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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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333/406

【第133話】 お兄ちゃんは飛んでくる   

こんにちは。

号外です。

前話、いいね、ありがとうございます。

「で、俺を呼び出したのは?ここ女子寮だろ?いいのか?」


 目の前にはケインお兄ちゃん。

 脚、長いんだよねぇ、このお兄ちゃん。


「これ、食べてみて」


 女子会から数日後、私は北のゴブリン、フーララさんを通して、ケインお兄ちゃんを呼び出したのだ。


「甘いな。このコロコロした丸いのは気に入った」


「こっちの綿菓子は?」


「俺には甘すぎる。ミンは好きそうだな」


「これ沢山作って、商売しようと思うの」


「ほう、だがこれは砂糖を大量に使っていないか?砂糖は高価だ、どうする?」


「そこで相談なの、獣人族の現役引退者って何をしているの?」


「引退?ああ氷獣狩りの引退か、家屋の修理や、食料確保、雪かきか?」


「砂糖、作らない?農業なんだけど」


「ほう、面白そうだな?」


「農業の街があるのよ。魔獣が出没したりして、農作業、結構危険なんだって。そんな中でのお仕事大変らしくて……ここで獣人族、活躍できない?」


 どうだろう?この計画。


「……続けろ」


「ここで働いて、ボディーガード、警備も担当する。街との繋がりが出来るわ。獣人族は、人族やエルフ族より遙かに頑丈で、自然界に近い存在。王都や、周辺の街の人達と交流ができる。そして信頼関係を作り上げる、どう?」


「傭兵の派遣と同じか?街に労働力として派遣する、と?」


「そう!どうかしら?」


「で、砂糖やこの菓子の材料を作って、加工品として売ると?」


 ケインお兄ちゃん!?鋭い!何処かで勉強しているな!


「価格は大丈夫なのか?コストを考えないと失敗する。レシピが広まり、原材料が安くなりすぎて利益が出ないとか、逆に原価が高くなりすぎるとか。農作物はどんなに魔法でフォローしても気候に影響される、色々考えてみたのか?」


 私がビックリしていると、ニヤリ、と笑った。


「見直したか?飛び回っている先々で、勉強しているのさ」


 どんな勉強!?

 ん?イオリちゃん?


「ケインさま、お話は色々と伺っておりますが?」


 ぎくうううううっ、とした表情で固まるケインお兄ちゃん。


「明季さまに、ご迷惑が掛かるようでしたら、報告致します」


「分かったよ、イオリちゃん、控えるよ」


 なんだ?何のお話だ?


(イオリちゃん!その話は、ここまでにしてくれ!お願いっ!妹の前だ、俺、こいつに嫌われたくないんだよ!)


(でしたら、お控えください!噂が酷すぎます!)


 噂?


(行く先々の街で女の子をナンパして、トラブルばかり!修羅場のケインとは何事です!なんですか!この二つ名は!ここにも逃げてきたのではないでしょうね!?)


 ち、ちょっと!?お、お兄ちゃん!?


 修羅場?女の子に、酷いことしていないでしょうね!?


「……ケインお兄ちゃん、どうかしたのぉ?汗?」


 ギロッ!自然と目に力が入る私……。


「ん?な、なんだ?もう時期、新月だからなぁ。汗、多いのかなぁ?あ、そう言えば明季、近々ダンジョン潜るんだって?」


 あ、話題を変えようとしている!だ、騙されないんだから!


「一つ教えてやるよ!足の裏に意識を向けると、周囲索敵、空気の流れを感じることができるぞ」


「え!?」


「獣人族特有の能力だ。エルフやオークも少しは使うが、まあ俺達ほどではない。試しに使ってみな」


「う、うん!ありがとう!ケインお兄ちゃん!」


(ケイン様、明季さまの素直な笑顔、眩しくありませんか?)


(うっ!な、なんだよ?イオリちゃん!そういじめるなよ!)


 ん?また、含みのある念話を交しているぞ?

 私には聞かせたくない話題かなぁ?


「派遣の件、季羅お父さんやランお母さんに話しておくよ」


 ギロッ!おっと、忘れるところだった!ケインお兄ちゃん、変なところ寄り道しちゃイヤだよ。


「寄り道しないで、ちゃんと伝えてね?」


「お、おう!任せておけ!アッキー!」


 そろり、とケインお兄ちゃんに近づく私。


「なんだ?明季?」


「フンフンッ……あれ?香水の匂いしない?」


「!!!!!!!ええええっとおぉ、しないぞぉ?」


「じゃケインお兄ちゃん、ポシェット商会って知っているよね?魔石専門の商人さん!」


「……さあ?」


「え?知らないの?」


 うそだ!知っているはず!それどころか、当事者でしょう!?


「……じゃまた来るから!」


「あっ、ちょっと1ケインお兄ちゃん!?」


 ケインお兄ちゃんは、慌てて犬鷲に変態し、窓から飛び立った。


 慌てている割には、しっかり服、摑んで飛んでいったなぁ。


「アッキー、人が悪いですよ。香水の匂いなんてしませんでしたよ。もしかして聞こえていましたか?」


「聞こえた。ケインお兄ちゃん、女の子に酷いことしているのかな?」


 ……さすがに直接は聞けない。


 直接聞いたがいいのかも知れないけど、まあそれは季羅お父さんや、ランお母さんに任せるとしよう。


「ケインさまの名誉のために言いますが、不誠実な方ではありませんよ、困っている方(主に女性)に必要以上に親切にされるそうで。それが元でトラブルに巻き込まれるとか」


 ……困っている方って、絶対女性だ。


 それに、最初はナンパって言っていた!


 まあ、いいけど。いや、よくない。


 私としては、ケインお兄ちゃんには誠実であってほしい。


 うーんケインお兄ちゃんの性格的に、誠実は駄目なのかな?

 ハーレムタイプのお兄ちゃんなのだろうか?


 もとゴブリン男子の私としては、少しだけ分かる。


 女の子の胸元とか、腰とか、髪とか、唇、ちょっとした動きに目が向うのだ。


 男子全員がそうではないと思うけど、ゴブリンの時は、そうだった。

 気になる女の子ゴブリンがいただけで、意識が向いてしまうのだ。


 私は、そこで止まったけど、ケインお兄ちゃんは、行動するタイプなのね。


 ……はい、私はスケベーなゴブリン男子でした。


 でもニトお父さんは、リュートお母さん、一筋だった。


 とても大切に想っていたなぁ。

 あ、多分、今でもそうだろうなぁ。


 コンコン、ドアが鳴る。


「あ、護武鈴好!イオリちゃん皆来たよ!」


「はい、用意はできていますよ!」


 私は嬉々としてドアに向った。


次回投稿は 本日 2023/05/24 22時の予定です。

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