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「そう? なんか疲れてる感じがしたけど?」


「いや、それは上屋敷の気のせいだって、気にするな」


 俺って、そんなに顔に出やすいタイプだったのか?

 何も知らない上屋敷にまでそんな心配をされるなんて……。


「あ、もしかして隣の高石さんが可愛いから緊張してる?」


 前言撤回。

 こいつ、楽しんでるだけだ。

 

「あほか、ちげーよ」


「またまた~、高石さん綺麗だもんねぇ~」


「そんな事ないわ、上屋敷さんの方が可愛いわよ」


 そう言って来る上屋敷に高石はそう答える。

 高石にそんな事を言われた上屋敷は頬を赤くして照れていた。

 良いからもうどっか違う班に行ってくれよ……。


「えへへ~そうかなぁ~」


「気のせいだから安心しろ」


「だから何でそういう事言うの!!」


 ブーブー喚きながら上屋敷は自己紹介を終えて、俺の班を後にした。

 そうしたところで丁度昼食になり、俺たちは食堂に向かう事になった。


「はぁ~くたびれたなぁ~」


「あんなにやり切ってやってればな、それで女子とは仲良くなれたのか?」


「ふふふ……よくぞ聞いてくれた!」


「おぉ、マジか……」


 俺は強と早乙女と合流し、食堂に向かっていた。

 そんな道中、強は胸を張りながら俺にスマホの画面を見せてくる。


「見ろ! 女子と連絡先を交換した!」


「おぉ! あのエロゲーマーのお前が……すごいなぁ……俺はてっきり全く相手にされなくてふてくされて帰ってくるものだと思っていたが……」


「ふっふっふっふ! 俺が本気を出せばこんなものよ!」


「かなり強引だったけどね」


「あ、馬鹿早乙女! そういうことは言わなくていいんだよ!!」


 あ、なんだそう言う事か。

 しつこく連絡先を聞かれて、女子は仕方なく強にで連絡先を渡したのか。

 まぁ、そうだよな。

 そうでもしないと、強が女子の連絡先を手に入れるなんて無理なことだ。


「んで、そういう早乙女は?」


「私もばっちりよ! 隣のクラスの男子と連絡先を交換したわ!」


「向こうはかなり引いてたけどな」


「違うわよ! あれは美しい私に対するテレよ!!」


「へぇ……テレねぇ……」


 何となくその場面が想像できてしまうのはなぜだろうか?

 そんな事を考えていると、俺は背中をトントンと二回叩かれた。

 振り返って見てみると、そこには笑顔の高石が居た。

 俺は直感的に嫌な予感がした。


「えっと……どうした? 高石?」


「ちょっと良いかな? 木川君と少し話たいんだけど……木川君借りて行ってもいい?」


「え? 話? おい、木川! お前まさか……高石さんにまで!?」


 そう言いながら今にも飛び掛かってきそうな強。

 そんな強を押さえながら、早乙女が俺に言う。


「行ってきなさい、席取って待ってるから」


「お、おう……サンキュー」


「ありがとうね、早乙女君」


 俺と高石は早乙女にそういって、食堂の反対方向に向かって歩き始めた。





「んで、話ってなんだ?」


「いやだなぁ~、彼氏と話したいって思うのに理由なんて必要?」


「はぁ?」


 高石とやって来たのは、合宿上の裏側にある公園だった。

 食事の時間は休み時間と同じなので敷地内であれば、どこで何をしようと文句は言われない。

 しかし、今の時間は皆食堂に行っているので、公園には俺と高石の二人だけだった。

 

「それなら飯を食った後でも良いだろ?」


「ふふふ……そういう訳にも行かないよ……木川君、私の事は嫌い?」


「え?」


 いや、嫌いって言うか怖い……。

 なんてことは口が裂けても言えず……。


「いや、そんなことは無いけど……」


「じゃあ好き?」


「それもまだ知り合って一カ月も経ってないし……」


「……ふーんそっか……」


「なぁ、俺も質問して良いか?」


「何かしら?」


「高石はなんで俺の事を好きなんだ? 俺にはその理由がわからないんだが……」


「あぁ……覚えてないんだ……」


「え? 何を?」


「……一年生の時、木川君は私を助けてくれたんだよ?」


「え?」


 そんな大それたことしたっけ?

 なんか、強と早乙女とバカ騒ぎしてた印象しかないんだが……。


「高1の時……実は私ストーカーに悩まされてた時期があって……」


「え? そうなのか?」


 知らなかった。

 いや、だからってなんでストーカーされてた奴が、一年後にはストーカーになってんだよ……。

 

「でも、そんな時木川君が助けてくれたんだよ」


「え?」


 俺、そんなことした覚えないんだけど?

 そもそも、そんな大それたことをしたら、覚えてると思うんだが……。


「ちょ、ちょっと待て! 俺はそんな事をした覚えがないぞ? 誰かと間違えてるんじゃないか?」


「そんな事ないよ、私は今でも覚えてるよ。帰り道に電信柱の影からコソコソ私を付けてくるストーカーの首根っこを掴んで連れて行く、木川君の姿が……」


「は? そんな事………あ……」


 そういえば一年位前、強が他所のクラスに可愛い女子が居る、是非お近づきになりたい!!

 とか言って、機会をうかがっていたことがあったが……。

 まさかその事か?

 確かに、あの時のあいつは完全にストーカーだったから、最終的に俺が無理やりやめさせたが……。


「あの時の事、私は忘れないよ……何も言わずに助けてくれた木川君の事を……」


「ちなみになんだが……そのストーカーをよく見たのってどこ?」


「え? 二丁目の交差点近くだけど?」


 あ、完全にそれだ……。

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― 新着の感想 ―
[一言] ストーカーは、それを解決した人の友人でした...って、状況だけ見ればヤラセっぽいし、一年間見てたら「あ、ストーカーはあの人の友人だったんだ」と気づきそうなものだが、そこはどうでもよくなったの…
[一言] 強いいぃ!
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