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ただ少年は辛みも喰わず …2
「つれないなー」
うっさい。
しかし、あれだ。
分からないものだな。
「何が?」
人の因果というか、そのあたりのことだ。
俺だって、復讐に燃えていたころは、こんな事に巻き込まれるなんて考えてなかったからな。
「何? 私に愚痴らないでよねー」
“偽魔女”が面倒臭そうに腰に手を当てて言う。
しかし、お前も暇な奴だな。
「ていうか、何で響輝君、私と普通に話してるの?」
五月蠅いな。性格が交差しすぎていまいち現状把握に努めることができないんだ。
「まあ、実を言うと、結構暇なんだよね。私の出番はまだなわけだし」
出番もクソもあるか。
お前なんか二度と出てこなくていいぞ。一生夢の中で漂っていろ。
「はいはい。なんか響輝君機嫌悪いみたいだし、今回はもう帰りまーす」
なんなんだよこいつ。




