表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の終末は何処からともなく…  作者: エルスト・レイ
第一章 終わりの始まり
11/11

11話 ~本書~ 裏道に潜む危険と謎

君といつかした約束、守れなかったその約束。



~ダールドノース山脈、アールイカ~〔カイside〕


町に入るとそこはクリールドより多くの人が行きかう活気づいた町だった

山の中というより山の麓という事で観光客自体多いんだろうな

しばらく道なりに通りをすすむと広い広場に出た

何があるか知らないがたくさんの人が集まっているようだ

そう思っていると広場から人が声が聞こえてきた


???「あー、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます」


一体なんだ?

何か始まるのか

どうやら大道芸を行うようだ

ピエロの格好をした人が開演を告げた


大道芸人「それではこれより開演いたします」


昼間にでかい花火が上がる

それとともに広場では大道芸が始まった

少し気になる思いもあったが早くハルカを追わないとな

盛り上がる広場を背に俺は今日休む場所を探した


一つ目の宿屋をみつけて中に入って空き部屋があるかと聞くとどうやら満室のようだった

さっきの大道芸見に来てる人達か?

はたまた大道芸している人達か…

宿屋はあってもそのすべてが満室とのことだった

町まで来て野宿か…

それなら夜通しあるいて次の町で休むのもありか?

考え事をしながら歩いているとあたりが暗くなってきた


カイ「あー、ここ、何処だ?」


なんというか日が落ちて暗くなっただけじゃなく大通りから外れて裏通りに入っていたようだ

町の規模からいってそこそこだが裏の世界はどうなってるんだろうな

この世界でも不良とかチンピラとか多いのか?

というか現在地すらわからないな

どうするかな…


???「キャー」


カイ「なんだ?」


俺は悲鳴が上がったほうへ走りだした

そこで見たものは筋肉質のいかにも傭兵です的な男がひ弱な女のひとに絡んでいるようだった


女の人「や、やめてください」


傭兵風の男「あ?払うもん払ってもらわないとこっちも困るんだよなぁ」


つまり…借金取り?


借金取り「お前の子供、売ってやってもいいんだぞ?」


女の人「そ、それだけはやめてください!」


借金取り「そうだよな、子供助けるための薬買うために金、借りたのにその子供売ることになるなんて災難だよなぁ」


女の人「お、お金は用意しますから!どうか子供だけは」


借金取り「先週もそう言ってたよな…で、いくら用意できたんだ?利息分も用意できなかっただろ?」


女の人「そ、それは…」


借金取り「もう待ってられないんだよな…それとも、お前体売るか?」


女の人「…」


借金取り「そうか、ならついてこいよ」


そう言って借金取りは女の人を連れて奥の道へ行く

あーなんかもやもやするな…


男の子「お、お母さん?どこ…」


カイ「へ?」


こいつ…もしかしてさっきの人の子供か?

なんで物陰から出てくるんだ


カイ「どうしたんだ?」


男の子「怖い人の声がして、お母さんがここに隠れてろって…静かになって出てきたら…お母さん…どこ?」


やっぱりそういう事かよ…


男の子「お兄さん、お母さん知らない?」


今にも泣きそうな声で俺に訪ねてくる

どうしたらいいもんか…泣きだされても困るしな…


カイ「あー、俺が今助けてくる、心配すんな」


男の子「え?」


俺はついそう男の子に言っていた

困ってる人を見捨てるなんてそんなことできやしない

そんな自分にちょっと嫌気がさしたが…


カイ「くそ、急いでんのになんでこんな場面に出くわすかな」


俺はそう呟くように吐き捨てて借金取りと女の人の後を追った


そして二人が入って行った建物を確認して扉を開けようとしたが開かない

さすがに鍵かけるか…

あんまり目立ちたくないんだよな…

けど、時間も無いしな

俺は刀を抜いてそのままドアを斬り壊す

かろうじて音は…

ドアが倒れてあたりに音が響き渡る


男1「何の音だ!」


男2「侵入者だ!」


カイ「やば…」


ちょっとじゃないぐらい目立ちすぎたな

でもあの人がここにいるのは確かなんだよなぁ…どうするかな


男1「おい、そいつだ!捕まえるぞ」


男2「ああ、わかってる」


そう言って男二人はこっちに向かってきた

俺はそいつらに向かって建物の中に走る

壁を蹴って天井を蹴ってそいつらの頭上スレスレを飛び越えて後ろに着地


カイ「ふぅ」


ちょっと一息ついて振り返ることはしないでそのまま奥へ走った

所でここ広いな…やけに天井も高いし…

幅2メートル高さ2.5メートルぐらいの通路がずっと続いていた

外から見た限りそこまで大きい建物に見えなかったんだがな、どうなってるんだ


男1「おいてめぇ、止まりやがれ」


カイ「あ?」


俺はいい加減鬼ごっこを続けるのも疲れてきたので止まって後ろを振り返りざまにそいつの顔を一発殴る

それはみごとにヒットして一人はそのままノックダウン

もう一人は…っと

まだ追いついていないようだしこのまま進むか

今度は歩いて奥へ進む

しばらく進むとそこには大きな扉があった

手で押すと…

錆びた鉄がこすれるような音を立てながら扉は開く

その奥にあったのは…


カイ「どうなってるんだ…これ、教会?」


扉をあけて中に入るとそこには誰も居ない教会があった

不自然な点…あるとすればまず目についたのは血だらけの女神像

聖像なはず…だよな、なんだよこれ

俺は女神像に近づいて行った


カイ「なんだよこれ…」


祭壇の前には血だまり…その中心にはさっきまで生きていたであろう塊があった


カイ「人間…だよな」


???「そうだな、それは元々人間だったな」


後ろから男の声がする

俺は振り返った


ダイド「まぁ、警戒すんな。俺はダイド」


男はダイドと名乗った

俺はよくわからないが警戒は解かず腰に差している刀に手をそっと掛けた

いつでも抜けるように


カイ「・・・」


ダイド「所でお前どうやってここに…ああ、侵入者ってお前か」


ダイドは少し考え込むようなそぶりをする


ダイド「何が目的だ、それか?」


カイ「それってなんだよ」


ダイド「その女に惚れたか?もう死んでるけどな」


カイ「ふざけるなよ」


命をここまで軽視する屑みたいなやつもいるんだな

あの人には待ってる子供もいたのにな、所詮おせっかいだろうと関係ない

もうどうしようもないのか…


ダイド「今なら見逃してやる、今は殺り合う気分じゃない」


ダイドはそう言って腕を組んで壁に寄り掛かる

どうする…争う意味は無い…

ダイドは相当できる、ここまで隙ひとつ見せようって気すらない


カイ「殺気、出すぎだぞ。おっさん」


ダイド「おっさんかよ…でも…」


壁から離れてこちらを向く


ダイド「お前、面白いな」


そう言ってダイドは笑う


カイ「何がだよ」


ダイド「一戦やろうか、ガキ」


カイ「チッ」


俺は舌打ちをした後刀を抜きそのままダイドに斬りかかる

刀を振り下ろした先に…ダイドはいなかった


カイ「な…」


俺は本能のままに横に回避する


ダイド「ほー良くかわしたな」


俺が居た場所には5本のナイフが突き刺さっていた

あの一瞬に移動して5本的確に投げつけるのかよ…

しかもまだ手加減してやがるし

どうする…勝ち目はあるのか


ダイドはコートの中からナイフを取り出す


ダイド「こいよ」


俺はダイドに向かって斬りかかる

ダイドはナイフで刀を払う


カイ「そんなこと、できんのかよ」


ダイド「お前、早いな」


カイ「それについてくるお前…何もんだよ」


ダイド「俺に一発でも当てれたら教えてやるよ」


近くの椅子を斬って細かくするそしてその破片をダイドに向けて飛ばす

さすがに範囲攻撃なら…

ダイドは着弾点にはすでに居ない


カイ「くそ、何処だ!?」


ダイド「チェックメイト」


カイ「う、ウソだろ…」


油断してたわけでもない

確かに殺そうって気は薄かったかも知れない

でも確かに俺は…本気だった


カイ「負けた…」


俺は刀を手から離す

そして後ろからナイフを突き付けたままダイドはこう言った


ダイド「まだ、死ぬのにはもったいないな」


カイ「は…」


そして俺は意識を失った


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ