小話 白ちゃん黒ちゃん
「ただいま~……」
ーーおかえりルチィ! デートは楽しめた? シェラの奴に何かされてない?
部屋に帰ってもまだ頭がふわふわして、何だか夢の中にいるみたい。
白ちゃんの質問にちゃんと返事が出来ない。
ーーんっ!? あれ? ルチィ。
ーー本当だ! 魔力が!
あれ? 急に二匹の様子が。いきなり私にくっ付いて来た。何⁉︎
ーールチィ! シェラと番の契りを交わしたんだな!
「えっ! 何で分かるの? 何もまだ話してないのに!」
ーー俺達は、ルチィの魔力がご飯だからな! 魔力の感じが前と変わってるんだよ。
ーーそうそう! 前にも増して魔力が濃く強くなってる。コレは完全にシェラの強い魔力の影響だな! 良い感じで融合してる。
魔力が融合?
ーールチィが嬉しいと魔力も美味しくなるんだよ! 今日の魔力は格別美味しい。デート楽しめたんだね!
魔力でそんな事分かるなんて、何か恥ずかしい。。
「あっ! そうそう。コレはお土産。大人気店のスイーツだよ。すっごく美味しかったから! 食べてみて!」
お店からいきなり消えたはずなのに、お土産がちゃんとあった。
何とホワイトムーンのオーナーさんが届けてくれたらしい。ありがとうございます。
ーーこれは!? 美味しー! サクサクした中にトロッとした。甘酸っぱいソース。
ーーコレも! ふわふわで美味い!
余りにも美味しそうに食べるから。食べたくなってきちゃった。
「えっ! 私も食べたい。ちょっと頂戴!」
白いふわふわしたケーキをつまみ口に入れる。
モグッ
「おいしっ♪」
ーーあっ! ルチィそれは僕まだ食べてないから!
ーーコレは全部俺の!
食いしんぼうな聖獣達め。




