人型戦闘機 方針決定
強敵現る。
私生活の方ですが、今年も黄色い悪魔がやって来ました。既にティッシュの消費量が増えて小さなゴミ箱がすぐ一杯に。
今年は近場の店頭からコットンフィールが消えて困りました。ネットでは売っていたので買いました。
皆さんも花粉症の方は多いと思います。
毎年困りますね。
休憩後、再びサラ・アンドレッティー研究員から説明がされている。
「サラ・アンドレッティー研究員。第2管区司令官のマリア・エスメラルダ中将です。今の説明だと、アルガレータ法国の軍では本国の軍人が中央を固め、隷属化した世界の軍人が最前線の中でも損耗の激しい戦闘機などの小型戦術兵器や歩兵に充てられていると考えてもいいのか」
「はい。エスメラルダ中将。その通りです。彼ら、隷属化した世界の軍人は自爆装置と故郷を人質に取られていることで身動きが出来ません。今回は自爆装置の解除が幸運にも可能となりましたので、投降できました。今までですとほぼ自爆しており、機材故障以外の捕虜が取れませんでした。その捕虜も故郷という人質を取られており口が重かったのです」
「では、いくら最前線で損耗を与えても本国の連中は気にならないか」
「巡洋艦クラス以上の大型艦艇なら全員本国の軍人ですし、駆逐艦以下の艦艇と小型戦術兵器や歩兵でも指揮官が本国の場合が多いのでそれなりの痛手にはなっているはずです」
「それでもほとんどの損耗は隷属化した世界の軍人だ」
「そうですね」
「後方でふんぞり返っている本国軍人をやっても自爆装置が作動して結局全滅に近くなってしまう。厄介だ」
「はい。私たち研究者も今回が希なケースではないかと考えます」
「ありがとう。私からはこれで終わる」
「ありがとうございます」
「次は私が。日本連邦主席大村宗次です。今回、アルガレータ法国は大型移動要塞10基を中心に侵攻してきました。幸い全て撃破しましたが、敵戦力の復帰は早いのでしょうか。また最新の戦力予想を教えてもらいたい」
「その件は私ではなく、銀河連合軍作戦本部長マーク・シュミット大将から話されるそうです。では、マーク・シュミット大将お願いします」
「うむ。皆さん、銀河連合軍統合参謀本部参謀長マーク・シュミット大将です」
思わぬ大物に驚きと戸惑いがあり、やがて拍手に変わった。
「あの移動要塞は捕虜の情報に寄りますと、後10隻が建造中と言うことです。ただ、完成まで早い物で3年。起工したばかりの物も有り、戦力化には4年以上掛かる物と思われます。強力ですが1隻では戦力として心許ないと考えます。今回の侵攻では単独運用されていましたが、全て撃破された結果は奴らの本国に伝わっています。戦場からワープで去って行く敵艦を確認しており情報が持ち帰られたのは確実と思われます。そこから考えますと単独では撃破されてしまうことを確認したはずです。今後表れる時は2隻以上で同じ宙域に表れると予想されます」
「参謀長。銀河連合軍に対抗手段はあるのでしょうか」
「率直に言いますと、日本連邦軍の万久里以外にありません。今回も万久里以外対抗できなかったために多大な損害を受けてしまいました。万久里以外で撃破した事例では艦隊の決死行動で撃破できましたが、大変多くの軍人が故郷を守るべく損害を顧みず命果てるまで戦い散っていきました」
「彼らの健闘には深い感謝と哀悼の誠を捧げます」
「ありがとうございます」
「さて、対抗手段ですが、万久里を建造したい。万久里の巨大レールガンが敵移動要塞に極めて有効な攻撃手段であることが確認されました。そこで、万久里が無理なら同じレールガンを搭載した艦を建造したい。日本連邦には協力を要請…いや、お願いしたい」
「勿論、日本連邦としては協力するにやぶさかではありません」
「ありがとうございます」
その後も質疑は続いたが主な議題が消化された時点でその日の会議は終了となった。
5日後、最も重要であるアルガレータ法国に対する銀河連合の方針が協議された。
総意として、銀河連邦はアルガレータ法国を従来の敵対国家から銀河連合と連合市民の平和的存続にとって危険な国であり戦争は申し入れがあっても停戦せずに[アルガレータ法国解体とアルガレータ神教解体まで]戦うことを目標とした。隷属化した世界を解放するのはついでである。
一部からは「自滅紛争とその後の統合戦争と同じではないか。そこまでやる必要は有るのか」という声も上がったが「全く違う、これは国家の自衛戦争である」という意見に最終的にはまとまった。
軍の首脳が集まって会議が開催されている。議題は万久里主砲の採用について。
「技術情報を丸ごと渡して貰えるのですか」
「銀河連合の危機です。秘密にして倒れてしまっては、何をやっていたのかということにもなりかねません。それにレールガンという枯れた技術です。規模が大きいだけに過ぎない」
「それでも巨大レールガンの製造ノウハウは有り難い。それで製造ですが、日本連邦でやっていただけますか」
「出来ますが数を作れません。分散した方が良いでしょう」
「確かにその通りですな」
基本方針は決まった。そして現場に下がってくるのであった。無理難題と共に。
「え?そんなに高いのですか」
「砲弾4発で駆逐艦1隻とか狂ってる」
「そこのところ誤解のないように願いたいですが、高価なのは砲弾に組み込まれた目標追尾装置です。これを無くして直進しかしない砲弾にすれば、砲弾10発で駆逐艦1隻まで安くなります」
「それでも高価だが回避されたら命中もおぼつかない」
「そうです。たかが100メートル、されど100メートルです」
「先の移動要塞戦でも100メートル動けた事による命中弾ですが、7隻に対して120発を発射し命中59発の内10発が軌道変更で命中したと確認されていますな」
「15%も向上するのでは追尾装置は必要か」
「レールガン本体のお値段ですが、正気ですか」
「でかいから高価になります。当然でしょう」
「超弩級宇宙戦艦2隻分ですか。こっちも狂っている」
「日本連邦はどこからそんな予算の調達を?」
「最初にアルガレータ法国の奴らが仕掛けて来て追い返したでしょう。その後にいろいろ有りまして、軍事予算の貯蓄を始めました」
「あの頃からですか」
「万久里計画自体は20年前からです。実現性は低く、当初は移動補給基地だったんですが構想が膨らみ、結果その予算が活きました」
「その万久里の建造費が……」
「通常編成*の宇宙艦隊3個艦隊分……」
「おかしい。狂ってる!狂ってるよ!!日本連邦軍」
「え~?普通ですよ」
「「「絶対おかしい!」」」
銀河連合議場コロニー内銀河連合軍区画参謀本部支所。
「つまり万久里の量産は無理で有ると」
「10年に1隻程度なら可能でしょう」
「予算と建造期間が」
「まさかあそこまで高価で手間が掛かるとは」
「装甲に半分掛かっていますが、それであの巨大レーザーの直撃に耐えることが出来ます」
「解析結果からは拡散ガス無しでも3層の破壊までで止められたとなっていますな」
「そうすると戦艦か砲艦で行くしかないか」
「そうでしょうな」
会議は続くのだった。
*通常編成の宇宙艦隊
超弩級宇宙戦艦 8隻
高速宇宙戦艦 8隻
宇宙空母 8隻
大型宇宙巡洋艦 24隻
汎用宇宙巡洋艦 60隻
大型宇宙駆逐艦 300隻
小型宇宙駆逐艦 600隻
各種補助艦艇 2000隻
宇宙戦闘機等 4000機
万久里建造費は各種補助艦艇を除いた3個艦隊分。万久里は試験艦で量産など考えられていないので高価でした。数隻作るので有れば多少は量産効果が出て2個艦隊分以下まで安くなると思います。
次回更新 02月23日 05:00
次回「巨大レールガン搭載艦」
屁理屈炸裂か。
万久里建造費用ですが政府自体の予算規模が実際に使われる予算よりも大きいので、アルガレータ法国が再侵攻してくる可能性を考え軍事予算は防衛力を増強するべく大きく取られていますがそれでも余る。でもいざという時のために税金は下げない。かわりに市民サービスは行き届いています。
そして軍事予算も増強規模よりも余ります。その余剰分を政府に戻さず予備費として留保していたのですよ。
通常編成の宇宙艦隊を載せるのを忘れていので02月21日09:00に追加で載せました。




