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The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

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327/406

【第127話】 千客万来?   

今晩は。

投稿です。

 室内の4人が、一斉にドアを見る。


 誰だろう?


 私は足音で、イオリちゃんは魔力感知で捉えた。

 ハピ子は?


 捉えているのだが、手段が分からない!


 魔力感知のような気もするけど?


 コンコン、と音が響く。


 早速対応するイオリちゃん。


「どちらさまでしょうか?」


「知っているでしょう?分かっているでしょう?イオリ先輩!あなたの可愛い後輩のホッシーです」


 チラリと私を見るイオリちゃん。

 重そうなドアが開くと、ホッシーとリュートお母さんが立っていた。


「あれ?お客様?……げ、ソレル姫!?なんでここに!?」


「げ、とはなんじゃ、歌姫?今朝は世話になったのう?あん?」


 袖をちょんちょんと可愛く引くリュートお母さん。


(ちょっとホッシー、あなた何したの!?)


(ご、ごめんなさいママ・リュー!ちょっと調子こいて、その、あの、ジェイが一緒だったから……つい……)


「どうした、歌姫?明季に宣戦布告にきたぞ?警告とか言っていたな?」


「うっ……」


 ホッシー先輩、旗色悪し。


「ハピ子、その辺にしといてよ、ホッシー先輩とんでもなくイヤな汗だよ」


「ふん、みたいだのぉ、おほほほほっ、おおいに愉快じゃ!歌を一曲所望する、それでナシとす。どうだ?歌姫?」


「……はい」


 あ、ホッシー先輩、私をチラ見した!


 歌わせる気!?


 いいわよ、歌うわよ。


「じゃハピ子、デュオでいい?」


「ん?よいぞ!入学試験のあの声、また聞けるとは望外である!」


「じゃホッシー先輩、デュオ、闘神の歌でいい?ん?ホッシー先輩?」


(こ、後輩のアッキーが、不甲斐ない先輩の私を庇い、一緒に歌を歌う!?あああああっん、そあっっいこううううっ!)


「キ、キン子、こいつヤバくないか?なんか変な波動、だしているぞ?」


「……いつものことよ」


 そしてそれから歌った歌は、大いにハピ子を満足させた。


 じっと聞いていたハピ子。

 笑って聞いているかと思いきや、真剣なお顔。


「今の曲、もう一度いいか?」


 お、アンコール?でも同じ曲?


 ん、なんだ?違和感がある。


 ……曲?普通歌って言うよね?


「同じ曲でいいの?」


「同じ曲がいい、アイナン!」


「はい」


 アイナンさん、強力な魔法使った?


 パッ、と瞬時に何かがアイナンさんの両手に現れた。


 楽器!?


 それはどう見てもギター!?


「え?ギター!?」


「ん?ギターを知っているのか?だがこれはバンジョーだ、歌え!我が合わせてやる!」


 恐ろしいほどの指の爪が浮き上がり、ぐっと後ろに下がる。

 すると可愛い指が現れた。


 その可愛い指が弦を押さえ、弦を弾く。


 バンジョーの音を聞いた瞬間、ホッシー先輩の目の色が変った。


 身長も伸びたのでは、と思うほど歌声と貫禄が増した。


 大きく見えるのだ。


 私とホッシー先輩の声、ハピ子のバンジョー、奏でられた音の流れは周囲を巻き込み、その魔力の渦は聞く者を癒やし、励ました。


 活力が湧き上がり、気力が満ちる。


 ああ、歌の力だ!


 演奏が終わると、みんなニコニコであった。


 そしてイオリちゃんとアイナンさん、リュートお母さんの拍手。


「よい、セッションであった。キン子、お主の魔力は音楽と相性がいい」


「え?そ、そう?」


 あ、亜紀が喜んでいる!これは私も嬉しいかも!


「キン子、お前は戦いよりも歌うことの方が向いておる。時代が許すなら、この3人で歌を歌い、街々を旅して回ってみたいものだ。その時は付き合え星影」


「!」


 そこまでハピ子が、私やホッシー先輩を評価するとは?


「ソレル姫、そのお言葉、とても嬉しく思います」


 深々と礼をするホッシー先輩。


 ピクッとイオリちゃんが動く。


 あ、私を見た?何?厄介ごと?


 私の魔力感知には何も反応しないけど?


 ドアが荒々しく開く。


 え?誰!?


「お前達!何をしておる!」


 寮長こと、校長先生の登場である。


 うるさかったのかな?


 お話を聞いてみる。


 何でも、女子寮どころか、男子寮まで演奏は聞こえ、聞いた者は一時的だが魔力の上限が上がったそうである。


 他にも、色々なステータスが一時的に上昇したとか。


 聞いた人達、テンション上がったのかな?


 トルクちゃん、うるさい!と、苦情に来たのかと思っちゃったよ。


 そして始まるお茶会。


「どうであった?学校初日は?」


「え?」


 知らないの?


 5組のバトル。


 私、集会ドーム壊しましたけど?


 まあ、校長先生だからって、学校のこと全部、知っているわけではないか。

 ……でも全責任はある?


 これは大変な役職じゃないか?


 まあ、この世界がどこまで私のいた世界と、同じ学校システムかは分からないけど。


「喧嘩はしていないであろうな?いいか皆仲良くじゃぞ!バトルは基本認めているが、最終的には手を握れ、お互いを認めろ、よいな!お互いを認めるためのバトルじゃ!」


 うう、痛いところです。


「ふふ、気分がよい、では我らはこれにて。校長先生、お話はまた後日。アイナン、部屋に戻るぞ」


 私はささっとハピ子に近寄り、耳打ちした。


「今度、こっちからお部屋に行っていい?」


 ハピ子のバンジョー、物寄せの魔法、色々聞きたい。


「いいぞ、我が暮らしぶり、披露してやる」


 アイナンさんは一礼をし、そっとドアを閉める。


 ん……あ、もしかして校長先生苦手か?


 イオリちゃんとリュートお母さんが何かお話ししている?


「これが出来上がりましたアッキーの制服です」


「ありがとうございます、早速明日からこれで登校しましょう」


 いや、登校するのは私だよ?


 そしてこれからトルクちゃんの演説が始まる。


 演説は二時間程続いた。

 これは知っていて逃げたな、ハピ子!


 そして賑やかな登校一日目がようやく終わった。


次回投稿は 2023/05/20 20時頃の予定です。

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