獣王国の異変
『ルチィ、コレは中々絶品だな』
モグモグ……。
ゴクンッ
「美味しー!!」
『そうであろ、美味よの』
いつもの朝。でも今日はザワザワと執事さん達が走り回っている。
「お食事の邪魔をして大変申し訳ございません。少しだけお話し宜しいでしょうか?」
執事のアルさんがただならぬ雰囲気でシェラ様に話しかける。
何? 何かあった?
どーしたの?
『今は嫌じゃ。ルチィとの大切な時間を邪魔するでない』
!!!
ちょっ?シェラ様!
それは聞こう!
執事のアルさんがしょんぼりと肩を落として、去って行こうとするので思わず引き留める。
「アルさんちょっと待って? 話して下さい! 私が凄く気になるので!」
「番様……」
『ふぅむ? ルチィが気になるのか。なら早く話せい! ルチィを待たせるでない』
「・・・・・」
あー……アルさんの顔が。
このバカ竜王様って目で呆れてる。
すみません。私の所為です。
もちろんシェラ様は、そんな空気に気付く事なく、早く話せと急かす。
「獣王国から魔法鳥で連絡があり。獣王様が重傷との事。竜王様に直接会って話したい重要な話があるので、獣王国に至急来て欲しいと書いてありました」
ーー重傷?!
何があっても怪我なんてしなさそうな獣王様が重傷?
「シェラ様! 獣王国に行ってあげて! 獣王様が心配だし……」
『む? ルチィが獣王の事が心配?』
あれ?
シェラ様の顔がドンドン不機嫌になっていく。
『行かぬ! ルチィが心配するのは我だけでいい』
すねたように、プイッ!っと顔を横にそむける。
ーーええとね?
シェラ様、一国の竜王様がプイッはダメです。
私は嬉しいけど、周りの人達が完全に引いてます。流石に空気読めます。
「違うよ。もちろん一番はシェラ様だよ! シェラ様のお友達が重傷だから心配なんだよ? わかる?」
『ふうむ? そうか。ではルチィも一緒に獣王国に行こう。よし分かった。食事が終わったら直ぐに行くか』
あの? シェラ様? 私、一緒に行くとか一言も言ってないけど……。
でも、まぁ久しぶりにミミィさんにも会いたいし。まっいっか。
『ルチィ? アーン』
もぐ。
バァン!!っと勢い良く扉が開く。
白ちゃん黒ちゃんが慌てて広間に来た。
ーールチィ、獣王が怪我したって?
ーー此処の所、妖精達が騒いでいた。変な様子だった。コレはもしかして……?
白ちゃん黒ちゃんも何かに気づいてる? 一体何が起こってるの?
もぐ……。
『ルチィ? どうしたのだ?』
不安になり、何も飲み込めなくなってきたのを、シェラ様が心配して私の顔を覗き込む。
分からない。
だけどもの凄く不安でドキドキが治まらない。早く獣人国に行って、この嫌な不安を取り除きたい。




