表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/32

11話 聖女、無くしたカバンを探す

「さあ、アルナ様。

 宮廷医師の診察です。

 リラックスしてお受けくださいね」

 付き添ってくれていたビアが心配そうに言った。


 私は宮廷医師の診察を受け、様々な診察、触診だけではなく、水晶をかざして魔力の流れなども診てもらった。

 診察結果は問題なし。

 少し疲れているだけ、という事だった。

 ほっ……。


 そして私は思い出したことをビアに伝える。

「ねえ、ビア。私が無くした鞄の事なんだけど、みつかった?」

「そうでした。神殿の入り口近く……祈りの間で無くされたという鞄ですよね。

 それが、あの日居合わせた神官や巫女に確認したのですが、誰も知らないようでした。

 もう少し探してみますね。

 そんなに大事な物が入っていたのでしょうか?」

 ビアは可愛らしく小首を傾げた。


 私がアカデミーで手にした本。

 前の人生では読む事が出来なかったゲーム『くちづけの聖女は3人の王子に愛された今日も眠れない』のノベライズ版。

 夢の中の処女神リーンいわく、『世界を平和に導くトゥルーエンドのヒントが示されている本』……なんて言えないよね。

 あれを読めば今後の物語の展開がわかるはず。

 私は体験版の後の展開……つまり、この後の展開をなにも知らないんだから。

 絶対読んで知っておきたい!

 この後どんどんキース王子を好きになっていってしまったら……正直キスを避け続ける自信がありません。

 

 キス展開を回避する方法がわかるかもしれないし、聖女の努めについて色々わかるかもしれない。

 この後、アステリア国に何か起こることがあれば、対処方法もわかるだろうし……。

 

「とにかく、大事なものなの。引き続き探してもらっていい?」

「わかりました。兵士たちやメイドたちにも通達いたします」

 ビアは快く引き受けてくれた。

 うう、ありがとうビア!

「少しお休みください。そういえば、今日は昼食がまだでしたね。

 遅い昼ごはんとなりますが、用意させてまいります」


 ◇◇◇◇◇


 用意されたお昼ごはんを見ると、疲労感より空腹感が勝った。


 お腹がぐうぐうなりはじめ、私はベッドから飛び起きてテーブルについた。

 レタスと海藻に東洋風のソースを和えたサラダ、香草ソース添えの鮭の塩竈焼き、豚肉とじゃがいものバジル炒め。ふわふわのパンが数種類。

 そして赤ワインと白ワインが両方。

 そして新鮮な牛乳、ミックスフルーツジュース、レモンとミントの浮いたお水。

 

 テーブルにずらりと並べられた料理を、給仕担当のメイドが丁寧に皿に取り分けてくれる。

 どれもすごく美味しい。

 幸せ……。

 

 丁寧に調理された料理。

 作ってくれた人も、聖女としての私にすごく期待してくれているんだろうな。

 この宮殿での生活、まだまだいろんな事が起きそうだけど、頑張らなくちゃ。

 聖女としてアステリアを守って、キース王子のことも……魔力供給で守っていかなくちゃ!

 

 ご飯のあと、襲ってきた強い眠気で私は眠り込んでしまった。

 食後すぐ眠るのは良くないけど……午前に魔力供給をしたし、疲れていたみたい。

 気を失うように眠ってしまった。


 そして、翌朝まで眠り続けた。


 翌朝、キース王子からのプレゼントに死ぬほど驚くとはつゆ知らず。

 

 (続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ