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一話 そっくりな妹

 プリムローズ伯爵家には、それはそれは可愛らしいご令嬢がいる。


 名前はモニカ・プリムローズ。きらきらと輝く大きな瞳に、艶々と潤っている唇。花弁みたいに可愛らしい爪、影を落とすほど長いまつ毛、ふわふわの髪……。

 そして何より、太陽のように眩しい笑顔。


 誰からも愛される、絵に描いたような伯爵令嬢。


 ____それが、私の双子の妹。





 私はシルヴィア・プリムローズ。


 両親ですら間違えるくらいモニカとそっくりな顔立ちで、違うところは少しツリ目な眼くらい。


 なのに、中身は全然違う。

 明るくて優しくて、笑顔でみんなを癒しているモニカ。

 一方で、モニカより内気で暗くて、目立たない性格をしている可愛げのない私。


 社交界でも私たち双子の存在は有名だけれど……それはあくまで、モニカが人気者だからに過ぎない。


 モニカが太陽なら、私は欠けた月だ。

 モニカという太陽がいないと輝くことすらできない存在。



 両親は一見私たち双子を平等に愛そうとしてくれているように見えるけれど……本当は、モニカの方を愛していることくらいわかっている。


 何をするにもモニカの意見が優先されて、私は「お姉ちゃんだから」で我慢してばかり。お姉ちゃんなんて言われても、数時間私の方が先に産まれただけなのにね。



 十七歳の私達には、縁談の話も舞い込んでくる。

 でも、そのどれもがモニカを求めていた。


 当たり前よね。私は社交界でも人と上手く話せなくて壁の花だけれど、モニカは花そのものだもの。


 まぁ肝心のモニカは「私は好きになった人と結婚したいもの!」なんて言って、一向に縁談を受ける気はないようだけれど……。






 ____けれどそんなある日、私にも転機が訪れた。

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