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異世界旅行社企画課の業務は  作者: 滝神淡


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20/20

エピローグ

 多田は沢口と一緒に異世界から元の世界へ帰ってきて、MTCJの入居するビルまで戻ってきた。社内へ入るとまず情報・備品課で帰還の手続きを済ませ、貸与物を返却する。そこで沢口と多田は別れた。多田は重い足取りで企画課へ歩を進め、課長席へ行く。課長の花鳥は多田の顔色を見ただけで察しを付け、近くの小会議室へ場所を移した。花鳥が視線で促すと多田は報告を始めた。

「駄目でした。これは本当に予想外だったのですが……」

「商品化不可能レベル?」

 花鳥の質問は端的で的確だった。多田は頷く。

「はい。それが……離婚のエピソードだったんです。現地の村長が言うには昔の国王がー―」

 多田はエピソードの内容を報告した。そして中国人コンビのことも余さず報告した。花鳥は聞き終わってすぐに決断を下したのだった。


 今回の企画:アメイズカップル向け『不思議湖ツアー(仮)』……廃案。


 その頃、アメイズでは。

 エウリナがウーとリーを見送っていた。ウーがニコニコしてお礼を言う。

「ではこれで帰ります。また良い情報をお願いします。頼りにしています」

 それに対してエウリナもニコニコして返す。

「情報の価値が分かる人って大好きです! またよろしくお願いします。どうぞごひいきに」

 そしてウーとリーはゲートへ向かって行った。

 一人残ったエウリナはとても爽やかな笑みで金貨をお手玉し、独りごちた。

「うふふ……追う側も追われる側も私にとってはお客様~」

 上機嫌のそれは鼻歌みたいに調子が良かった。


あとがき


 久し振りに作品を書き上げたので前作から何年経過したか、前作がどれだったかがちょっと思い出せません。

 とにかく今回は軽い感じのお仕事モノとして明確なビジョンで書いていきました。

 世に溢れる異世界モノにはそれぞれ書き手がいて、それらの人達はいわば異世界旅行のツアーガイドみたいなものだよな、というのが本作を思い付くキッカケになりました。

 異世界旅行、行けるようになったら高額にはなりそうですが、行けるならこんな所に行きたいとか想像しながら楽しんでいただければ幸いです。


   二〇二五年一二月吉日   滝神 淡

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