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「えっと、じゃあ私から自己紹介しまーす! 私の名前は愛崎七菜香あいさき ななかです! 趣味は写真を撮ることで、得意なことは懸垂です!」


 気が付くと俺の班は俺以外が女子になってしまった。

 なんだか居づらい空気になってしまったが、さっきよりはマシか……。

 俺がそんな事を考えながら愛崎の自己紹介を聞いていると、愛崎は俺のを方に目を向けて話てきた。


「そういえば、この班は噂の二人が居る班よね!」


「噂の二人? それってもしかして……俺と八島のことか?」


「うん、昨日の事とかあるし、結構噂になってるわよ?」


「まぁ……何となくそんな気配はしていたが……」


 はぁ……クラスの奴らは俺が八島と付き合っていると思っているのか……。

 実際は高石と一応付き合っているんだが……。


「で、実際どうなの?」


「そんな訳ないだろ、ただの噂だ」


「えぇ~本当にぃ~」


 面倒くせぇなこいつ……まぁ、女子ってこういう話好きだもんな。

 俺がそんな事を思っていると、俺の隣に座っていた高石が俺の代わりに口を開いた。


「七菜香、なんか本当に違うみたいよ」


「え? そうなの?」


 なんで本人である俺の話を疑っておいて、高石の言葉は直ぐに信じるんだよ。

 てか、高石大丈夫だよな?

 別に変な事とか言わないよな?

 俺の心配とは裏腹に高石の対応は至って普通だった。


「うん、同じ班だけどそんな感じないし、多分本当にただの噂よ」


「えぇ~なんかがっかり……」


「勝手にがっかりしてんじゃねーよ」


 高石の説明もあり、愛崎の誤解は解けつつあった。

 こればっかりは高石に感謝しなくてはいけない。


「な~んだ、つまんな~い」


「うふふ、でも木川君……他の人と付き合ってるみたいよ」


「え?」


「えぇ!? それってホント!」


 高石の奴!

 まさかここで、俺と現状付き合っている事を公表するつもりじゃないだろうな!?

 俺がそんな事を考えながら焦っていると、高石は話を続ける。


「うん、でも誰かは知らないけど……」


「誰!?」


「言わねーよ」


「えぇ~面白そうなのに~」


「俺をネタに笑うな」


 本当に高石は何を考えているのだろうか……あんな事を言ったから焦ったが、別に俺と関係を公表するわけでもなかったし……。

 俺がそんな事を考えながら、高石の顔を見ると高石と目が合った。

 高石は俺の顔を見ると、にこりと微笑む。

 笑っているのにこんなに女性に恐怖を感じるとは……。

 その後も自己紹介は続いた。

 同じクラスで回した後は、今度はクラスを混ぜての自己紹介が始まった。

 

「やぁ! 絢葉ちゃん! 木川君! 私が来たよ!!」


「帰れ」


「ん………あ、そう……」


「二人とも酷い!!」


 今度やって来たのは上屋敷だった。

 上屋敷はいつもの調子で俺の班にやってくると、一緒にきた女子と一緒に自己紹介を始めた。


「上屋敷佐恵でーす! 趣味は遊ぶこと! 特技はカラオケ! みんなよろしくね!」


 元気よく挨拶をする上屋敷。

 こいつは能天気で良いなぁ……悩みとかなさそうだし。

 

「はいはい、わかったからもう帰れ」


「酷い!! 私達親友じゃない!!」


「お前と親友になった覚えはない」


「フン! あんまり佐恵ちゃんの事をいじめてると、佐恵ちゃんもうかまってあげないんだから!」


「じゃあ、その方向でお願いします。面倒なので……」


「酷い!! 絢葉ちゃんはそんな事言わないもんねー」


「……え? ごめん……聞いてなかった」


「聞いてすらもらえないの!?」


 やれやれ、まったくもって騒がしいやつだ……。

 俺がそんな事を思っていると、上屋敷は俺の顔をジーっと凝視し始めた。


「ん? お、おい……なんだよ」


「あぁ、ごめん……あのさ、木川君……なんか疲れてる?」


「え? いや別に……」


 先ほどまでのテンションとは違い、真面目なトーンの上屋敷に俺は少し驚いた。

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