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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
七章 Ubiquitous grotesque~そして市街は腐朽する~
147/261

そして佳境は訪れる …3

「それで、これからどうするんですか?」

 しばらく暗夜と化した街並みを眺めていた鈴がこちらを向いた。


「これからどうする? 可笑しな事を言うなよ」

 これまではお前が行き先もやることも決めてきたじゃないか。


 今更どうして俺に訊く必要がある。

 そもそも、俺達の目的である戌海の奪還は俺が舵を取ったところで、達成することができないぞ。俺は戌海の居所さえ知らないんだからな。


「いえ、別にあなたに全てを任せようというわけではありませんよ。“狩り人”には“鍵”を探知することができます。浅滅が合流したことで結果的にこちらもやりやすくなりました」


 “狩り人”……な。やはり“鍵”サイドの陣営は力量関係が微妙すぎる。

「……それで? 今、戌海はどこにいるんだ?」


 しばらくして、鈴が返す。

「今“鍵”がいるのは……竜ヶ峰市の中央市街(・・・・)にある遊園地、『ロストランド』です」


「……中央市街(・・・・)、か」

「はい」

 厄介なことになったな。

 そう言うと、俺は目を閉じた。


―――――――――――――――――――――――――――――――RIN side


 響輝さんが目を閉じた。

「少し眠るといいですよ」

「……ああ……」

 そう呟くのが聞こえる。


 その声にはいつもの無表情なものとは異なり、少しの安堵感が込められていた。

 私は再び窓から空を見る。


 響輝さんが動けるようになったら、この病室を出て、浅滅や皆と合流し、中央市街へ向かう。

 おそらく中央市街に入れば、“鍵”をめぐる生存競争は終局へ向かうだろう。


 “支配者”はそこに居る。“鍵”……戌海琴音も。


 負けない。今度こそ。

 あなたのために。あの子のために。


 この命に代えても、このゲームに勝って見せる……!

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