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人型戦闘機発進  作者: 銀河乞食分隊
人型戦闘機
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人型戦闘機 銀河連合の方針

方針決定まで行かなかったです。

アルガレータ法国の銀河連合から見た現状説明回。

 甚大な被害をもたらしたアルガレータ法国の侵攻作戦が銀河連合の防衛成功で終わってから4ヶ月後。

 地球のラグランジュ点に有る銀河連合専用コロニーに各国の政治家やら軍人が参集。果ては兵器メーカー首脳まで集まっている。

 警備はガチガチに固められ、万久里まで勝利の立役者を見るという名目といざという時に参加首脳などを収容するという名目で付近の宙域に停泊している。

 日本連邦の、お飾りでは無い巨大機動要塞万久里と人型戦闘機MSF38に大気圏内外両用戦闘機VSF-1ももうその実力を秘匿できない。おそらく強さの秘密を探ろうとする動きはあるだろう。ルシンドラをいつまで隠しおおせるか。

 そう遠くない将来、公開はやむを得ないと日本連邦は考えるが、それでもかなり制限を付けるつもりでいる。




 大会議場には主席の他、銀河連合首脳と構成国首脳が集まっている。


「侵略の損害復旧半ばで呼び寄せたのは他でも無い。既にご存じのようにアルガレータ法国の姿が明らかになったからだ。これまでは高圧的な宗教国家という認識だったが、その正体が想像以上に・・・まあ、何というか下らない下衆げす野郎だということが判明したからだ」


 そうのたまっているのは銀河連合主席ゴーダマ・ハーン。主要構成国の一つインドの政治家だ。

 この会議の発言は母国語で行われている。翻訳機が優秀で全言語に95%の互換性を持っている。5%は比較対象となる単語が見つからない単語や特殊な言い回しの部分になる。

 地球共用語テラ・ランゲージも有り義務教育化されているが、互換性は80%にとどまっている。現状これ以上互換性を持たせるのは不可能とされている。何故ならその15%はごく一部の方言と特殊な言い回し、罵詈雑言や隠語でも特に酷い悪質な単語だ。あえて互換性のある単語を作らないようにしている。しかし正確性において15%の差は大きく、重要な場面では翻訳機が活躍する。


「皆さんご存じだと思うが、今一度認識を共有するためにサラ・アンドレッティ研究員から説明を受けようと思う。サラ・アンドレッティ研究員、どうぞ」


 盛大な拍手が送られる。


「皆様、サラ・アンドレッティ研究員です。ここにお集まりの皆様がご存じの第1次調査報告書の後、さらに調査が進められ最新の第2次報告書が出来上がりました。皆様のお手元にも送信しております。送信は受領されていると思いますが、大スクリーンをご覧ください」


 彼女の後方に有る10メートルスクリーンに映し出された。当然、各自手元のディスプレイにも映し出されている。


「さて、第1次調査報告書では従来のアルガレータ法国情報を更新することが出来ました。同時に従来の情報が信頼性に欠けるものだとも」

「この第2次調査報告書では、択捉恒星系で得られた様々な情報から従来信じられていたアルガレータ法国のの情報を大幅に書き換えています。まず第一に国家規模の更新です。皆様のお手元でも大スクリーンと同じ表示がされています。ここで、従来信じられていた情報と新たに得られた情報を比較します」


 スクリーンの画面が更新された。そこには従来信じられていた数字と新たに得られた正確性の高いと思われる数字が出ていた。



人口  アルガレータ法国      銀河連合

従来     980億人      460億人(通知した人口)         

更新後    690億人      610億人(現在の実態人口)

   

アルガレータ法国本体人口   330億人

隷属化人口          360億人   


 隷属化人口340億人の内、恒星間航行技術所有人口は120億人。残り220億人は星系内しかに進出できない程度以下の科学技術水準。


「アルガレータ法国がこちらに圧力を掛けるため、いかに自らを大きく見せたかが理解できる数字です。本体人口が少なく、経済や軍はかなり隷属化した世界に頼っている事が調査で判明しました」

 

 ざわつく会議場。サラ・アンドレッティが無言で動きを見せないので手を挙げた者がいる。


「はい。えーと、ロッキーユニオンのアーノルド・パーカー代表ですね。皆さんの確認を待っていただけで、まだ質問時間ではないのですが、いいでしょう。質問があればどうぞ」

「まだ質問時間ではなかったのか。ありがとう。質問させてもらう」

「はい」

「その隷属化した世界に頼っているというのは?」

「はい。お答えします。まず皆さんの関心が高いと思われる政治経済の内、特に税収です。アルガレータ法国国内では、本国と隷属化した世界に分かれていますが、隷属化した世界の税率が全部合わせて収入の70%。本国が同じように10%。戦争状態ですので本国の税率がもっと高くてもいいのですが、隷属化した世界から搾り取ることで本国の税率は低くされているという情報です」

「収入の70%を取られて生きていけるのかな」

「銀河連合の過去でも地上だけで暮らしていた頃ですが同じ以上のとんでもない税率もありました。しかしアルガレータ法国も馬鹿ではありませんので、最低限の上下水道や交通・電力などのインフラと食料・教育・医療体制などある程度の社会保障制度は整えて生産力を維持させているという情報です」

「社会保障制度?搾り取るのに?」

「銀河連合でも食料と衣類は最低限なら自動生産で全員に配給可能です。なんならベーシックインカムも可能です。それと同じ事をしているという情報です」

「つまり、最低よりもマシな状態を作り上げ生かしていると」

「そういうことです。不満は少ない方が良いでしょうから」

「理解できた気がします」

「ありがとうございます。質問は後でお願いします。説明を続けます」


「続きまして、政治体制です。従来信じられていた教皇が政治体制のトップというのは変わり有りません。今回のアルガレータ法国国民からの聴取で、異常な形態が明らかになりました」

「異常な状態は皆様に信じがたいと思われますが、宗教の名を借りた弾圧は過去の銀河連合以前いえ、地球連邦以前になりますが有りました。また、行政機関や警察・軍に監督官のような者を送り込んで思うままに操るということも、共産党政権やナチスなど独裁政権で行われてきました。決して他人事ではありません」

「特に酷いのが軍で、自爆装置を各艦艇や小型機に取り付け自爆信号を常時受信させることで命を人質に命令を聞かせています」


 先程よりもざわつく会議場。


「今回、投降した軍人達はその命を人質に取られる事と宗教側の高圧的態度に嫌気が差した勢力という情報です」

「その勢力はまだ小さいですが、確実に大きくなっているという情報です」


 さらにざわつく会議場。

 議長が木槌を打ち鳴らし、落ち着くように求めた。静かになる会議場。


「サラ・アンドレッティ研究員、ありがとう。これから少し休憩したい。また説明してくれ」

「はい。承りました」


「今より30分休憩とする。次の報告は軍事である。では休憩に入る」



次回更新 02月21日 05:00

次回「方針決定」

遂に決定。どうするのか。

細かい部分ははしょる予定。


人口はお互いに手の内を明かさないよう鯖を読んでいます。大きく見せるために大きくと、実力を明かさないために少なめにと。

全力で攻め掛かってこなかった理由は本国人口の差。

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