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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
六章 Near rulernism~そして支配者はほくそ笑む~                                         
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からくも彼は漆黒に …2

 ……しかし、不可解なこともある。“漆黒化”の進行を促進させる方法は二つある。

 前の、それこそ“支配者”が幻覚でちょっかいを出したりしなければ、起こらないのだ。


 もう一つの方法が、自らが漆黒化を望んだ場合。


 だが、彼が進んで闇に堕ちるとは考えにくい。

 いや、でも何か理由があれば……。


 ……理由……。

 しばらく考えるが、答えは出ない。

 ……とにかく、響輝さんを止めなければ。


 その姿を視界に入れたとたん、また自分の内に流れ込んでくる負の激情。

 その感情が今の彼を形作っている全てだった。


 それと同時に、まるで自分が壊れてしまったかのような錯覚が溢れてくる。


 ……そして、再び思い出す。

 この人が自分に酷く似ているということを。


 どうしてこんなことに……。

 悲しみよりも怒りの方が勝り、私の心を抉り始める。


「……ッて」


 “巽野響輝”が再び男の方に歩いてくる。


「……ば、化け物ォォ!! 無理だ!殺されたくねえ!」

 腕から血を流しながら男が、足をふらつかせながら横道の方に歩いて行く。


「響輝さん……」

 “巽野響輝”が目の前で止まる。


 が、私が呼びかけても何のリアクションもなく、“巽野響輝”は横道の方を向いた。

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