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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
六章 Near rulernism~そして支配者はほくそ笑む~                                         
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また、少女は黒に出逢う …4

 逸れ者……。

 確か、浅滅の言葉の中にその単語があったはずだ。


「“鍵”に想われ、それがゆえに人と異常の狭間に立たされた人間。“逸れ者”はあくまで世界の法則に逸れた人物。すなわち、人間も関わる世界の法則にも多少は作用されないものなのだ」

「法則に……抗える存在……」

「その通り。世界は法則を捻じ曲げられることを何よりも恐れている。だから、その異分子を“鍵”と同様に排除しようとする」


「今殺されて、襲われている私達の方が異分子で、要らない存在だっていうの?」


「その通り。無論、個々の感情は置いておいての話だ。単に、大本の世界自体が、拒んでいると言うことであって、我々には逆らう権利もある」

「だったらどうして……」


「ならば聞こう。“鍵”よ」

 “支配者”が腕組をして余裕の笑みを浮かべる。


「生き物は生きて、そして死ぬ。寿命をまっとうして天に召される。それが世界の道理だとしよう。ならば、なぜ人は寿命をまっとうできずに死ぬのだ?」

 いきなり何を言い出すのだろうか。


「自殺、事故、寿命以外での死亡。それ自体、十分に法則からは外れている。人間は食物連鎖のように何かに食われたり、食ったりの関係性をもはや持ってはいない。ならば、圧倒的優位な安全圏で生きるのが道理ではないのか?」

 確かにそうだけれども……。


「それなのに、人は感情を暴走させ、それがゆえに人を殺す。それを防いでいるのは本来の恐鬼だ」

 何が悪い、と支配者は言った。

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