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今日も生きてて、わりとごきげん  作者: このはな
ごきげん通帳、発見される
5/8


「ああ、これ? ごきげん通帳」


 わたしは隼人にノートの表紙を向けた。


「おばあちゃん、このノートにその日にあった、ちょっとしたいいことを書いて、ごきげんを貯めていたみたいなんだ。だから読んでたとこ」


「へえー、そんなにたくさん貯めてたん? 貯金上手だな。おれなんて、残高マイナスだよ。金も、ごきげんも」


 隼人は笑いながら、抱えていた新聞紙の包みを差しだす。


「ネギ、持ってきた」


 デジャブだ。思わず「ぶはっ」と吹きだした。


「それ、通帳にも書いてあったよ。隼人くんからネギをもらってごきげん、って」


「え、マジ? そりゃ、光栄だな。んじゃ、今日のは、お供えネギってことで」


「そうだね、お供えしとく。おばあちゃんもよろこぶよ」


 縁側の前に置いてあったつっかけを履こうとしたら、


「いい、そっち持ってく」


 隼人は門にまわって庭を横切りやってきた。


「ありがとう」


 差しだされたネギを受けとり、お礼を言う。土とネギのツーンとした匂い。ちょっと目にしみた。


「新鮮だね、おいしそう!」


「大きめに切って、ホットプレートでこんがり焼くとうまいぞ」


 隼人がニッと笑う。


「わかった、やってみる。あ、そうだ。お線香! あげたって」


「おう、おじゃまします」


 わたしと隼人はいっしょにお仏壇に向かって、手をあわせた。



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