それすら少年は拒絶する …2
「響輝さん!」
「……何だよ」
駆けこんでくる人々に指示を出していた鈴が俺の方を向いた。
「あなたは窓の外を! 見張りをお願いします」
「分かったよ」
部屋にかけられたカーテンを少しめくり、外を見る。
……空は相変わらず赤と黒の混じった色をしている。
だというのに、街は真っ暗だ。
うっすら見える街灯、電灯。
「……ん?」
……と、動いている赤い光を見つけた。
何だ、あれは……。
「おい、鈴」
「何ですか?」
鈴も顔を出す。
「……ライトだ。乗り物の」
「いえ、バイクの物です。ここへの襲撃者の持ち物ですよ」
バイクだと……?
つまり、暴走族か。
「そうですね。そうとも言います」
だんだんライトが近くに来ている。
「不味い。体制を立て直さないといけないんじゃないのか?」
「そうですね」
そうこうしているうちに、いくつかのライトが病院の玄関前に来ていた。
「くっ……まずいですね。早くこちらからもアクションを起こさないと」
鈴がそう言って部屋を出て行こうとする。
「……おい、鈴」
「今度は何ですか!?」
バイクに乗っていた人間が降り立ち、こちらの部屋の方を見上げた。
男が数人。女も少し居る。
見ていると、男のうちの一人が、何かをこちらに向かって構えた。
「あれは……」
「……バズーカ!?」
次の瞬間、
視界が……、真っ赤に染まった。