ダンジョンマスター①
嗤う。
この目の前の木っ端鬼をどうしてやろうかな?
まずは鼻っ柱をへし折るとして……
「姐さん姐さん」
なんだね、赤鬼どん。
「ちょっと、圧、収めてもらえねぇですかい。流石に、キツいでさ」
おっと、こりゃ失礼。
「……ふぅ。いや、不甲斐なくてすいやせん」
ごめんごめん。
ちょっと、盛り上がったこっちも悪いし、ね。
「あー、新入りの……酒呑とか言ったか。お前が何だったかは知らねぇが、姐さん怒らせた始末は自分でつけろよ。
まぁ、殺されやしねぇと思うが……、死ぬなよ」
「ふん。小娘に何が出来る。心配なぞ要らぬわ」
「アホか。万にひとつもねぇわ。……姐さんすっきりしねぇと、こっちに矛先向けるんだよ」
ひどいなー、赤鬼どん。
青鬼どんも頷いてるし。
ワタシ、悲しい。
……あ、そだそだ。
準備準備っと♪
DPを消費して、ポチポチっと。
で、現れるポーションが8ダース。
やったね!96回遊べるどん!
赤鬼どん、ドン引きである。
目の前の哀れな後輩に、哀しみの眼差し。
「……あー、酒呑よ。アンタ、100回殺し確定だわ」
「何?」
「姐さんが用意したアレな。瀕死でも全快するヤバいやつだ。お前が降参しても、心が折れても、姐さん止めないからな。
ま、気張ってくれや」
静かに合掌する赤鬼&青鬼どんず。
なむなむ。
「さて、覚悟は出来たかな?
まぁ、出来てても出来てなくても、始めるんだけどね」
「愚問。さっさとかかってくるがいい」
「……。ま、いいか」
ここまでくると、なんか楽しくなってくるね。
では、早速。
ほいっと。
次の瞬間、黄鬼どん(酒呑)が地面に倒れ伏す。
はい。1デスね。
ポーションだばー。
さぁ、どんどんいきましょー!
「…やっぱ、姐さんえげつねぇな」
「んだ」
離れて観戦してるから判るが、アレは初見殺し過ぎる。
流石、ダンジョンマスターか。
姐さんの使っている手は、単純だ。
このダンジョンの床、壁、天井を棒状に変形させて攻撃しているだけだ。
ただ、それが死角か襲いかかるってのが、厄介極まりない。
先端が尖ってないし、あの速さだと、姐さん的にはお遊びなんだろうが……。
あー、大袈裟に避けすぎだな。
で、ホラ。
また股間に、どーん!
しばらく続くな、こりゃ。
面妖な。
何の気配もなく、突然、股間に衝撃。
目に火花が散ったわ。
小娘、さては妖術使いか?
何をされているか、さっぱり判らぬ。
『替われ、鬼』
誰だ?
『貴様では話にならん。いいように遊ばれておるわ』
うるさい。
あの小娘に一泡吹かせるまでは!
『相手を見かけで判断し、侮った貴様の負けよ。どんなに強がろうとも、手も足も出ていないではないか。
大人しく引け』
ぐぬぅ。
『もう良い。東郷殿、沖田殿、ここは無理矢理にでも』
『応とも』
『はい』
ぬぅ、何をする!
『いい加減、己の力不足を自覚せい。
……それにな、いくら回復するとはいえ、の』
『『『『股間は痛いんだよ!』』』』
あ、はい。
おや、黄鬼どんの雰囲気が変わったかな?
隙が少なくなったね。
表情も引き締まって、油断が消えた感じ。
「次は、某がお相手つかまつる」
腰の太刀を鞘から引き抜く。
そして、構える蜻蛉の構え。
なるほど。
いいね。
「示現流、東郷重位。……参る」
ホーム戦+初見殺し+ファンタジー=ヨーコさん無双




