表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Lily 前世の記憶は邪魔である  作者: MAYAKO
三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

328/406

【第128話】 待っている彼女     

今日は。

号外です。

 校長先生とは、かなり孤独な職業なのか?


 ホッシー先輩やリュートお母さんが帰っても、トルクちゃんは暫く帰らなかった。


 私やイオリちゃんにお話があるのかな?


 学校のありかた、ン・ドント大陸を取り巻く世界情勢、西の大陸の食糧不足と竜騎士達との交渉、東の砦の分校、呪われた街サシキの魔力上昇、予見者が漠然とした驚異を感じ始めている等、色々お話ししてくれた。


 中でも騎士団の情報は凄かった。


 予見者の驚異を受け止め、現騎士団は全て解散、再編となったそうだ。


 これは未だ極秘で、時期を見て発表するそうだ。


「なぜそこまでのお話を知っているの?トルクちゃん?」


「構成員の名前が、極秘の組織がある、私はその一人だからだ」


「!」


 イオリちゃんがかなり驚く。


「……それは口にしてはいけないのでは?トルクさま」


「ここならよい、それにこの話、真偽、確かめようもあるまい?」


 王都の運営は『リリ』と言われる10人の各組織の代表で決めるそうだ。


 トルクちゃんもその一人。

 他は不明。


 勿論トルクちゃんは喋らない。


 このお話は危険ではないのか?

 大丈夫かな?

 表に出ないお話だよね?


「竜騎士との交渉は、私から話を持ちかけたのだ」


 これは、貴重な情報が聞けそうだが?

 どうする?こちらの情報も流れないか?


 竜騎士との交渉は先生や生徒の派遣だった。

 植物、主に農業に関する先生や生徒を派遣して欲しいとのこと。


 ……かなり危険じゃないか?それに学校、襲撃?しているよね、あの人達。


 どう判断するのだろう?


 それから、東の砦は思った以上に人材が集まり、分校ができるらしい。


 ……よいお話が色々聞けたが、長かった。


 正直に言うなら眠かった。


 そこで目の冷める話題を振った。


 西の塔についてだ。


 トルクちゃんはイオリちゃんを見た。


「復活させる気か?できるのか?」


 ……西の塔と聞いただけで、復活の話がでた。


 これは迂闊には話せないな、相手を見て聞かないと。

 まあ、トルクちゃんだから聞いたんだけど。


 裏目に出たかな?


 内容が内容だけに、警戒どころか話が漏れれば、騎士団に目を付けられる。


 最悪、ン・キングみたいに追放されるかも。


 情報を集めるのはとても難しい。


 メイドンについて調べれば調べるほど、私が調べている、と周りに教えているようなものだ。

 人に聞けば聞くほど、それだけ漏洩する、と思った方がいいかも。


 密かに調べるが、どれだけ難しいか痛感している。


 直接西の塔に乗り込んで、暴れても今後がある。


 獣人族や周囲の人達に迷惑が及ぶのは本意では無い。


 難しいなぁ。


 忍び込んで、メイドンを確認、メイドンが自ら起動した、という形にしたいのだが。


「止めておけ」


 一言トルクちゃんは言った


「できない」


 私は即答した。


「……辿り着いたところでメイさまが動くかどうか分からぬ。騎士団ともめると、獣人族との魔石交渉に支障がでないか?」


「大人の答えだ」


「大人じゃ。これは『リリ』や校長ではなく、友人としての忠告じゃ。復活してどうする?皆が喜ぶか?起動しなかったら、もめ事が残るだけじゃぞ」


「一目会いたい」


「……まるで会ったことがあるような物言いだな」


「メイドンのお腹には体内工場がある」


「なっ!」


「ここで壊れた部品を修理、生産して自分自身を修理する」


「ど、どこで得た知識じゃ!?初耳じゃ!イオリ、知っていたか!?」


「……いえ」


「もし、この体内工場が壊れていたら、と考えた。これならメイドンはいつまで経っても復活しない」


「アッキー……明季さま、メイ様を修理できるのですか?」


「修理できそうな人物を知っている」


 開発部長、ン・キング、ドロトン先輩。


 148機のスーパーゴーレムを作り上げた開発部長と王さま。

 技術力はあてにできると思うけど?


 まあサイザナン・シリーズは驚いたけど。


 試作品とは……ねぇ、かんべんしてよぉ!


「メイ様を修理?超古代の遺物、魔王に挑む兵器を修理!?できるわけがない!それこそ止めておけ!暴走したら誰が止める?静かに寝かしておけ、無理して起す必要はない。今まで通りでよいではないか、そっとしておけ!事を荒立てるな!」


 イヤだ。


「忍び込み、密かに状態を見たい。そのために情報を集めている」


「なぜそこまでメイ様に拘る」


 ダチだからだよ。


 私の大切な!


 そしてお兄ちゃんの!


 私がここにいる、理由だ!


「言えない、起動したら分かることだ。協力してとは言わないけど、知っていることは教えて欲しい」


「はははっ難しい質問じゃな、独り言を言えと?バイオリーナ・バウリス、このためのお前か?」


 イオリちゃんは答えない。


「西の塔はン・キングの後、構造そのものを変えた。内部は別物じゃ。施工したのは、守護している新騎士団じゃ」


「え?騎士団自ら?」


「機密保持のためじゃ、あいつらは手強いぞ。ン・キングの侵入を許した騎士団は裏で即解体され、新たに騎士団『静』が作られた。騎士団『静』は再編された騎士達で全騎士団員60名、周囲は騎士団『弐』と騎士団『五』が交代で警備している……バイオリーナ・バウリス、時々茶を飲みに来る、今日はここまでじゃ」


 これでイオリちゃんと二人になった。


 静かなイオリちゃん。


 私は聞いてみる。


「イオリちゃんは反対?」


「メイ様のことですか?」


「うん」


「好きになさいませ、金狼は自由の象徴では?」


「好き勝手にしたら、周りは迷惑だよ!」


「うふふっ、それでもアッキーは挑まれるのでしょう?」


 私は静かに頷いた。


「きっとメイ様は待っておられます。そんな気がします」


次回投稿は本日 2023/05/20 22時の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ