表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost Days  作者: 陽炎煙羅
六章 Near rulernism~そして支配者はほくそ笑む~                                         
120/261

ならば少女は悲愴に浸り …4

 “狩り人”。


 ロングコートの男、浅滅燎次は自らをそう呼んでいた。

 “狩る”ということは、おそらく“恐鬼”を狩る、という意味合いなのだろうが、どうしてそれが“鍵”と関係することになるのだろうか……。


「この野郎! 舐めやがって……」

 ライフルを持っている男が銃口を浅滅の方に向けようとした。


 が、

「ド素人が。銃ってのはな!」

 瞬時に後ろに回り込んだ浅滅に、自分がショットガンの銃口を背中に突きつけられていた。


「撃ちあいが重要なんじゃあない。問題は、速射だ。いかに速く敵を捕捉し、弾を放つか。それが出来なければ、銃で相手を斃すなんて芸当は死んでも出来ないぞ」

「あ、う……あ……」

 背中に突きつけられている物が何なのか、大体想像がついたらしい。


 男は、口をぱくぱくさせながら、顔を恐怖に歪ませていた。



「もうそのくらいにしたらどうです?」


 振り向くと、先に入っていた鈴が、大鎌を携えてこちらに戻ってきていた。

「ふん、こんな気弱な連中、助けて何になる?」

 浅滅がさっとショットガンをしまうと、それを突きつけられていた男ががくりと崩れ落ちた。


「逃げられない、追いつめられた人々を助けずに身捨てたら、もうそれは人間ではありません。非力な者を守るための、闘うための力です。私はまだ、人間でいたい」

 鈴が再び言う。


「だからどうしたと? ただの(・・・)人間なんて掃いて捨てるほどいるんだ。俺は俺に必要な物しか手に入れない」

 浅滅がそう言い、部屋の壁にもたれかかる。


「黙っててください」

 鈴がさっと言い、身をひるがえす。


「響輝さん」

「何だよ……」


 俺は結局何も参加出来ていないけれどな。

「速く来てください。皆に紹介しなければなりません」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ