第二部第二十三話;歓迎会
テストが終わり今日は19日水曜日です。
水曜日なのですが、学校はお休みです。
テストの期間に日曜日が入っていたため、
その代わりにテストの次の日はお休みと決められていたからです。
『日曜出勤させられ代休を取れ!』と言われているお父様方、お疲れ様です。
などと考えながらベッドで寝ていると、
『コンコン』と扉を叩く音が聞こえました。
「どうぞ入っていいよ。」というと美里が入ってきました。
「由真君! 準備は?」
「何の準備だったっけ?」と僕が聞くと、
「何でいつまで寝てるの?学校に行かないと!」と美里が言う。
「へぇ? だって今日は休みじゃん。」
「何言ってるの!いいからもう早く着替えてよ!」
といって美里は部屋から出て行った。
「あれ? えっと・・・。どういうこと?」
僕は納得のいかないまま制服に着替えて一階に降りて行った。
そうするとルナも有香も起こされていた。
「え~今日は学校が無い日じゃん・・・。」有香が嘆いた。
「私、本気で眠たいよぉ。寝て居たいよぉ。」とルナが言った。
美里は「いいから。いいから。ちゃんとご飯食べなさい。」と言っていた。
「由真君!あなたは逆に今日は早く起きないといけないでしょ?」
といって怒られてしまった。
僕達は言われるがままに、朝ご飯を食べていた。
「美里。今日はお休みの日だよな?」と僕は美里に聞いた。
「そうだよ?だから今10時でしょ?」
「お休みの日くらいはもうちょっと寝かせて欲しいなと思うんだけどさ。」
「いつもならそうしてるんだけど、今日は駄目でしょ?」と美里は答えた。
(今日は駄目?何だったっけ?)と僕は考えてしまった。
「12時にみんな学校に行くんだから、起きてないといけないでしょ?」
美里はさらに僕に付け加えて言った。
(12時に学校に行く?呼び出し食らってたっけ?)
僕はやっぱりわからなかった。
朝ご飯を食べてから学校の行くまでの間僕はゆっくりとしていた。
ルナは美里に呼ばれて髪をとかしていたり、ポニーテールにされていたり、
ツインテールにされていたり、と髪をいじくられていた。
有香が急に僕のところに来て言った。
「美里ってテストが終わって急におかしくなっちゃったんじゃねえか?」
「どうだろう。普段どおりの美里だけど今日は確かに様子が変だね。」
「やっぱり病院に連れて行ったほうが・・・。」と有香が言ったときに、
「はい!次は有香ちゃんの番だよ!」と言って有香は美里に連れて行かれた。
そして髪をとかされて、
「有香ちゃんって本当に綺麗な黒髪だね。」と言われ、
ポニーテールとかツインテールとかにされていた。
「じゃーん!由真どう?」と言って僕の目の前にルナが現れた。
赤茶色の綺麗な髪がうまく結われていて凄く可愛かった。
「凄く可愛いよ。ルナ。」と言ったらルナは大喜びしていた。
「ありがとう!由真!」と言って僕に抱きついた。
「こら!そこの2人!好き好きオーラ出しまくって抱きついていないこと!」
美里と有香に怒られてしまった・・・。
(っていうか好き好きオーラってなんだよ!)
時間になったので、僕達4人は学校に向かった。
「今日って休日なのに、学校って空いてるの?」ルナがそう言った。
「今日は百合先生が学校に許可もらって、学校を開けてくれたみたい。」
「百合姉さんが?」(ちっ!余計なことを・・・。)
「わたしたちさ。本当にいろいろとあったね。」有香が思い出しながら言った。
「私も両親のことがあったけど、今は本当に幸せな気分だよ。」
美里が思いだして言った。
「私も由真と出会わなかったら、こんな幸せ来なかったように思う。」
ルナが思い出していた。
僕はルナとの出会いから、有香のことや、美里のことを思い出していた。
「僕達ってさ。本当にいろいろとあったけど、いろいろな出会い方をしたけど、
結局は一緒に暮らしている今の楽しい思い出のほうが多く感じる。」
僕が言った。
そう言って3人のほうを見るとみんな僕のほうを見ていた。
「由真君。本当に私を助けてくれてありがとう。」美里が言った。
「由真、凄く感謝してるよ。本当にありがとう。」有香が答えた。
「由真お兄ちゃん、いろいろとごめんね。一緒に居てくれてありがとう。」
ルナと僕は本当の意味で繋がっている。
でも、有香も美里もしっかりと絆で結ばれているんだ。と心から感じていた。
学校では違う入り口が作られていた。
「あれ?あの入り口って何処に通じるんだったっけ?」有香が聞くと、
「えへへ、内緒の入り口。」美里が答えた。
あの場所って位置的に言ったら・・・。
僕達はその入り口から入って言った。
警備員が居て「所属と名前は?」と言われた。
僕達は「1年D組 皆藤百合先生のクラスです。」と言って学生証を見せた。
通過許可をもらい、学校に入ることが出来た。
「ここって食堂?」ルナが言った。
クラスの全員がそこに居てお菓子やジュース、そしてたくさんの食べ物が、
テーブルの上に所狭しと並べられていた。
「せーの、『村山瑠奈さん、村山有香さん 編入おめでとう!』
サプライーズ!!!」
と言ってクラスの全員がクラッカーをパーン!とルナと有香に贈った。
何が起きたのかわからずに、ルナと有香がぼーぜんとして立っていた。
「そうだった!休みの日にルナと有香の
サプライズパーティーやるって言ってたっけ!」
「『どうせ、由真のやつは忘れてるだろうから。』そう言われて、
私のとこに直接、百合先生から連絡があったの。」
「美里ありがとう。思いっきり忘れていました。」僕は正直に言った。
「だと思った。」と美里は笑いながらそう言った。
「それと『村山美里さん』村山の家に行くことができて本当におめでとう!」
クラッカーが美里に対してパーンとクラスからお祝いされていた。
「聞いたよ、美里さんのこと。凄く大変だったんだね・・・。」
美里ファンが押し寄せてきた。
僕はルナと有香のところに行って「編入学おめでとう。」と言った。
「えっと、まだよくわかってないんだけど・・・。」
有香が言うと「うん」とルナがうなずいた。
「編入学をして入ってきたけど、
ルナのこととか有香のこととかよく知らないから、
歓迎会を開きたいってクラスから提案があったんだよ。」
「歓迎会、、、
あぁ!お菓子とかジュースとか言ってたっけ!」有香が思い出していた。
ルナや有香の周りに人が集まってきたので僕はその場から離れた。
なにやら質問コーナーが出来上がっていた。
(僕は結局、やることは無いな。)
百合先生が僕のところに来た。
「どうした。由真。」
「今日の主役達をここから見てたんですよ。」
「でも本当だったら由真も主役だと思うんだけどね。」百合先生が言った。
「どういうことですか?」
「お前は、有香を助けた。そして美里を助けた。
今のあの2人があの笑顔になっているのは
由真、お前のおかげだと思うんだけどな。」
「でも一番辛くて苦しかったのは有香や美里ですよ。
あの笑顔はあの2人が頑張ったからだと思います。」
「由真らしくていいな。」百合姉さんはそう答えた。
「瑠奈もあんなに喜んでいるな。」百合がルナを見ていた。
「ルナは本当に元気で明るい子ですから。」
「私のところにお前宛ての手紙が来てた、読んで見ろ。」
百合姉さんが僕に封筒を渡してくれた。
僕の両親からだった。
そこにはルナのことが記されてあった。
どういう経緯でその子が戸籍に入っているのかはわからない。
由真のことなら絶対に何かの理由があるのだとおもう。
しっかりして明るくて元気な子だと百合姉さんから聞いている。
そして瑠奈を村山家の正式な娘と認めると書かれていた。
「百合姉さん、これって・・・。」
「読んでのとおりだ。
村山瑠奈は親もちゃんと認めた正式なお前の妹になった。」
「親に話していたんだね。瑠奈のこと。」
「当たり前だろ、急にこの世に存在しない子がお前の戸籍に入ったんだぞ。
調べても調べても瑠奈の素性がわからない。心配になるのは当然だろう。」
「でも百合姉さんは他の人には言わなかった。ありがとう。」
「これでも一応はお前の保護者だからな。」
そういって百合姉さんはテーブルのほうに行った。
「さて皆様 お集まりください! 乾杯をしたいと思います!」
そうしてクラスみんなが集まり、そして輪を作り始めた。
僕がクラスの人に引っ張られて輪の真ん中に連れて行かれた。
そして瑠奈、有香、美里も同じように輪の真ん中に連れて行かれた。
僕ら4人がみんなから見られる格好になった。
「みんなコップを持ちましたか! それでは行きますよ!」
せいの!『村山兄妹の誕生おめでとう!』
僕達は顔を合わせて笑いあった。
「村山兄妹の誕生おめでとうってなんだよ。」
でも僕達は本当に嬉しかった。
クラスみんなで僕達4人兄妹を本気で祝ってくれて本当に嬉しかった。
「ルナ、有香、美里 これからも一緒に幸せになろうな!」
僕達は乾杯をして楽しんだ。
お昼ころと言うこともあって、みんなが食事をし始めた。
僕達も食事をして腰掛けようと思った。
ちょうどテーブルが空いていたので
僕達はそれぞれの欲しい食べ物をお皿に入れて持って行った。
「有香さん、何処の学校から来たのとか、
向こうの学校ってどんな感じとか凄い聞かれたよ。」
「私も聞かれちゃった、
赤茶の髪の毛って凄く綺麗だけどそれって地毛?とか。」
「私は村山君と一緒に暮らしはじめて、
今はどういう生活なんですか?って聞かれちゃった。」
「それってなんか結婚生活を始めてどうですか的な質問じゃん。」
ってみんな笑いあった。
音楽が流れていて凄く楽しい場所がそこにあった。
いきなりカラオケ大会とか始めて凄く楽しい。
時間も2時、3時と時間も過ぎたころ。
「さて楽しい時間ももう終わりのときを迎えることとなりました。
村山兄妹は中心に来てください。」
と言われて僕達は言われたとおりにみんなの中心に行った。
「では一人づつなにかコメントをお願いします。」
と言われ、有香にマイクが渡された。
「えっと・・・。
今日はこのような歓迎会を開いてくださって本当にありがとうございます。
この学校に来て、まず思ったことは
とてもガチガチの学校のように思いました。
でもクラスのみんなとこうやってお話して
凄く優しくて本当に楽しいクラスだと思いました。
私は昔、いじめにあって荒んだ時期もありました。
でもこのクラスに来て本当によかったです、ありがとう。」
そう言って有香が涙を浮かべた。そしてルナにマイクが渡された。
「私は、由真に最初に会ってそして本当に私も助けてもらいました。
右も左もわからないこの場所に来て助けてくれたのです。
そして百合先生と出会いこの学校に編入しました。
それでみんなと出会って本当に嬉しいです。
本当にありがとうございました。」
ルナはいろいろなことを思い出しているようだった。
「私は編入学生じゃないんだけどいいの?
えっと皆さんの知っているように私の家は家庭環境が悪くて、
わたしに対する家族の環境は最悪でした。
でも百合先生、由真君が私を救ってくださいました。
そして私に本当の家庭を作ってくれました。本当の居場所をくれました。
今は由真君、瑠奈ちゃん、有香ちゃんと暮らせることが出来て
本当に幸せです。
クラスの皆さんも祝ってくれて本当にありがとうございます。」
美里は泣いてしまった。家族のことを思い出したのかもしれない。
「えっと僕は何を言ったらいいのかな・・・。
僕は1人暮らしをしてて実は学校も辛いと思ってた。
でもルナに最初に出会って凄く楽しい生活になって、
僕は変わっていったと思う。
それで有香に出会ってすごく懐かしい気持ちになって、
でも有香の過去にあった心の傷を癒さないといけないと必死だった。
そして美里の家庭のことがあって、
絶対に助けなくちゃいけないと本気で思った。
ルナ、有香、美里が僕の家族になって今は凄く嬉しいと思っているし、
今の4人の生活が本当に楽しくて夢のようです。
本当に幸せなんだと心からそう思います。
今日、ルナや有香の歓迎会を開いてくれて本当にありがとうございます。
そして美里のことも祝ってくれて本当にありがとうございます。」
クラスの人たちが心から祝ってくれてとても大きな拍手をしてくれた。
僕達は本当に幸せ一杯の気持ちになった。
「もう一つ今日、この会を開くのに学校と交渉して
いろいろな許可を頂きました、
この村山兄妹の保護者でもある、
百合先生にお話を聞かせてもらいたいと思います。」
百合先生が私たちのところに来た。
美里や有香やルナに、
「本当にありがとうございます。」と言われながら僕のところに来た。
「由真、本当にいろいろと頑張ったな。」百合姉さんが僕に言った。
「百合姉さんがいなかったら今の僕達は無かったよ。」と僕は言った。
マイクを百合姉さんに渡した。
「さてもう終わりの時間だから短く言う。
まずこいつらの保護者として、
本当にこの歓迎会を開いてくれて本当にありがとう。」
拍手が起こった。百合姉さんが拍手が収まるまで待った。
「もう一つ実は祝うことがある。
この4人は今回のテストで一年生の1位から4位を独占した。
これはD組にとっても最高の名誉あることだと思う。
そして私も担任としても凄く嬉しい。」
「すごい!」「やったぁ!」という声と共にとても大きな拍手が起きた。
拍手が鳴り止む前に百合先生が話した。
「そこで!この村山由真、村山瑠奈、村山有香、村山美里、
この4名は特進科に行くことが決まった。」
(なに?特進科?)僕達は何を言っているのかわからずに顔を見合した。
「10月1日月曜日から、この4名は特進科に進学する。
といっても一号館の4階に行くだけだが。
これは学校命令だ。お前達は頑張って勉学に励むように。 以上」
百合姉さんはそのまま食堂から出て行ってしまった。
何が起きたのかわからないという雰囲気が漂ってしまっていた。
僕にもさっぱり意味がわからなかった。
僕達はそこでそのまま解散となり、全員、家に帰ることとなった。
『第二十三話;歓迎会』で第二部が終了します。
次は第三部がスタートします。お楽しみに。




