猫屋敷は彼の元に近寄るとそのまままくり立てるように、さきほどとは違う無口な彼女には似つかわしくない喋りを見せていた。
「いちじくじゅういち先輩! またアイドルなんかの握手会に出かけてたんですか!? どうせ、異能力者がこの世界から出られないのに!」
「それでも行きたくなるのがアイドルの魅力というものだ。全くもって、複雑な気持ちだが、これが愛なのだろうよ、最も、愛を語らうためには――――――こいつらが邪魔だな」
そう言うと共に跳び上がりドラゴンに攻撃し始めた九十一、それに続くようにして猫屋敷蓮一郎も続いていた。
ドラゴン達に倒されて崩壊してしまった校舎の中で日向野健、加賀見アキ、白山楓、西城姫花の4人は状況理解が追いついていなかった。
日向野健達は猫屋敷蓮一郎を、西城姫花を傷付けた彼女を倒す任命を帯びたのだが、いつの間にかその相手が出したドラゴンを今はどうにかしないといけない状況になってしまっている。
既に西城姫花はと言うと、生徒会長の職務を果たそうとしているのか、皆に避難指示が出ていた。
「さて、僕達はどうするべきか……」
僕は、日向野健はどうすべきか決めかねているのであった。




